知的財産ニュース 「LTE特許争奪戦」米国・中国の動向

2012年4月1日
出所: デジタルタイムズ

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グローバルなモバイル技術が、第3世代(3G)移動通信技術から4G移動通信技術のロング・ターム・エボリューション(LTE)へ瞬く間に広がり、LTE標準特許の確保をめぐって各国の争奪戦が激しくなっている。

特に、中国は独自開発したTD-LTEの国際標準承認を機にLTE市場で影響力を徐々に拡大し、米国は特許怪物によるLTE市場での特許訴訟で市場を先行獲得するための布石を敷いていることが注目されている。

1日、ヨーロッパ電気通信標準協会(ETSI)に申告されたLTE標準特許5323件を特許庁が分析した結果によると、米国が1904件(35.8%)と最も多く、続いて韓国1124件(21.1%)、中国903件(16.9%)、日本501件(9.4%)、スウェーデン362件(6.8%)等の順であることが分かった。

企業別では米国のインターデジタル780件(14.7%)、三星電子679件(12.7%)、米国クアルコム625件(11.7%)、LG電子385件(7.2%)、スウェーデン エリクソン362件(6.8%)、中国ZTE 320件(6.0%)、中国ファウェイ304件(5.7%)等の順だった。

このうち変化の激しい中国は、LTE標準特許においてZTE(320件)、ファウェイ(304件)、CATT(279件)等を中心に大量に確保し、世界3位のLTE標準特許保有国にのし上がった。これは、中国の4G無線ブロードバンドの国家標準技術であるTD-LTEが、ヨーロッパ通信標準のLTE-アドバンスドに含まれたおかげだ。国際電気通信連合(ITU)は去る1月、LTE-アドバンスドを第4世代移動通信標準技術の一つとして承認している。

韓国特許庁関係者は「中国のLTE標準特許の保有件数が増加したのは、2006年から独自の第4世代移動通信技術の開発と標準化戦略を政府レベルで推進してきた結果が反映されたためだ」とし、「中国のTD-LTEが第4世代移動通信標準技術の一つであるLTE-アドバンスドに含まれ、インド、日本、ロシアなどが導入の意向を明らかにしていることから、今後市場で相当な競争力を持つようになることが予想されるため注視しなければならない」と説明した。

米国もインターデジタルおよびクアルコムなど企業の自らの努力でLTE標準特許の最多保有国となった。特に、特許管理専門会社(NPE)で知られるインターデジタルが最も多い780件の標準特許を保有し、第2世代、第3世代などの移動通信標準特許のようにLTE分野でも大規模特許訴訟を行ない、市場競争力を高めていくという分析が支配的だ。

これを反映するように、インターデジタルは全世界に2000件余りの関連特許を出願したことが把握されている。

韓国特許庁関係者は「2番目にLTE標準特許を多く確保している韓国は、中国と米国のLTE標準特許の確保戦略に先制的に対応できる方法を講じて、LTE-アドバンスドの次に展開する移動通信技術に対する標準特許の創出に、さらに大きな関心と投資を行ない取り組んでいく必要がある」と述べた。

一方、特許庁は今回のLTE標準特許の分析に対する内容を標準特許ポータルサイト(www.epcenter.or.kr)を通じて提供し、主要技術に対する標準特許動向を分期別で分析・提供する計画だ。

李・ジュンギ記者

図:LTE標準特許 国家別保有現況グラフ

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