知的財産ニュース アップル、アンドロイド陣営に攻勢

2012年2月19日
出所: デジタルタイムズ

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アップルが、アンドロイド陣営に対する特許攻勢を強化している。特に大部分のスマートフォンが採用している「スライド式ロック解除」の特許がドイツ裁判所に認められ、アンドロイド陣営を緊張させている。アップルは米国国際貿易委員会(ITC)で行ったHTCとの訴訟戦でも最終勝訴した。

19日関連業界によれば、アップルはドイツ,ミュンヘン裁判所で、モトローラのスマートフォン製品に対して提起した「スライド式ロック解除」の特許侵害と関連した販売禁止仮処分訴訟で一部勝訴した。

この特許は、スマートフォン初の画面タッチ反応を通じてロックを解除する方式で、大部分のアンドロイドスマートフォンが採択している技術だ。アップルは三星電子に対しても同様の理由でドイツ裁判所に本案訴訟を提起しており、来月2日の判決を控えている。

アップルがモトローラに続き、三星電子にも勝訴した場合、業界に及ぼす影響は大きくなると見られる。大部分のアンドロイドフォンが類似の機能を備えているため、アップルとしては大部分のアンドロイドフォンメーカーに同一条件で訴訟を提起できる武器を確保したわけだ。

ただし、ドイツ裁判所は、モトローラ製品のうちスマートフォンに対してのみ「スライド式ロック解除」の特許を侵害し、タブレットPC専用運営システムのハニーコムに搭載されたズームについては、特許を侵害していないと判決した。ハニーコムは、特定ボタンを押す方式ではなく、画面に表示されたカギを丸く転がしてロックを解除する方式を採択している。三星電子もギャラクシーS2以後の製品からは、特定ボタンではなく、スクリーン全体をなぞる方式を採択しており、必ずしも不利な状況というわけではない。

専門家は、ソフトウェアを基盤としたアップルの特許攻勢が、ライバル企業等に実質的な打撃は負わせることはできないが、アンドロイド陣営には大きな負担を与えていると指摘。モトローラも今回の仮処分判決により、他のスマートフォンのロック解除方式を変更しなければならない状況だ。三星電子も3月2日の判決で敗訴した場合、アップルが損害賠償などを要求することもあり得る。ドイツ特許専門家のフロリアン・ミュラー氏は「今回のスライド式ロック解除の特許侵害判決で、アップルがアンドロイド陣営全体に悪影響を及ぼす恐れがある重要な武器を獲得したことは明らかだ」と述べた。

アップルは去る17日、HTCと米国国際貿易委員会(ITC)で行った販売禁止訴訟戦でも最終的に勝利を収めた。ITCは、HTCが主張した特許4件に対し、アップルは侵害していないと判決を下した。また、同日、モトローラに対しても公正かつ合理的な標準特許使用規約「フランド(FRAND)」を違反したとして、ヨーロッパ連合執行委員会に提訴した。iCloud関連の特許訴訟でモトローラに敗訴したことに対する防御訴訟を提起して、攻勢を強化している。

パク・チソン記者

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