【アンコールワットだけじゃない!】カンボジア 伝統とこれから ‐世界のライフスタイルシリーズ‐

2024年11月07日

年々増加しているカンボジアの人口。近代化がめざましい首都プノンペンには高層ビルが建設され、都市開発も進められている。都会生活を謳歌する若者たち。一方で、伝統的な仏教行事は形骸化することなく受け継がれている。近代化と伝統、都市と農村の風景が交差する中にカンボジアの今が見えてきた!

(10分47秒)

テキスト解説を読む

テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。

映像説明: 屋内にある船首と船尾が対象な船の形をしたアトラクション。船体が振り子のように前後に揺れ、乗っている人々が大きな歓声を上げている。 背後の壁には、帆を張った船や海賊姿の子どもたちのイラストが描かれた看板が見える。

テロップ: プノンペン

ナレーション: 歓声が上がる絶叫マシーン。ここは、カンボジアの首都プノンペンにある、商業施設内の遊園地。

映像説明: 雲が浮かぶ空の下に建つ、モダンなデザインの横長の建物。上部には赤紫色の英文字で書かれた「AEON MALL(イオンモール)」の立体看板が掲げられ、屋上には白い骨組みで出来た、だ円形(だえんけい)の屋根が設置されている。建物の周囲には多くの樹木が植えられ、手前の広大な駐車場に数十台の車が止まっている。

テロップ: 都市開発をイオンがけん引?

ナレーション: 手がけているのは、日本の小売り大手「イオン」。そのイオンが、プノンペンの街づくりをけん引している?

映像説明: 商業施設の屋内。ゲームコーナーの前に集まる若者たちや吹き抜けのある通路を歩く3人の少女たちがカメラに向かって笑顔を見せる。

テロップ: 都会生活を楽しむ若者

ナレーション: 発展する都市生活をおう歌する若者たち。

映像説明: 女性の像がある祭壇。白やピンク色の花や、ろうそくや果物などが供えられている。両手で線香を持ち、両膝をついた女性2人が、祭壇に向かって祈りを捧げている。 ピンク色のTシャツを着た女性が、両手で挟むように持った線香を額(ひたい)の高さまで上げ、祈りの言葉を唱えている。

テロップ: 伝統を受け継ぐ

ナレーション: 一方では、伝統的な仏教行事(ぶっきょうぎょうじ)を大切に守っている。

映像説明: ガラス張りの近代的なビルが建ち並ぶ街並み。そのなかに頂上のとがった金色の仏塔が立っているのが見える。 レンガ色(いろ)の土(つち)をならした未舗装の道路。短髪の男性が荷台のついたトラクターを運転している。 食料品店。黒いロングヘアーの女性が、ボトルに入った茶色い調味料や白いトレーに入った商品をレジカウンターに置いている。 パラソルを立てた露店が並ぶ通り。バナナや花を売る店の前を黒いロングヘアーの女性が歩いている。

ナレーション: 近代化と伝統、都市と農村の風景が交差するなかに、カンボジアの今が見えてきた。

映像説明: ジェトログローバルアイオープニングタイトル。各国のさまざまな人々の笑顔や、農作物(のうさくぶつ)を収穫している様子、ガントリークレーンが並んでいる港、緑色(みどりいろ)の仏像、小型飛行機や新幹線、バイクなどの乗り物や生き物など、世界中のいろいろな写真が現れて白い画面を埋めていく。連なった写真に重なるように世界地図のCGが浮かび上がり、中央に紺色の文字で「世界は今 JETRO Global Eye(ジェトロ グローバル アイ)」と書かれたタイトルテロップが表示される。

映像説明: 雲が広がる青空の下、いくつものとがった塔がそびえ立つ寺院の遺跡。屋根のある通路が塔を囲んでいる。 寺院の参道。参拝に訪れた人々が、まっすぐに伸びた道を歩き、石段を上っていく。 石造りの壁にある、髪飾りをつけた女性のレリーフや8本の腕があるヒンドゥー神の像のアップ。

