知的財産ニュース 機器同士がコミュニケーションを始める!

2012年10月30日
出所: 韓国特許庁

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機器同士(M2M)のネットワーク関連の特許が急増

寒い冬の朝、出かける準備をしている間、温度センサーが車に信号を送り込みエンジンをかけてヒーターをつけておく。車に乗ると、リアルタイムで受信した交通状況に応じて道を案内してもらい、ユーザーが家に近づいたら車やスマートフォンが家の温度調節装置に情報を送信して室内温度を調整する。電気やガス、水道などのメーターは、使用料を自動的に点検し、遠隔サーバーに転送する。健康管理のために体に取り付けられたセンサーは、生体信号をモニタリングして情報を病院などに自動的に送り込み、応急な状況を感知すれば自動的に救助要請を出す。

以上は、現在私たちが生活の中で経験しているか、近未来に経験すると予想されている機器同士(M2M:Machine-to-Machine)のネットワークサービスの風景を描いている。M2Mネットワークは、人を介さず機器同士が行うコミュニケーションだ。M2Mネットワーク環境における機器は、メモリの読み取りや直接操作など、伝統的に人により行なわれてきた動作は最小限に減らし、機器同士のネットワークで自らが判断してスマートに動く。

韓国特許庁によると、M2Mネットワークに関する特許出願が最近急増しているという。最近の6年間(2006~2011)のM2Mネットワーク関連の特許出願は、2009年17件から2010年42件、2011年80件と毎年速いスピードで増加している。

出願人別に分析すると、KT、サムソン電子、LG電子などの国内大手が68%と最も多く、続いて韓国電子ネットワーク研究院及び国内大学などの国内研究機関が23%、外国企業が8%、個人が1%の割合を占めている。頭打ちとされていたネットワークサービス市場で主要企業が新規収益を創出するための解決策としてM2Mネットワークに大きな関心を示していることがうかがえる。

技術別における出願動向を分析すると、M2M機器の接続をコントロールする技術が44%と最も多くなっている。これは、M2Mネットワークの特徴上、多数の機器が同時にアクセスするとネットワークに過負荷が発生する現象を防ぐための技術開発が積極的に行なわれていることを意味する。その他に、M2M機器への遠隔管理技術が14%、M2Mサービス関連の出願が11%、セキュリティ/認証関連の技術が6%、節電/バッテリー関連技術が3%を占めていた。

韓国特許庁の関係者は、「これまでは、施設の管理や遠隔コントロールなど、産業現場で主に利用されてきたM2Mネットワークが、今後、家庭のセキュリティや管理、車両の管理及び運転の補助、遠隔医療など、生活と密接したサービスにその応用範囲が拡大するだろう。」という見通しを示した。また、M2Mネットワーク関連の特許出願も着実に増加すると予想した。

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