知的財産ニュース 韓国人の欧州特許登録、簡単かつスピーディに

2012年12月6日
出所: 韓国特許庁

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欧州特許の取得手続きが簡素化し、登録に要される期間も短縮される。

キム・ホウォン特許庁長は、12月3日、ドイツのミュンヘンで欧州特許庁のBenoît Battistelli庁長と欧州・韓特許庁の長官会談を開き、韓国人が欧州特許庁に特許を出願する時の書類提出要件の簡素化を内容とする了解覚書を締結した。

今回の了解覚書の締結により、出願人が先行技術調査の結果を欧州特許庁に直接提出する義務を韓国特許庁が代理することになり、欧州に特許を出願する企業や個人の負担が大きく軽減されるものと期待されている。

韓国特許庁と欧州特許庁は、両機関が保有している特許情報の交換と自由な活用についても合意した。今回の合意を通じて欧州特許庁が保有している膨大な特許情報を、韓国特許庁をはじめ、韓国の特許情報サービス会社も活用可能となり、韓国の特許情報サービス産業発展の呼び水になるとみられている。

一方、オーストラリアのウィーンで12月5日に開催されたオーストラリア・韓特許庁長官会談では、両国の特許審査ハイウェイ(Patent Prosecution Highway, PPH)及び国際特許審査ハイウェイ(PCT※Patent Prosecution Highway, PCT-PPH)施行に関する了解覚書が締結された。

PCT:国際特許協力条約(Patent Cooperation Treaty)の頭文字。個別国にそれぞれ出願する手間を省くため、国際出願(PCT出願)を行った場合、各国に出願したものとみなす国際協約

オーストラリアとPPH及びPCT-PPHの施行を通じてオーストラリアに出願される韓国人の特許出願の審査期間が大幅短縮されるほか、韓国に出願されるオーストラリアの特許出願に対する特許庁の審査負担が軽減されることが期待されている。

キム・ホウォン庁長は、今回の合意について「年間約500件にのぼっている欧州への特許出願の手続きが簡素化し、オーストラリアに特許登録する時の期間も短縮されたことで、欧州に進出する韓国企業の特許活動に大きく役立つだろう。」と評価した。

韓国特許庁は、2013年第1四半期以内に韓国の出願人が今回の合意によるメリットを享受できるよう、欧州とオーストラリアの特許庁と関連制度の施行に向けた具体的な実務の議論を早期にまとめる計画だ。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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