知的財産ニュース 「ため息つくアップル」…こんな逆風に晒されるとは…

2012年9月12日
出所: デジタルタイムズ

3765

米国における陪審員評決後にイメージ悪化…サムスンは好感
12日に公開される「アイフォン5」にも悪影響か

サムスン電子をはじめ、世界のスマートフォンメーカーを相手に特許攻勢を強めているアップルのブランドイメージが悪化しつつある。アップルのイメージ悪化は、12日に公開される「アイフォン5」にも影響を及ぼすとみられている。

米国時間の10日、IT専門メディアのシ・ネット(Cnet)などの外国メディアは、イギリスの世論調査機関「YouGov」が最近行なった世論調査の結果を引用し、米国での訴訟後、サムスンのイメージがアップルより良くなったことを報じた。

調査によれば、陪審員評決直後は、サムスン電子のイメージが悪いという結果となったが、最近の2週間、イメージが急速に好転し、アップルより良い結果になったという。YouGovの調査結果、特に18~34歳の調査対象者は、サムスンに45点を越える点数をあげたが、アップルには25点に満たない評価を出した。

YouGovの世論調査の結果は、最近イギリスのロンドンにあるメディア分析企業のメディア・メジャーメント(Media Measurement)研究院が調査した結果とも一致する。ツイッターやフェースブックなどのソーシャルメディアを中心に行ったこの研究では、陪審員の一方的な評決後、アップルの堅い支持層すら否定的な見方に変わっていた。

アップルのイメージ悪化は、世界スマートフォンメーカーを相手にした、行きすぎた特許攻勢とともに米国の陪審員の信頼性に多くの批判が向いているためだと分析できる。

一部の海外メディアは、アップルがサムスン、モトローラ、HTCなどを相手に繰り広げている特許攻勢が革新を妨げていると批判した。また、米国におけるサムスンとアップルの特許訴訟で、アップルに一方的な勝利を評決した陪審員の資格、評決過程などが不公平だったという批判が提起された。

関連業界では、こうした逆風がアップルのアイフォン5にもマイナスの影響を及ぼすと見ている。実際に、サムスン電子の戦略スマートフォン「ギャラクシーS3」は、サムスンとアップルが特許合戦を本格化した8月の1ヵ月間、アップルのスマートフォン販売量を上回り、米国で1位となるなど、アップルのイメージ悪化の効果が現実のものとなっている。

特に、韓国の一部のオンラインコミュニティでは、アップルの「独断的な特許攻勢」に対抗し、アップル製品をボイコットするなど、マイナスの世論が拡大している状況だ。

キム・ユジョン記者

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195