知的財産ニュース 企業の知的財産専従組織、大幅増加

2012年12月27日
出所: 韓国特許庁

3963

韓国特許庁と韓国知識経済部貿易委員会は、韓国知識財産研究院(主管研究機関)と(株)コリアデータネットワーク(設問調査機関)に依頼して実施した2012年「企業及び大学・公的研究機関の知的財産活動実態調査」によると、企業の知的財産専従組織を保有している割合が増加し、海外において特許権を出願した企業が増加していることが分かった。

企業の知的財産専従組織を保有している割合は、2011年度は38.6%であったが、2012年度は55.4%と大幅に増加した。これは、最近の国際的特許侵害訴訟の激化により、企業で知的財産の重要性に対する認識が拡大され、専従組織を増やしたことを反映しているものである。

しかし、知的財産専従職員を保有している割合は12.1%で、前年度に比べ19.2%に比べ減少し、兼任職員の割合が93.2%で、前年度の82.0%に比べ増加している。これは、企業が人材活用に対する費用支出を減らすために知的財産専従職員よりは兼任職員として活用しているケースが多いということである。

一方、全体企業のうち、特許権を海外出願(PCT含む)した企業の割合は21.1%から22.7に増加し、大学、公的(研究機関)の割合は44.9%から48.3%に増加した。これは、海外における知的財産権保護に対する必要性が高くなり、外国での知的財産確保の努力が増加しているということである。

このような調査結果は、特許や商標など産業財産権を出願したり、登録を受けた経験のある全国の18,656企業及び大学・公的研究機関を対象に実施した設問調査を通じて得たものである。

韓国特許庁は2006年以降、毎年これらの調査対象に対し知的財産の創出、保護及び活用などの全過程に対する標本調査を実施しており、知的財産権非侵害分野に対しては2011年から貿易委員会と共同で調査を実施している。

知的財産活動実態調査の結果には、この他にも知的財産専従組織及び人材などインフラ状況、特許情報活用状況、特許権などの導入状況、研究開発成果物の保護戦略、知的財産権の売却及び移転状況、知的財産の侵害など企業、大学・公的研究機関の知的財産活動全般に対する調査結果と診断が収録されており、これを通じて効果的な知的財産活動を支援し、産業競争力の強化に寄与している。

本報告書は特許庁ホームページ(www.kipo.go.kr外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、または貿易委員会ホームページ(http://www.ktc.go.kr外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)からダウンロードできる。

資料:2012年度知的財産活動実態調査の概要及び主な結果

1.調査概要

調査期間
2012年8月20日~11月23日(約3ヵ月)
調査標本設計
2012年を基準に、基準年度(出願2009年と2010年、登録2007年~2011年)に産業財産権を2件以上の出願と1件以上の登録をした韓国内18,656企業及び大学・公的研究機関
※ここでの産業財産権は、特許、実用新案、デザイン、商標を全て含む。

母集団規模

企業

大学及び公的(研)

2007年

10,202

10,050

152

2008年

11,470

11,292

178

2009年

11,987

11,792

195

2010年

13,392

13,165

227

2011年

17,440

17,220

220

2012年

18,650

18,418

238

企業の場合、産業財産権出願規模(共通)と業種(企業)を基準に26の集団で層化抽出した。

  • 基準年度に、年平均出願件数が10件以上または5年間の登録件数が100件以上の企業を全数調査
  • 基準年度に、年平均出願件数が10件未満と5年間の登録件数が100件未満の企業などに対しては割当抽出(quota sampling)
    ※標本割当率は、企業の場合は平均11%適用
  • 全体標本数:3,652個(1,827個は全数調査、1,825個は標本調査)

大学及び公的研究機関の場合は、出願及び登録件数に関係なく全数調査を実施

  • 標本誤差:95%信頼水準に±2.16%(企業標本層)
  • 応答率:43.8%(企業40.6%、大学・公的(研)90.4%)
  • 企業全数層応答率43.0%、標本層応答率38.3%

2. 2012年度主要調査結果及び特徴

1. 知的財産活動のためのインフラ

インフラ:知的財産担当組織及び人材

  • 知的財産担当組織保有比率は、前年対比増加した企業55.4%(62.7%)、大学公共(研究所) 78.3%(80.0%)
  • 企業の場合、独立専門担当部署保有比率は、7.9%(8.8%)から、2.8%(3.6%)に減少したが、兼任部署保有比率が30.7%(33.2%)から52.6%(59.1%)に増加

