知的財産ニュース 透明OLEDも韓国特許が最多

2012年12月28日
出所: デジタルタイムズ

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次世代ディスプレイの一つとして評価されている透明有機発光ダイオード(OLED)技術の韓国における特許出願の割合も韓国勢が最も多いことが分かった。今後の次世代ディスプレイ技術をリードし、差別化された競争力の源を確保できるものと期待されている。

27日、市場調査機関「ユビ産業リサーチ」が発表した「透明OLED市場の見通しと技術イシュー分析報告書」によると、これまで韓国に出願された透明OLED特許232件のうち、韓国は、136件で全体の58.6%を占めた。

登録済み特許をベースにした場合にも698件で全体(90件)の76.7%を占めるなど、韓国勢の割合が高くなっている。計76件を出願し、そのうち16件を登録した日本がその後を次ぎ、米国(8件出願・3件登録)とオランダ(7件出願・1件登録)の順となった。

これは、韓国企業がOLED技術をリードしているという現状をそのまま反映したもので、次世代ディスプレイ技術も先導できるという期待感を高めている。一方、「韓国で日本国籍の出願人の出願頻度が高いことを踏まえると、日本でも透明OLEDの研究開発(R&D)が積極的に行われていることが垣間見える」とユビリサーチは説明している。

年度別においては、2008年まで66件だった特許出願件数は、2009年から昨年までの3年間計159件となり、今年も7件が追加されるなど、急激に増加している。ユビリサーチは、「2006年までは毎年10件を下回るほど、出願率は低い水準だったが、2007年から二桁に増えて増加基調を示してきた。2011年と2012年は、未公開の特許が多いため、今後さらに増える見通しだ。」と述べた。

分類別では、Backplane(有機物に電力を供給する技術)関連が111件(47.8%)と半分以上を占めたが、今年にも7件が追加出願された。OLED(80件・34.5%)が後を次いだ。メーカー別では、サムスンディスプレイが57件(24.6%)と最も多く出願しており、日本半導体研究所(SEL)と韓国電子通信研究院(ETRI)がそれぞれ51件(22%)と17件(7.3%)を出願した。

ユビリサーチのイ・チュンフン代表は、「透明OLEDの場合、まだ商用化までは時間が要されるため、ディスプレイ企業が直ちに力量を集中させることには、多少の負担があるだろう。しかし、次世代ディスプレイ技術の重要性を踏まえ、関連のR&Dを持続的に推進する必要がある。」と強調した。

イ・ホンソク記者

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