テロップ: カンボジア シェムリアップ

テロップ: アンコールワット

ナレーション: カンボジア北西部、数々(かずかず)の荘厳な遺跡が建ち並ぶ、アンコールワット。12世紀前半から歴史を刻み続けてきた、この国を象徴する世界遺産だ。

映像説明: 走る車の車窓風景。通り沿いに1階に店舗を構えた建物が並んでいる。客を乗せた3輪タクシーやバイクも走っている。 画面左下の四角い枠にカンボジアの地図が表示される。緑色(みどりいろ)で示されている国土は、北西にタイ、北にラオス、東にベトナムと隣接し、中央よりやや南に位置するプノンペンが小さい丸印で示されている。

ナレーション: カンボジアは東南アジアの中心に位置し、3つの国と国境を接している。

映像説明: 広い遊歩道。休憩用のベンチや健康器具が設置されたスペースがあり、多くの人が利用している。 ステッパーの付いた器具で運動をしている2人の女性。足を振り子のように揺らす健康器具で運動をしている。

テロップ: カンボジア 面積 18万1,035 km2(へいほうキロメートル) 人口 1,701万人 出所:IMF(2023年)

ナレーション: 日本の半分ほどの面積に、およそ1,700万人(いっせんななひゃくまんにん)が暮らしている。

映像説明: 女性の像がある祠(ほこら)。両手で持った線香を額(ひたい)の高さまで上げ、両膝をついた女性2人が数種類の花や果物などが供えられた祭壇に向かい、祈りを捧げている。 壁画がある寺院の室内。金色の大きな仏像が祭壇の高い場所にあり、その下には、両足を伸ばして横たわった仏像や片腕を上げて立った仏像など、さまざまな姿勢をした仏像が並んでいる。 祭壇の高い場所にある金色の大きな仏像のアップ。穏やかな表情の仏像の背後には、色彩豊かな壁画が見える。 髪を後ろで束ねた女性が祭壇に向かい、両手を合わせて祈りを捧げている。

テロップ: 国民の95%以上が仏教徒

ナレーション: また、仏教(ぶっきょう)が国の宗教に定められていて、長い歴史の中で独自の文化を形成してきた。国民の95%以上が仏教徒で、信仰心はとても深い。

映像説明: 寺院の形をした祠に線香を供える人々の映像に重ねて、画面の左側に白地に紺色の文字で「老若男女が集うプチュン・バン」と書かれたテロップが表示される。 小高い場所から見下ろした街並み。緑豊かな木々(きぎ)のあいだに、戸建ての住宅や低層の建物が見える。 画面左下の四角い枠に、カンボジアの地図が表示される。国土が緑色(みどりいろ)で示され、プノンペンのやや北西にあるウドンが赤い星印で示されている。

サイドテロップ(画面右上に常時表示): カンボジアのお盆 息づく仏教(ぶっきょう)の伝統

ナレーション: 首都プノンペンから50キロほど北にある街、ウドン。

映像説明: 森のような場所の中にある道。緑の木々(きぎ)が茂る通り沿いに、カンボジアの国旗が等間隔に並んでいる。ペットボトルの水やビニールの袋で包んだものを手にした人々が、えんじ色(いろ)の門をくぐって入ってくる。 壁画やレリーフが施された部屋。電飾(でんしょく)のついたカーテンの向こうに、金色の仏像が祭られた祭壇があるのが見える。オレンジ色(いろ)のクロスが掛けられたテーブルには、さまざまな料理が並び、その周りに大勢の人が集まっている。

ナレーション: かつて、首都だったこの辺りには数多くの寺院があり、「ウドン山のお寺」と親しまれ、多くの人々が集う。

映像説明: 曇り空の下に建つ、円すい形(えんすいけい)の白い塔。参拝する人々が階段を上っていく様子が見える。 高い場所へと続く石段。石段を上る人々の頭上を覆うように、緑の葉をつけた木々(きぎ)が生い茂っている。 2匹のサルが石段に座り、様子をうかがっている。

