知的財産ニュース 想像する全てのものを印刷する3Dプリンタ!

2012年5月14日
出所: 韓国特許庁HP

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「ロボットをプリンタで印刷する?」ロボット映画の代表作である「トランスフォーマー」のロボットは、全面的にコンピュータグラフィック処理されたものである反面、映画「リアルスティール」に登場したロボットファイター「アトム」は、実物大の1/5のモデルが製作され、その製作には先端3次元(3D)プリンタが用いられ、一層現実味が加わったことが分かった。

3Dプリンタは、コンピュータで作成された物体の3次元設計図を基にインクジェットプリンタがインクを振りまき、印刷するように粉や液体になった原料物質を極薄層に反復的に積み上げながら物体の立体形状を作る方式(造形方式)や、塊の原料物質を外側から微細に削り出し、作りたい形状にする方式(彫刻方式)を用いる。

韓国特許庁によれば、3Dプリンタに関連した特許出願は2005年まで19件に過ぎなかったが、2006年以降2011年まで計59件出願され、増加傾向が続いていることが分かった。

これは、3Dプリンタが2000年代初期に単純に製品模型や見本を製作するのに主に利用されていたが、多様な原料物質が開発されることによって適用分野が拡大していることを現わす。例えば、自動車、航空など先端機械製品だけでなく、医療分野では人工骨や歯科補型物を製造したり、食品分野では液状チョコレートなど食品材料を使用して特定の形状や味がある食べ物を製造するのに3Dプリンタを用いる技術が開発されている。

今後、3Dプリンタは単純に商業的な製品の製造に限定されず、生命工学やナノ工学など多様な技術と融合して、人類の健康と生命維持に重要な役割を担うことになると考えられる。また、アニメーションや映画の中に登場するキャラクターとともに興味を誘発したり、他の人々と違った物を好む消費者の心理を反映した製品の製作に積極的に利用されるものと思われる。

現在、各家庭にプリンタが普及しているように、近い将来には「各家庭で3Dプリンタを利用し、自分だけの独特なデザインを持つ物を直接作って使う日」が来ると期待され、今後3Dプリンタ関連の特許出願は持続的に増加すると思われる。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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