知的財産ニュース 三星、アップル相手に特許訴訟総攻撃突入

2012年4月23日
出所: 電子新聞

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三星電子がアップルを相手に特許総攻撃に入った。

iPhoneだけでなく、新しく発売した「NEW iPad」と「iTV」、PCまで狙いを付けた。1年余りの間行なわれた特許戦の交渉を控えて、有利な立場に立つための布石と思われる。

三星電子は去る18日、アップルを相手に米国,カリフォルニア北部地方裁判所に計8件の特許侵害訴訟を提起した。三星は今回の訴訟で従来のスマートフォンとスマートパッドに集中していた特許戦をアップルの全製品に拡大した。

三星はアップルが移動通信システムデータ送信およびマルチメディアの同期化、仮想キーボード、デジタル映像および音声、遠隔映像送信記録と再現などに関する8件の特許を侵害したと主張した。

このうちアップルのクラウドサービスと関連したマルチメディアの同期化に関する特許を侵害したと主張した点が注目される。これは、iPhoneとiPadのみならずiPod、iTV 、iCloud、iTunesなどアップルの全製品に適用されるためだ。三星がアップルの全製品とサービスに特許侵害訴訟を提起したのは今回が初めてのことだ。

三星が特許戦を拡大したのは、アップルとの交渉で主導権を握るための戦略と思われる。

三星は昨年4月15日に始まった特許戦において、主にアップルの攻撃を受けながら目立った勝利は収めていない。iPhoneとiPadの通信技術特許の侵害は「誰に対しても差別なく提供しなければならない」と言う国際協約対象のFRENDに適用し、アップルに大打撃を加えることはできなかった。

三星は戦略を修正、アップルの全製品とサービス中である三星の特許侵害対象を見つけたようだ。これに特許対象をTVとPC、iCloudなどと拡大しながら、アップルが予想できない部分まで攻撃した。両社CEOが交渉テーブルにつく前に、アップルを圧迫するためのカードを引いたと見られる。

特許専門家らは、1年余り続けてきた両社の特許戦に合意の気配が感じられ、三星が追加訴訟を提起したが交渉のための日常的なプロセスだと判断している。

三星電子関係者は「交渉がいつになるかはわからないが、アップルが侵害した特許に対してさらに多くの要求をする」とし、「昨年1年間の訴訟で相手に勝つことができるという確信が生じた」と述べた。

ジョン・ウソン最上国際特許法律事務所代表弁理士は「法院の命令で、両社が協議することができる場が設けられた」とし、「交渉も訴訟の延長のため、最終結果が出る前まで相手を追いやるしかない」と説明した。

金・インスン記者

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