ナレーション: ここは、その中でも最も高い場所にある塔。長い参道を上っていくと、野生のサルたちがお出迎え、と思いきや…。

映像説明: 参道の石段。1匹のサルが透明のビニール袋を破り、プラスチックカップを引っ張り出す。中に入っていた飲料がこぼれ、氷が散らばる。

ナレーション: 実は参拝客が持ってきた食べ物を狙っているのだ。

映像説明: たくさんのバイクで混雑している通り。カラフルなパラソルを立てた露店が並び、店頭には雑貨や野菜などが積み上げられている。 寺院の形をした祠。2人の女性が線香を供え、正座して祈りを捧げている。

テロップ: Pchum Ben(プチュン・バン) クメール暦に基づいた9~(から)10月の15日間 日本のお盆にあたる

ナレーション: カンボジアでは「プチュン・バン」と呼ばれる時期がある。9月から10月の15日間で、日本で言うお盆のことだ。

映像説明: さまざまな露店が並ぶ通り。車やバイクが、ひっきりなしに行き交っている。 円すい形(えんすいけい)の白い塔の参道の石段。ストールのような布をたすきのように巻いた3人の女性が、ゆっくりと石段を下りている。 祭壇。仏像の周りに、花やろうそく、透明なさい銭箱が置かれている。両手で挟むように持った線香を額(ひたい)の高さまで上げた男性と女性が、仏像に向かって祈りを捧げている。

テロップ: 経済が活性化

ナレーション: 家族が帰省したり、親戚が集まったりするため、移動が多く、お供え物や贈答品の購入などでプチュン・バンの直前は、大きく経済が活性化する時期でもある。

映像説明: 店内の特設コーナー。白いワゴンに金色やオレンジ色(いろ)の袋で包装されたお供え用の商品が、ずらりと並んでいる。 布製の入れ物に入ったお供え用の商品のアップ。ペットボトルや缶の飲料、ろうそくなどが詰め合わされ、透明のビニールと金色のリボンでラッピングされている。

テロップ: 標準的なお供え物 20,000~(から)60,000リエル (約800円~(から)2,300円)

ナレーション: こちらは、この時期になると街のあちこちで売られている僧侶へのお供え物だ。中には、菓子や日用品などの身近な品が入っている。

映像説明: 壁画やレリーフが施された寺院の一室。白いシャツを着た人々が、赤系の敷物が敷かれた床の上に並んで座っている。 丸刈りの女性が、カメラに向かって笑顔で手を合わせている。

ナレーション: 期間中は、親族で白い正装に身を包んで集まり、いくつもの寺を参拝する。

映像説明: ごはんが盛られた平皿を手にした男性が、僧侶たちが座る丸いテーブル席にやってくる。テーブルの上には隙間なく料理が盛られた皿が並んでいる。 テーブルに並んだ料理のアップ。細切りにした野菜の上にエビなどをのせたサラダ、春雨を炒めたものなど、さまざまなものがある。

ナレーション: 昼前になると、僧侶の前には、ごちそうが所狭しと並べられる。これらの食事は、僧侶に対して寄進されたもの。

映像説明: オレンジ色(いろ)の袈裟(けさ)を着た十数人の僧侶が食事をしている。 若い僧侶がスプーンでごはんをすくい、口に運んでいる。 メガネをかけた女性が、僧侶たちの前にあるテーブルに並んだ料理を次々と下げている。

テロップ: 僧侶が食べると先祖も食べたことになる と言われている

ナレーション: 僧侶が食べ始めて少したつと皿は下げられ、参拝した人々が残りをいただく。

映像説明: 赤系の敷き物が敷かれた床に僧侶たちが残した料理が盛られた皿が並んでいる。細切りにした野菜の上にエビなどをのせたサラダをスプーンで取り、ごはんが盛られた平皿にのせている手元。 赤系の敷き物が敷かれた床に座った人々が料理を囲んで食事をしている。