知的財産担当組織保有比率推移

  • 知的財産専門担当人材保有比率は、企業12.1%(15.2%)、大学公共(研究所) 46.7% (47.8%)で前年対比減少
  • 平均知的財産専門担当人材は、企業0.35人(0.56人)で前年対比減少、大学公共(研究所) 1.80人(1.81人)で小幅増加

インフラ:知的財産担当人材採用計画及び人件費/教育費

専門担当人材保有比率及び専門担当人材推移

  • 知的財産専門担当人材採用予定比率は、企業10.7%(12.1%)、大学公共(研究所) 29.7% (29.9%)で前年対比増加
  • 一年間支出した知的財産担当者人件費/教育費は企業が2、178(2、731)満員で前年対比減少、大学公共(研究所) 8、344 (8、574)満員で前年対比増加

知的財産専門担当人材採用予定比率(企業)

知的財産担当者人件費/教育費(単位:万ウォン)

区分

2007年

2008年

2009年

2010年

2011年
(既存母集団)

2012年
(既存母集団)

企業

3,529

4,936

4,810

4,654

3,526

2,731

大学・公共(研)

1億9,225

7,687

6,091

5,153

6,754

8,574

インフラ:2011年知的財産活動のためのインフラの特徴

  • 企業と大学公共(研究所)の知的財産担当組織保有比率は増加
    企業の場合、独立専門担当部署保有比率は減少したが、兼任部署保有比率が大きく増加
  • しかし、企業の場合、知的財産専門担当人材保有比率と平均専門担当人材数、担当人材に対する人件費/教育費支出が減少
    今後専門担当人材採用予定企業の比率は多少増加
  • 大学及び公共(研究所)の知的財産平均専門担当人材数、担当人材に対する人件費/教育費支出は増加

2. 知的財産創出活動

創出:研究開発過程における特許情報活用現況

先行特許調査遂行推移

  • 先行特許調査遂行企業は60.1% (70.0%)、大学公共(研究所) 51.4%(52.3%)で前年対比減少
  • 全体研究開発課題の中、遂行比率も企業60.4%(59.6%)から57.6%(57.0%)に、大学公共(研究所) 56.9%(57.9%)から45.8% (44.9%)に減少
  • 先行特許調査の必要性を認識している比率も減少

創出:外部からの知的財産導入

知的財産導入推移

  • 国内知的財産を導入した企業の比率は、9.2%(11.5%)で'09年から減少
    平均導入件数も'10年0.4件(同一)から'11年0.3件(同一)に減少
  • 海外知的財産を導入した企業の比率と平均導入件数も前年対比減少

創出:職務発明補償

職務発明補償規定保有/活用推移

  • 職務発明補償規定を保有活用する企業は26.0%(35.5%)で前年対比増加、大学公共(研究所)は76.2%(78.1%)で前年対比増加
  • 国内特許登録補償と出願補償を実施する企業の比率がそれぞれ90.0%と81.3%で最多か

創出:2011年知的財産創出活動の特徴

  • 企業と大学公共(研究所)両方とも、優秀知的財産創出のための先行特許活動及びそれに対する認識が弱化
  • 企業外部で知的財産を導入した成果及び今後知的財産導入拡大予定企業の比率も減少

3. 知的財産の保護

保護:予備平価遂行現況

予備平価遂行推移

  • 予備平価遂行比率は、企業33.8% (39.7%)、大学公共(研究所) 52.7%(54.2%)で前年対比減少
  • 企業、大学公共(研究所)両方とも予備評価の必要性に対する認識度が前年対比減少
  • 全体研究開発課題の中、遂行比率は大学公共(研究所)の場合、83.2%(83.1%)で前年対比増加

保護:産業財産権出願比率及び保護水準に対する認識

  • 企業と大学公共(研究所)が産業財産権出願など公式的な権利保護手続きを進めることになる平均比率は、全体発明の中、それぞれ74.9%(76.6%)と95.9%(96.2%)で企業と大学公共(研究所)両方とも前年対比増加
  • 国内知的財産保護水準がより一層強化される必要があると答えた企業と大学公共(研究所)はそれぞれ73.1%(75.5%)と86.0%(86.4%)で企業は増加、大学公共(研究所)は減少

