知的財産ニュース SKハイニックス、米国特許訴訴訟でラムバスへの勝訴可能性高まった

2012年9月23日
出所: デジタルタイムズ

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米国の裁判所で行なわれているSKハイニックスとラムバス(Rambus)の特許侵害訴訟で、SKが有利な局面を迎えた。原審の判決が覆されたことで、SKハイニックスが支払う損害賠償金も大幅軽減するとみられている。

23日のブルームバーグ通信などの外国メディアとSKハイニックスによると、米国時間の21日、米カリフォルニア州の北部地方裁判所は、SKハイニックスとラムバス間の特許侵害訴訟の破棄差戻し裁判で、従来の判決を覆し、ラムバスが悪意的に違法な証拠廃棄を行なったと言い渡した。

これを受け、裁判所は、相応する合理的かつ非差別的(RAND・Reasonable&Non-Discriminatory)なロイヤルティ条件についての両社の意見を書面で10月中に提出することを命じた。

2000年8月に始まった訴訟で、カリフォルニア州北部地裁は、2009年3月にSKハイニックスがラムバスの特許を侵害したとして、3億9700万ドルの損害賠償金と米国における今後の売上についての経常ロイヤルティの支払いを命じた。

しかし、昨年5月、SKハイニックスの控訴で行なわれた控訴裁判で米国連邦高等控訴裁判所は、原審の判決を破棄差戻しした。ラムバスが違法に証拠資料を破棄したかとともに、こうしたラムバスの行為が悪意的だったか、それによりSKハイニックスの防御権に影響が与えられたかなどを判断し、適切な救済手段を決めるためのものだった。今回の決定は、当時の判決に従うものだ。

SKハイニックスは、今回の決定に歓迎の意を表し、残っている訴訟手続きにも最善を尽くしたいとコメントした。損害賠償金も積立の貸倒引当金で支払いできると予想している。

関係者は、「合理的かつ非差別的なロイヤルティ条件は、インフィニオンやエルピーダ、サムスン電子がラムバスに支払っているロイヤルティ条件をベースに決められる。SKハイニックスの損害賠償金は、原審より大幅軽減され、SKハイニックスのバランスシートにマイナスの影響は与えない。」と説明した。

一方、SKハイニックスは2月に、ラムバスが提起した反独占訴訟でも勝訴した。現在、ラムバスの控訴で控訴手続きが行なわれており、控訴審では、法理条に優位にあるSKハイニックスの主張が認められる可能性が高いものと判断している。

イ・ホンソク記者

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