テロップ: お盆に腹がすいたら寺に行け

ナレーション: 貧しい人たちにも分け与えられてきたため、「お盆におなかがすいたら寺に行け」という言葉もあるそうだ。

映像説明: 茶系の敷物の上で、9人の若い男性や女性が正座や横座りをして手を合わせている。 白い塔のそばに設けられた祭壇。白いシャツを着た男性が両手で挟むように持った線香を額(ひたい)の高さの位置まで上げ、仏像に向かって祈りを捧げている。周りには多くの人が立っていて、線香を供えたりしている。 壁画やレリーフが施された寺院。横たわった姿の金色の仏像の前にはろうそくがともされ、その奥に祭られた金色の座像の祭壇にはカラフルな電飾(でんしょく)が光っている。 カラフルな電飾(でんしょく)が光る座像の金色の仏増のアップ。

ナレーション: 多くの若者も家族や先祖を大切にしているため、こうした行事は形骸化されることなく、伝統は生き生きと受け継がれている。

映像説明: 雲が浮かぶ空の下に建つ、モダンなデザインの横長の建物の映像に重ねて、画面の右側に白地に紺色の英文字で「Before AEON(ビフォー イオン)」、「After AEON(アフター イオン)」と書かれたテロップが表示される。 大通りの交差点。車やバイクが行き交い、混雑している。 近代的なビルが建つ一角。タワークレーンが設置された建設中の高層ビルやさら地が見える。 近代的な高層ビルとタワークレーンが設置された建設中の高層ビルのアップ。

サイドテロップ(画面右上に常時表示): 日本の小売り大手が 都市化をけん引?

テロップ: プノンペン

テロップ: カンボジアの人口 カンボジア全体 1,701万人 出所:IMF(2023年) プノンペン 228万人 出所:カンボジア計画省統計局(2019年)

ナレーション: 近年、人口が集中している首都プノンペン。高層ビルが建設され、近代化が目覚ましい。いくつかのエリアでは、行政による都市開発計画も進められている。

映像説明: 雲が浮かぶ空の下に建つ、モダンなデザインの横長の建物。上部には赤紫色の英文字で書かれた「AEON MALL(イオンモール)」の立体看板が掲げられ、屋上には白い骨組みで出来た、だ円形(だえんけい)の屋根が設置されている。建物の周囲には多くの樹木が植えられ、手前の広大な駐車場に数十台の車が止まっている。 赤紫色の英文字で書かれた「AEON MALL(イオンモール)」の立体看板のアップ。 店内。さまざまな店舗が並ぶ通路を人々が歩いている。

テロップ: イオンモール センソックシティ カンボジア国内2号店

ナレーション: そのけん引役として中心となったのが、カンボジア初の大型ショッピングモール、日本の小売り大手、イオン。こちらの2号店は2018年に開店。

映像説明: 国際ブランドの化粧品を販売している店舗や日本のホームセンター、日本の雑貨店などのさまざまな店舗や車が展示された一角が映し出される。

ナレーション: 現在、210店舗が営業しており、日本で、おなじみのブランドも。日用品から特設イベントの高級車まで、ここに来れば何でも(なんでも)そろう。

映像説明: 店内のアミューズメント施設の様子が次々と映し出される。船首と船尾が対象な船の形をしたアトラクションなどがある遊園地。

テロップ: 屋内遊園地 海賊船アトラクション利用料 10,300リエル(約400円)

映像説明: ネオンライトの看板がある映画館。

テロップ: 映画館 通常鑑賞料 18,900リエル (約700円)

映像説明: いくつもレーンが並ぶボウリング場。

テロップ: ボウリング場 1ゲーム 21,000リエル (約800円)

映像説明: フードコート内の通路を歩く若者たちや遊園地を歩く家族連れの姿。

ナレーション: さらには、子どもたちの遊び場や映画館、ボウリング場などのエンタメ設備も充実していて、休日には若者や家族連れでにぎわっている。

映像説明: 「カンボジアの年代別人口(2019年)」と題した横棒グラフが現れる。縦軸の目盛りには0~(から)9歳から80歳以上までの年齢層が10年代ごとに記されていて、横軸には0から300万人までの人口が50万人刻みで記されている。グラフを見ると明らかに、40代以上の年齢層より30代までの年齢層の人口が多くなっている。(出所:カンボジア計画省統計局のデータを基に作成)

