知的財産ニュース 米国特許庁、「アップルのバウンスバック特許は無効」

2012年10月23日
出所: 電子新聞

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サムソン電子とアップルの間で繰り広げられている特許訴訟の争点の1つは、「スクロール・バウンスバック」特許だ。この特許について米国特許庁が無効判決を言い渡した。そのため、カリフォルニア州のサンノゼ連邦地方裁判所にて陪審員が下したサムソン敗訴判決に伴う賠償額も相当削減されると見込まれている。

特許専門サイトのFOSS patentは、アップルがサムソン電子を相手に訴訟を提起した特許のうち、1件(No.7,469,381)を米国特許庁(US Patent and Trademark Office)が無効化したと23日に発表した。

この特許は、画面端部までスクロールさせた際、少し画面をスクロールアップする機能を規定している。

米国特許庁は、「独自の発明というよりは、先行技術を活用した技術」だと判断した。8月の陪審員評決では、この特許を含めてアップルの6件の特許を侵害したという判断が出された。

ドイツの知的財産権専門家でFOSS patentの運営者であるフローリアン・ミューラー(Florian Mueller)氏は、「サムソンがこの内容(特許無効決定の事実)を担当の裁判官ルーシー・コウと共有しており、この結果は、サムソンに「ルール50」を与えることに影響を与える可能性がある」と述べた。「ルール50」は、陪審員無しに陪審員評決を無効化する措置だ。サムソン電子とアップルの特許訴訟は、12月の控訴審を控えている。

外国メディアは、こうした決定は10億5000万ドルに及ぶサムソン電子の賠償額の規模が大幅縮小するだけでなく、サムソン電子がこれまでの判決を否定するにおいて有利に働くという意見を示した。

ホ・ジョンユン記者

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