保護:産業財産権海外出願

  • '11年度一年間、特許権を海外出願(PCTを含む)した企業と大学公共(研究所)は、それぞれ18.0%(22.7%)と46.9%(48.3%)で前年対比増加

研究開発成果物保護戦略(企業)

発明件数対比出願率推移

保護:2011年知的財産保護活動の特徴

  • 企業の予備平価遂行比率は減少し、予備平価必要性に対する認識度も減少したが、大学・公共(研究所)の全体研究開発課題の中、予備平価遂行比率は、'11年77.7%(74.8%)から'12年83.2%(83.1%)に増加

海外出願/登録現況(企業)

特許権海外出願/登録推移

  • 産業財産権出願登録を通した知的財産保護体系に対する信頼度が増加
  • 産業財産権出願など公式的な権利保護手続きを進めることになる比率増加
    国内知的財産保護水準が適切という意見は、企業の場合、11年27.4%(26.3%)から'12年25.5%(22.9%)に減少

4. 知的財産の活用

活用:知的財産実態調査

知的財産実態調査遂行比率推移

  • 知的財産実態調査(評価)を遂行する比率は、企業24.7%(28.0%)、大学公共(研究所) 45.8%(46.3%)で前年対比減少
  • 企業、大学公共(研究所)両方とも全体発明件数中遂行比率は減少したが、実態調査必要性に対する認識度は、企業の場合、減少し、大学公共(研究所)は増加した。

活用:知的財産権の売却・移転の現況

知的財産売却・移転の推移

  • '11年度に知的財産を国内に売却移転した比率は、企業4.1%(5.2%)で同じ水準維持、大学公共(研究所) 60.4%(61.6%)で前年対比増加
  • 知的財産を売却移転した企業の平均売却以前の件数は、前年対比増加、大学公共(研究所)の平均売却以前の件数は、前年対比減少

活用:知的財産売却・移転の努力

オンライン取引システム活用比率推移

  • オンライン技術取引システム活用比率は、企業17.0%(17.6%)、大学公共(研究所) 45.6% (47.2%)で前年対比減少
  • 最近3年間技術取引のためにTLOや技術取引機関などに業務を依頼した企業の比率は、前年対比増加

活用:特許権の活用現況

  • 企業平均特許権活用率及び事業化率は、89.9%(88.5%)と76.4%(74.1%)で前年対比増加、大学公共(研究所)の特許権活用率は、17.1%(17.4%)で前年対比減少
  • 回答企業の総特許保有件数対比総活用件数及び総事業化件数の比率は、それぞれ79.4%、56.5%、大学公共(研究所)の総保有件数対比総活用件数は、15.4%で前年対比減少

特許活用率(各企業/機関の平均)

特許活用率(調査対象特許合算)

活用:2011年知的財産活用活動の特徴

  • 企業の知的財産実態調査遂行比率及びその必要性に対する認識度が減少
  • 企業内部における特許活用率及び事業化率は増加

5. 知的財産権侵害

侵害:知的財産権侵害被害現況

  • '11年に1件以上の知的財産権侵害を受けた企業は、全体の4.3%(6.7%)
  • '11年に特許権侵害を受けた企業は、2.0%(3.3%)であり、平均侵害件数は、2.82件(2.22件)

    産業財産権類型別侵害被害件数(企業)

  • 侵害件数が1件以上である企業の権利類型別比率は特許権、デザイン権、商標権がそれぞれ40.5%(44.5%)、40.9%(30.9%)、14.3%(15.5%)
  • 侵害事例の侵害製品製造者は、72.6%(80.9%)が国内企業、22.0%(14.5%)が海外企業であり、流通地域は、国内が85.6%(86.4%)、中国が12.8%(10.0%)、米国が10.7%(9.1%)
  • '11年知的財産権侵害を受けた企業の中、損害賠償額を認められたか、当事者間の和解が成り立った比率は、10.9%(15.3%)

    侵害被害規模(損害賠償額または、和解金)(企業)

  • 侵害製品が市場に流通することによって営業上の被害が実際発生した場合は、57.3%(48.2%)
  • 実質的な営業上の被害(売上額減少など)はなかったが期待収益の損失が予想されると答えた場合は、知的財産権侵害被害企業の59.4%(68.0%)
  • 知的財産権が侵害対応の隘路事項で「対応時、過度な時間と費用が所要」と答えた比率は67.7%(72.4%)

知的財産権侵害対応の隘路事項(企業)

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:浜岸、曺(チョウ)、柳(ユ)
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195

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