ナレーション: カンボジアの人口は年々増加しているが、ちょうど家族を持つ30代以下の割合が大きい。

映像説明: 植栽(しょくさい)のそばに置かれたAEON MALL(イオンモール)の立体看板の前で、メガネをかけた日本人男性(にほんじんだんせい)がインタビューに答える。 店内のアミューズメント施設の様子が次々と映し出される。船首と船尾が対象な船の形をしたアトラクションや子ども用の電動遊具があるエリア。 トラック型の電動遊具に乗った小さな男の子やアスレチック遊具のそばを歩く3人の女の子たち。

テロップ: イオンモール センソックシティ 川上 晶生(かわかみ あきお) ゼネラルマネージャー

川上ゼネラルマネージャー: カンボジア、まだまだ、あの、若い方(かた)、平均年齢も若い方(かた)が多い国になりますので、 館内に、えー、テーマパークやゲームセンター、 ま、こういうアミューズメントが1ヵ所にある場所というのも、カンボジアで、ここだけしかありませんので、 そういう若い方(かた)を取り込む要素というのは、かなり力を入れて、えー、作っております。

映像説明: 白い壁の室内。アクリル板で仕切られた受付カウンターのようなものと待合スペースがある。出入り口の上部に、クメール語と英語で書かれた看板が掲げられている。英語では「Ministry of Labour and Vocational Training」と書かれている。 ベンチが3列並んだ待合スペース。十数人の男性や女性が順番を待っている。

テロップ: 労働省 職業訓練省 サービスセンター

ナレーション: なかでも、イオンがカンボジアに大きな変化をもたらしたのが、モール内に行政サービス窓口を開設したことだ。

映像説明: 別の行政施設。壁に窓がついた形状の受付窓口の上部にはクメール語の立体看板が掲げられている。

テロップ: カンボジア国籍確認局(個人ID(アイディー)発行窓口)

映像説明: カンボジア国籍確認局(個人ID発行窓口)の窓口に、順番待ちの人々が1列に並んでいる。

映像説明: 植栽(しょくさい)のそばに置かれたAEON MALL(イオンモール)の立体看板の前で、川上ゼネラルマネージャーがインタビューに答える。

川上ゼネラルマネージャー: なかなか、ほかの国では、ま、政府との交渉って難しい部分もあるんですが、 そういう部分をサポートしていくように作っていますね。

映像説明: 別の行政施設。すりガラスの間仕切りがある室内で、待合用のベンチに座った男性と女性がスマートフォンを操作しながら順番を待っている。 そばのデスクで、黒いTシャツを着た男性スタッフが緑色(みどりいろ)のTシャツを着た男性を応対している。

ナレーション: 外資企業でありながらも、行政窓口を誘致できたことは、地域にとって大きな利便性をもたらした。

映像説明: 室内が白い壁の行政施設の前で、バックパックを背負った男性がインタビューに答える。

テロップ: 利用者

利用者・クメール語: 地元の人が、イオン内で公共サービスを利用できるようになり、とても便利ですし、 場所も繁華街にあるので、誰でも知っていて分かりやすいです。

映像説明: 車やバイク、3輪タクシーが走っている通りに面した行政施設。白いゲートの脇には、クメール語と英語で書かれた大理石調の看板が掲げられている。英語では「Ministry of Public Works and Transport」と書かれている。 白いゲートの脇に掲げられているクメール語と英語で書かれた大理石調の看板のアップ。 大きく開かれたゲートの脇には赤い椅子があり、そばにはベージュ色(いろ)の制服を着た守衛の男性の姿が見える。

テロップ: 公共事業運輸省

ナレーション: こうした住民の利便性を実感した行政は、本部自体をこの地域に移転させる動きも出てきた。こちらの運輸省も人が集まるイオンのそばに移転してきたのだ。

映像説明: 上空から撮影した建設開発中の一帯の写真。広大な敷地に建てられた横長の建物に、タワークレーンが6基設置され、壁面は緑色(みどりいろ)のネットで覆われている。周囲には、緑に覆われたさら地が広く残っているのが見える。(写真提供:イオンモールカンボジア)

テロップ: 建設中のイオンモール センソックシティ(2017年)

