知的財産ニュース 大学・公的(研)の最多特許ロイヤリティー収入研究者は?

2012年4月18日
出所: 韓国特許庁HP

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大学および公的研究機関で特許ロイヤリティー収入を最も多く得た研究者は誰か?

韓国特許庁が国内の大学および公的研究機関を対象に最近3年(2009~2011年)間における研究者別特許ロイヤリティー収入を調査した結果、大学では仁荷大学ソン・スンウク教授(仁荷大学病院)、公的研究機関では韓国地質資源研究院のジョン・カンソプ博士が最も多くロイヤリティー収入を得たことが明らかになった。

ソン・スンウク教授は「層分離培養法を利用して、骨髄から中間葉幹細胞を分離する技術」を開発し、この技術はH企業に移転されることによって、去る3年間総41億2千万ウォンのロイヤリティー収入を得た。

この技術は人体の骨髄から100%に近い純度で幹細胞を分離して出す源泉技術で、過去に幹細胞治療剤に不純物が混入して治療効果が不安定であった問題点を解消し、今後幹細胞治療剤市場での競争力を画期的に高めるとして評価されている。

ソン教授に続いて大学で特許ロイヤリティー収入を多く得た研究者は、ソウル大学カン・キョンソン教授、韓国科学技術院 パク・ヒョンウク教授、江原大学 ユン・ギョング教授、漢陽大学パク・ジェグン教授の順。

公的研究機関で1位を占めた韓国地質資源研究院のジョン・カンソプ博士の「海水からリチウムを抽出する技術」はポスコに移転され、40億ウォンのロイヤリティー収入を上げた。

この発明は、携帯電話などモバイル機器と電気自動車のバッテリーに使用される必須素材であるリチウムを海水から直接選択的に抽出することができる高性能吸着剤の製造技術で、これまで全量輸入に依存しているリチウムの輸入代替と需給安定に寄与すると評価されている。

ジョン博士に続いて韓国海洋研究院 李・パンムク博士、韓国電気研究院オ・ヒョンソク博士、韓国電子通信研究院 金・ヒョンタク博士、韓国海洋研究院 コン・イニョン博士の順でロイヤリティー収入を多く得ていることが分かり、特に韓国海洋研究院は、ロイヤリティー収入の上位5大研究者に2名の研究員が含まれている。

李・スウォン特許庁長は「特許競争が日に日に激しくなっており、基礎・源泉技術を開発していく韓国の大学および公的研究機関の特許競争力が強化されなくてはならない。」とし、「大学および公的研究機関で開発された特許技術が、産業界で有意義に活用されるように、特許庁は有望技術の発掘と特許事業化を積極的に支援する計画だ」と述べた。

また、今回の特許ロイヤリティー収入優秀研究者については、18日開催される「R&D IP協議会」の総会で授賞する予定。

※R&D IP協議会:全国86ヵ所の大学・公的(研)の特許管理責任者で構成された協議体

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