知的財産ニュース 「漸く佳境に入る」サムスン対アップルの特許侵害訴訟

2012年8月2日
出所: デジタルタイムズ

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本案訴訟2日目…「採用却下の証拠をリーク」して波紋広がり
サムスン、「アイフォンのデザインを模倣しなかった決定的な証拠だ」
アップル、「卑劣だ」・・・証人出席はまだ不透明

サムスン電子とアップルの間で繰り広げられている特許侵害合戦が「漸く佳境に入っている」模様だ。サムスンは、西堀晋氏の証人申請を裁判所が採用しているなか、証拠採用を却下された資料をメディアにリークした。裁判所とアップルが直ちに反発の声を強めており、今後の成り行きに注目が集められている。

31日の午前、米カルフォルニア州のサンノゼにある連邦地裁で、サムスン電子とアップルの特許侵害の事件事件本案訴訟2日目の審理が行なわれた。

サムスンは、この日、証拠採用を却下された資料をメディアにリークし、波紋が広がっている。サムスンがリークした資料には、西堀氏が「(アップルのデザイン責任者)ジョナサン・アイブの指示を受けて、ソニーのように(like-sony)デザインした」という発言が盛り込まれているという。

これを受けて、アップルの法律チームは直ちに「卑劣だ(contemptible)」と非難した。ルーシー・コウ(Lucy Koh)判事もサムスン側に説明を要請し、「誰が原稿を作成し、法律チームの誰がそれを容認したか」を明確にするように求めた。

サムスン側は、「裁判所がサムスンの証拠を除外したのは、アップルが陪審員団に対して不正確な弁論をするのは認めながら、サムスンが事件の全末(full story)を公開することは防ぐことになる。採択されなかった資料は、サムスンがアップルのデザインを模倣しなかったことを裏付ける証拠になっている」と主張した。

これに先立ち、裁判所は、サムスン側の要請を認めて西堀前アップルデザイナーの証拠を証拠物として採択した。

サムスンはこれまで、アップルは、2006年ソニーデザイナー数人のビジネスウィーク誌と行なったインタビューを読んだ後、アイフォンのデザイン方向を決めたと主張してきた。すなわち、アップルのデザインがアップル固有のものではないという意味だ。当時のインタビィー内容と初期アイフォンデザインの開発に参加した西堀デザイナーの証言を法廷で確認すべきだと要請してきた理由だ。こうしたサムスンの要請に裁判長であるルーシー・コウ判事は、サムスンが西堀氏の証言を機能性(functionality)の立証に使えるとコメントした。

しかし、西堀氏側の弁護士は、証人召喚状に対し、現在西堀氏がサンノゼ裁判所から200マイルも離れているハワイで居住していること、健康の悪化などを理由に出席を拒んでいるため、西堀氏の証人出席はできるかどうかはまだ定かでない。

金ユジョン記者

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