ナレーション: この場所は、もともと建物など、ほとんどなかった。

映像説明: イオンモール センソックシティの建物の上部にある赤紫色の英文字で書かれた「AEON MALL(イオンモール)」の立体看板のアップ。

ナレーション: そこへイオンが進出してから6年、

映像説明: 通り沿いにある大型のスーパーマーケット。駐車場に「makro(マクロ)」と書かれた赤い看板が掲げられ、その奥に横長の白い建物が建っている。 出入り口付近には果物のジュースやパンなどを販売する屋台が並び、通路を歩く女性客がショーケースを眺めている。

テロップ: タイ資本のスーパーマーケット

ナレーション: この間(このかん)に、次々と大型店舗が出店し、周辺に活気をもたらした。

映像説明: 通りの両脇に街路樹が植えられている閑静な住宅地。白い外壁の同じ外観をした建物が、ずらりと並んでいる。 白い戸建て住宅やアーチ型の窓があるモダンなデザインの3階建ての住宅の外観。

テロップ: 高級住宅の集合エリア Borey Thai Chhunkry(ボレイ・タイ・チュンクリー) 1戸あたり40~(から)13億リエル(約1,500~(から)5,000万円) このエリアに100戸以上建設されている

ナレーション: それに引き寄せられるように数多くの住宅も建てられた。日本で言うところの「億ション」レベルも。

映像説明: 住宅地の中にある小さな公園の前で、川上ゼネラルマネージャーがインタビューに答える。

川上ゼネラルマネージャー: ありがたいことに、カンボジアで、実は、あの、「ビフォーイオン アフターイオン」という言葉があります。 で、これが、やはり、ま、イオンができる前と、生活習慣とか文化とかの、大きく変わったということを表す言葉、には、なっておりますね。

映像説明: 川沿いにある広い遊歩道。自転車に乗った子どもたちやウォーキングをする男性と女性など、大勢の人でにぎわっている。対岸には、近代的なビルが建ち並んでいるのが見える。 雲が浮かぶ空の下に建つ、イオンモール センソックシティの外観。上部には赤紫色の英文字で書かれた「AEON MALL(イオンモール)」の立体看板が掲げられ、屋上には白い骨組みで出来た、だ円形(だえんけい)の屋根が設置されている。建物の周囲には多くの樹木が植えられ、手前の広大な駐車場に数十台の車が止まっている。

ナレーション: 大型の商業施設とともに発展する都市。そこには経済と人々の暮らしの豊かさが生まれていた。

映像説明: 黄緑色(きみどりいろ)の稲のような葉が風に揺れている水田の映像に重ねて、画面の左側に白地に紺色の文字で「若き起業家の1日」と書かれたテロップが表示される。 走る車からの車窓風景。うっそうと葉をつけた木々(きぎ)のあいだから、白やレンガ色(いろ)の住宅が建っているのが見える。画面左下の四角い枠にカンボジアの地図が表示される。緑色(みどりいろ)の国土の中央付近、プノンペンの北側に位置するコンポンチュナン州が黄緑色(きみどりいろ)で塗られている。

サイドテロップ(画面右上に常時表示): 農業大国カンボジア 課題改善に取り組む起業家

ナレーション: プノンペンから車で北へ走ること2時間。窓の外は一変し、農村の風景が広がる。

映像説明: 村人たちの日常の様子。シーソーのような足踏み式のきねで粉をひいている。片方の端を2人がかりで踏むと、反対側のきねが上下に動き、白い原料が粉になっていく。 ベージュ色(いろ)の長袖Tシャツを着た女性が、白い粉を手でかき混ぜている。 レンガ色(いろ)の土(つち)をならした未舗装の道路。短髪の男性が運転するトラクターの荷台に小さな男の子が座っている。

テロップ: カンボジアの農業 GDPの約3割 労働人口の約5割を占める主要産業

ナレーション: カンボジアでは、農業はGDPの、およそ3割、労働人口のおよそ5割を占める主要産業。特に近年では、都市部の経済成長に伴い消費が加速。しかし、国内消費の輸入依存率は高い。

