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金融による中国(上海)自由貿易試験区建設の指示に関する意見

作成日:2013年12月9日

法令名称
金融による中国(上海)自由貿易試験区建設の指示に関する意見
発布機関
中国人民銀行
発布番号
銀発[2013]11号
発布日
2013.12.02
施行日
2013.12.02

主旨と目的

試験区の実体経済の発展を促進し、クロスボーダー投資及び貿易に対する金融支持を強化し、金融改革を推し進め、対外開放を拡大する(前言)。

内容のまとめ

本法令には主に、以下の5つの内容が含まれる。一、リスク管理に有利な口座体制の革新、二、投融資送金・兌換の利便化模索、三、人民元のクロスボーダー使用拡大、四、金利市場化の着実な推進、及び五、外貨管理改革の推進。このうち、自由貿易口座の開設、クロスボーダー投融資及び人民元クロスボーダー使用の開放などは今回の改革の重要ポイントであると広く認識されている。以下の通り、簡潔に紹介する。

口座体制の革新(第二条)
自由貿易口座 ((四))
試験区内の居住民及び非居住民は人民元・外貨自由貿易口座を開設することができる。
自由貿易口座内の資金振替 ((五))
  • 居住民自由貿易口座と国外口座、国内区外の非居住民口座、非居住民自由貿易口座及びその他の居住民自由貿易口座との間の資金の振替は自由に行うことができる。
  • 同一の非金融機関主体の居住民自由貿易口座とその他の銀行決済口座間では、経常項目の業務、貸付金の返済、実業投資及びその他の規定に合致するクロスボーダー取引需要により、資金の振替を行うことができる。
  • 居住民自由貿易口座と国内区外の銀行決済口座との間で発生した資金流動は、クロスボーダー業務管理と見なす。
自由貿易口座で取扱可能な業務及び制限 ((六))
  • 居住民自由貿易口座及び非居住民自由貿易口座は、クロスボーダー融資、担保などの業務を行うことができる。
  • 自由貿易口座内の人民元・外貨の兌換自由化は依然として制限されている。
  • 預金金利は引続き規制されている((二十))。
投融資送金・兌換の利便化模索(第三条)
投資領域 ((八)、(十))
試験区におけるクロスボーダー直接投資は、上海市の関連規定により事前認可とリンクさせずに、直接、銀行においてクロスボーダー受払、兌換業務を行うことができる。
  • 区内の金融機関及び企業は、規定に基づき上海地区の証券及び先物取引場所に参入して投資及び取引を行うことができる。
  • 区内企業の国外親会社は、国家の関連法規に基づき国内資本市場において人民元債券を発行することができる。
融資領域 ((十一))
経営上の必要に応じて、試験区内に登録した中国資本・外資企業、非銀行金融機関及びその他の経済組織は、規定により国外から人民元・外貨資金を調達することができる。
人民元のクロスボーダー使用拡大(第四条)
上海地区の銀行業金融機関で取扱可能な業務 ((十三)、(十四))
  • 区内機関(輸出貨物貿易人民元決済企業重点監督管理リスト内の企業を除く)及び個人が提出する受払指図により、経常項目、直接投資のクロスボーダー人民元決済業務を直接行うことができる。
  • 区内の「支払業務許可証」を有し且つ許可業務範囲にネット決済が含まれる決済機関と業務提携し、クロスボーダー電子商取引のために人民元決済サービスを提供することができる。
区内金融機関及び企業で取扱可能な業務 ((十五)、(十六))
  • 国外から人民元資金を借り入れることができ、借り入れた人民元資金は、有価証券、デリバティブ商品への投資に充ててはならず、委託貸付に用いてはならない。
  • 区内企業は、自社の経営上の必要に応じ、グループ内で双方向の人民元プーリング業務を展開し、その国内外の関連企業のために経常項目の集中受払業務を提供することができる。
外貨管理改革の推進(第六条)
外貨登記 ((二十二))
  • 直接投資における外貨登記及び変更登記を銀行に委譲し、事後の監督管理を強化する。
  • 区内の外商直接投資における外貨資金の自由な人民元転を認める。
金融リース ((二十三))
  • 金融類リース会社による国外リースなどの国外債権業務の逐次審査許可を取り消し、登記管理を実行する。
  • 許可を経て、金融リース会社及び中国資本のファイナンスリース会社の国内ファイナンスリースにて外貨リース料を受取ることを認める。
担保費用 ((二十四))
区内機関による国外への担保費用支払の際の認可を取り消し、区内機関は直接、銀行において担保費用の外貨購入・支払手続を行う。

日系企業への影響

先日公布された「中国(上海)自由貿易試験区全体方案公布に関する国務院の通知」は「金融分野の開放・革新を推進する」部分において、金融改革の方向(試験区内において人民元資本項目の兌換自由化、金融市場金利市場化、人民元クロスボーダー使用などの方面で条件を整え、先行試行を行うことを含む)を確立している。本法令は前述の通知内容を具体的に実施するためのものである。

試験区内に登録している日系企業にとっては、将来、本法令により、金融方面で多くの便宜が図られ、また大部分の業務について直接、銀行を通じて行うことができるようになると思われる。但し、本法令は公布されたばかりであるため、法令公布から銀行が本格的にこれら業務を受理するまで、一定の時間と過渡期間を要する可能性があることに注意する必要がある。これについては日系企業が関連銀行に問い合せることをお勧めする。


※本資料はジェトロが里兆法律事務所に委託して作成しました。ジェトロは同事務所の許諾を得て本ウェブサイトに掲載しています。Copyright©2013 里兆法律事務所外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます