知的財産ニュース 「LGディスプレイ・LG電子がLCD特許侵害」

2012年12月13日
出所: デジタルタイムズ

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サムスンディスプレイがLGディスプレイとLG電子を相手に液晶ディスプレイ(LCD)技術特許を侵害したとして訴訟を提起した。有機発光ダイオード(OLED)から始まった両社の係争がLCDに飛び火している。

12日、両社によると、サムスンディスプレイは最近、ソウル中央地裁にLGディスプレイとLG電子がLCD特許を侵害したとして訴訟を提起した。

サムスンディスプレイが侵害されたと主張するLCDコア技術特許は計7件で、パネル特許4件と製造工程特許1件、モジュール・駆動回路特許2件だ。サムスンは、1997年11月特許出願したPLS(Plane to Line Switching)技術をLGディスプレイが「AH‐IPS」という名前で中小型LDCパネルに勝手に適用、LG電子などに供給したと主張した。

PLS技術は、一つの面板(Plane)電極の上に線(Line)の電極を水平に重複配置する電極構造方式だ。PLS方式で液晶を駆動するとディスプレイの明るさを大きく改善し、電力消耗を減らせるため、高画質のディスプレイ製造に適合だと評価されている。

サムスンディスプレイは、LGディスプレイとLG電子にこの技術を利用している全ての製品の生産と販売を直ちに中断し、20億ウォンを先に補償するよう求めた。サムスンディスプレイの関係者は、「技術的な検討を行った結果、技術の特許を侵害されたと判断した。特許侵害による被害をこれ以上看過できないという決定により、訴訟を提起した。」と述べた。

これについてLGディスプレイは当惑を隠せなかった。「AH‐IPS」という名前で技術を出してから時間が経った今になって訴訟を提起したことは理解ができないという立場だ。LGの関係者は、「最近、訴状の事実関係を綿密に検討している。競合会社の無理な訴訟に積極的に対応していく計画だ。」と述べた。

今回の訴訟提起により、OLEDから始まった両社の訴訟は、LCDにまで拡大した。両社の攻防は、4月の京畿警察庁がサムスンディスプレイの大型OLEDテレビ製造技術を渡されたLGディスップレイの役員など5人と、サムスンモバイルディスプレイ(SMC・現サムスンディスプレイ)の前・現職の研究員6人など、11人を逮捕したことを明らかにし、本格化した。その後、9月にLGディスプレイがサムスン電子とサムスンディスプレイを相手にOLED技術関連の特許侵害訴訟を提起したことで両社の訴訟は、プライドを賭けた裁判沙汰となっている。

イ・ホンソク記者

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