映像説明: 紺色のシャツを着た男性が細長い枝に、なたで切り込みを入れている。 レンガ造りの建物の前に、薄茶色(うすちゃいろ)の痩せた牛が1頭つながれている。

テロップ: 農業生産性の低さ

テロップ: 農家の低収入

ナレーション: 農業生産性の低さや農家の家計の苦しさはカンボジア農業の課題となっている。

映像説明: 青い屋根がある2階建ての住宅。紺色のシャツを着た男性が庭先を歩いている。

ナレーション: 1軒の農家に、プノンペンから来客が。

映像説明: 木々(きぎ)が生い茂る未舗装の道を黒いロングヘアーの女性が歩いている。

テロップ: プノンペン在住の起業家 ソク・ソテアラート さん

映像説明: 屋根と柱だけで、壁がない構造の農業用の建物。一面がレンガで等間隔に区切られた畑に、こげ茶色(こげちゃいろ)の土(つち)がそれぞれ入っている。畑と畑のあいだの通路を紺色のシャツを着た男性とソクさんが歩いている。紺色のシャツを着た男性が途中で立ち止まり、畑の土(つち)を手で軽く混ぜる。

ナレーション: 王立の農業大学で学んだソクさんは、農業が抱える課題を改善していこうと取り組んでいる起業家だ。

映像説明: 屋根と柱だけの農業用の建物で、ソクさんがインタビューに答える。

ソクさん・英語: 技術を導入することで持続可能で、より多くの収入が得られる農業にしようと取り組んでいます。

映像説明: 屋根と柱だけの農業用の建物。ソクさんが畑を仕切っているレンガの上にしゃがみ込み、手で軽く土(つち)を掘っている。 土(つち)の中のミミズのアップ。薄く赤みを帯びた数匹のミミズがゆっくりと動いている。 紺色のシャツを着た男性がT字型の道具を使って土(つち)をならしている。

ナレーション: こちらの農家では、ソクさんが手がけるミミズを使った有機肥料作りを行っている。この日は、その畑の様子を見に来たのだという。ミミズ肥料を作っている農家の男性は…。

映像説明: 屋根と柱だけの農業用の建物で、紺色のシャツを着た男性がインタビューに答える。

テロップ: 農家

農家・クメール語: 家族のために、この仕事を始めましたが生活はよくなりましたよ。

映像説明: パラソルを立てた露店が並ぶ通り。バナナや花を売る店の前をソクさんが歩いてくる。 路面店が並ぶ通りに面した、赤い壁にガラスドアの出入り口がある店舗。上部にクメール語と英語で書かれた赤い看板が掲げられている。英語では「Lucky Express」と書かれている。

サイドテロップ(画面右上に常時表示): カンボジア買い物事情 通貨は… USD(ユー エス ドル)?

テロップ: プノンペン

テロップ: Lucky Express ローカルのスーパーマーケット

ナレーション: ひと仕事終えて、プノンペンに戻ってきたソクさん。立ち寄ったのは、街なかのスーパーマーケットだ。

映像説明: ラッキーエクスプレスの店舗の出入り口の前で、ソクさんがインタビューに答える。

ソクさん・英語: サーモンなどの食材を買いに来ました。

映像説明: 店内をソクさんが歩いている。冷蔵ショーケースの扉を開け、サーモンの切り身が入った白いトレーを手に取っている。

ナレーション: 彼女の買い物風景を見せてもらうことに。

映像説明: ソクさんが、手に取ったボトルに入った茶色い調味料や白いトレーに入ったサーモンの切り身をレジカウンターに置く。 スマートフォンのような端末とスマートフォンのアップ。赤いポロシャツを着た男性店員がスマートフォンのような端末でQRコードを表示する。ソクさんが自分のスマートフォンをかざすと、瞬時に決済画面に切り替わり、支払い金額がUSD(ユー エス ドル)で表示される。金額の下に赤い線が現われる。

テロップ: 支払いはUSD(ユー エス ドル)

ナレーション: 支払いはQRコード決済。画面を見せてもらうと、支払いの通貨はドル?

