知的財産ニュース 三星、LG電子デジタルデータ処理技術の特許対応が必要

2012年5月23日
出所: 電子新聞

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未来の知的財産(IP)であるデジタルデータ処理技術の特許において、アップルが三星・LG電子より優位に立っていることが分かった。

デジタルデータ処理技術は、スマートフォン又はコンピュータにおいて主に音声認識やユーザーインターフェースなどに使用される。23日電子新聞が特許分析専門会社IPIに依頼してアップルと三星・LG電子が米国に登録した「デジタルデータ処理技術(分類G60F)」特許を分析した結果、競争力を示すパワー指数でアップルが三星・LG電子を大きくリードした。IPIは独自に開発した特許分析システム「パットスパイダー」で3社が最近4年間に登録した特許を分析した。特許競争力により、最高等級のA+から最低等級のFまでの9等級に分類される。デジタルデータ処理技術分野だけを調査した資料ではあるが、アップルと韓国大手企業の特許競争力を見ることができる事例として注目される。

特許訴訟などに活用する可能性が大きいA+等級では、アップルは保有する特許のうち6.1%を占めた反面、三星電子とLG電子の特許中で占めた割合は0.2%と1.8%に過ぎなかった。A等級とB+等級も同様だった。アップルは各々15.2%(A等級)と21.9%(B+等級)で、三星電子は0.9%(A等級)7.5%(B等級)、LG電子は7.4%(A等級)15.4%(B+等級)だった。アップルが競合相手への訴訟に活用した特許は、B+等級が最も多くC等級以下は無かった。

特許潜在性が落ちるD+とD等級のアップル特許の割合は、三星・LG電子と比べて多くて6.4%低かった。高級特許はアップルが多く確保した反面、今後活用度が落ちる特許は韓国企業が多く保有したということだ。

専門家は、調査結果が国内大企業の特許管理に対する安易な政策を示す事例だと説明。ある特許取引会社代表は「昔は、大企業はアップルなど多国籍企業が特許攻撃をするなど考えもしなかった」とし、「特許侵害でアップルを告訴できる特許さえ、機会があっても買収しなかった」と述べた。また、「特許は一般的に登録されて10年後に輝く。単純に今注目の特許を確保するのではなく、今後の技術動向を見据えてあらかじめ確保する戦略が必要だ。」と強調した。大企業は、1~2年前から量的特許の拡大から質的特許の拡大戦略に転換した。

金・ギョンウクIPI代表は「研究開発の産物である特許権が、企業の競争道具として活用されるだけに優秀な特許権保有に対する努力が必要だ」とし、「防御目的の特許出願よりは、攻撃的な特許活用戦略を念頭に置いた研究開発が重要だ」と述べた。ミン・スンウクIPキューブパートナーズ代表は「高級特許は競合会社との訴訟に活用されるだけでなく、クロスライセンシングと投資誘致にも活用されるだろう」とし、「社会全般的に優良特許を確保しなければならないという認識が必要だ」と強調した。

金・ジュンベ記者

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