知的財産ニュース アップルの屈辱…サムスンの標準特許を甘く見て…

2012年8月24日
出所: デジタルタイムズ

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サムスン対アップルの韓国における特許訴訟は、事実上のサムスンの勝利となった。アップルの主な主張だったデザイン特許権の大半が認められず、「フランド規約」についてもアップルの主張は通じなかった。

ソウル地方裁判所で24日開かれたサムスンとアップルの特許訴訟の公判では、サムスンとアップルの関係者や取材陣約100人と大勢の人が寄せ押せてきた。前日までサムスンとアップルの弁護士は、最終判決のシナリオに備えた対応策を講じていた。

裁判部は、サムスン側がアップルを相手に昨年提起した特許侵害訴訟についての判決を先に下した。この日、判決の背景を説明する過程で、裁判部は、アップルがサムスンの標準特許の価値を軽く見ているという認識を示した。

担当裁判官は、「アップルがサムスン電子の標準特許の価値を見下している。最初、サムスン電子に提案したロイヤルティの水準も業界の一般的水準に比べ低い。」と述べた。

また、裁判部は、「サムスン電子は、防御的な性格で訴訟を提起したと見られ、市場の取引秩序を乱したとは見なし難いうえ、訴訟提起が特許の濫用でもない」と判決した。

特に、「サムスン電子が特許についてフランド(FRAND)宣言したあと、アップルに訴訟を提起したことが真意誠実の原則に違反するか、社会秩序に反するものとは言い切れないため、権利濫用に該当するとも言い難い」と補足した。

フランド規約とは、「公正かつ合理的で非差別的な(Fair, Reasonable And Non-Discriminatory)」の略語で、特許がないメーカーが適切な特許使用料を支払い、標準特許で製品を作り上げる権利を意味する。

裁判部はまた、「サムスン電子が訴訟を通じて市場での独占を維持・強化する目的があったか、著しく差別的な価格など、不公正な条件をアップルに提示したとも見なし難いため、公正取引法を違反したと見なす根拠もない」と強調した。

金ユジョン記者

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