映像説明: 赤いポロシャツを着た男性店員がレジ応対をしている。ソクさんが、白いトレーに入ったサーモンの切り身をバッグに入れる。 オリーブオイルが陳列された棚の前に、スタンド型の商品札が置かれている。商品札がアップになり、併記された2つの価格に、矢印のついた吹き出しテロップが表示される。上の価格には「リエル」、下の価格には「USD(ユー エス ドル)」と書かれている。

ナレーション: 実はカンボジアでは、現地通貨のリエルだけでなく、ドルも使えるのだ。若い世代は、ドルをメインで利用している人のほうが多いという。商品の値札には、リエルとドルが併記されていることが、ほとんどだ。

映像説明: 野菜を販売する露店。白菜やニンジン、キャベツなど、さまざまな野菜が並んでいる。ソクさんが話ながら野菜を指さすと花柄のシャツを着た女性店員が泥付きのニンジンを手に取り、ソクさんに手渡す。

ナレーション: さらに、市場(いちば)へとやってきたソクさん。ここでは野菜類を調達するようだ。

映像説明: ソクさんが、2つに折り畳まれた10ドル紙幣を開きながら手渡すと、花柄のシャツを着た女性店員が、斜めがけにしたバッグから数枚のリエル紙幣を取り出し、ソクさんに釣り銭を渡す。

テロップ: 支払いはUSD(ユー エス ドル)

テロップ: おつりは リエル

ナレーション: 支払いはドルで現金払い。ところが、渡されたお釣りはリエル。計算は、ややこしくないのだろうか?

映像説明: 野菜を販売する露店で、花柄のシャツを着た女性店員が笑顔を浮かべながらインタビューに答える。

テロップ: 店員

店員・クメール語: 毎日しているので、間違えたりしないですよ。

映像説明: バイクや3輪タクシーが行き交う通りに面した、グレーの外壁に深緑色(ふかみどりいろ)の外階段がある店舗の外観。

サイドテロップ(画面右上に常時表示): プノンペンの夜 若者たちが描く未来

ナレーション: その日の夕方。ソクさんの姿は自身が経営する屋上のバーにあった。

映像説明: 夕暮れどきの屋上。周辺の建物にも明かりがともっているのが見える。オープンテラスのテーブル席と屋根があるテーブル席がある。 一角にある、屋根のある調理場で、ソクさんが洗い物をしたり、ガスコンロを用意したりしている。

テロップ: ソクさん経営のバー

ナレーション: 実は彼女、農業だけでなく、多数の事業を手がけている。

映像説明: 屋根がある調理場近くのテーブル席で、ソクさんと7人の男性と女性が笑顔で乾杯をしている。 ソクさんや丸刈りの男性が、のり巻きなどの料理を口に運びながら談笑している。

ナレーション: こうして時折、農業大学時代の友人らと集い、これからの農業や起業について語り合う場を設けているのだという。

映像説明: 屋上にあるバーの屋根のあるテーブル席近くで、ソクさんがインタビューに答える。

ソクさん・英語: 私は自分のビジネスだけでなく、持続可能な仕組みを作りたいのです。 カンボジアは発展途上であり、私たちは、よりよくなろうと努力しています。

映像説明: 屋根がある調理場近くのテーブル席で、ソクさんと7人の男性と女性が、のり巻きを箸で持ち上げ、乾杯するように合わせている。 ソクさんが笑顔を浮かべながら話している。 丸刈りの男性がギターを弾きながら歌うと、周りの人々が歌に合わせて体を揺らす。

ナレーション: カンボジアでは進学率も若い世代の起業も、まだまだ少ない。彼らは、その時代を変えていきたいのだと話す。

映像説明: ソクさんと7人の男性と女性が談笑しているテーブル席から、頭上にある屋根越しの夜空のほうを見上げる映像。波板(なみいた)で出来た屋根に取り付けられた十数個の電球が、周囲を明るく照らしている。

ナレーション: 続いていく伝統と、近代化を目指す未来。大きな可能性を秘めたプノンペンの夜は更けていく。

映像説明: 水色のグラデーション背景画。画面の右側で地球の陸地部分だけが点描され、中が空洞になった地球儀のグラフィックイメージが回転している。

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