伝統工芸品を世界で売る! 山形の職人が英国バイヤーに挑戦

2023年04月13日

日本製品を取り扱うオンラインショップを経営する英国バイヤーらが山形を訪問。製品へのこだわりや背景にあるストーリーなどを大切にしている地元メーカーとの商談が行われた。伝統工芸品を生産する企業は、バイヤーの心をつかむため、どのように商品をアピールしたのか。その動きを追った。

(11分26秒)

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テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。

映像説明: 澄んだ青空の下、町が広がっている。町の奥には山々が連なっていて、1番奥の連峰には雪がかぶっている。

テロップ: 山形市

ナレーション: 蔵王連峰を間近に望む山形市。

映像説明: 建物の外壁にある「山形県総合文化芸術館」、「やまぎん県民ホール」に立体文字のアップ。 白い外壁に濃い灰色の屋根の建物の外観。出入口側はガラス張りで、近代的なデザイン。

ナレーション: とある会場で行われていたのは…。

映像説明: 会議室に白い長机(ながづくえ)がTの字になるように置かれ、その周りに5人の人物が座っている。画面奥には黒いスーツを着た男女が座っていて、画面手前では透明アクリル板を挟んで、女性と男女が対面している。机の上には手のひらサイズのカラフルな木製の人形が6体と、外枠だけでできた空洞の木の家が2つ置かれている。グレーのブラウスを着てライトグレーのマスクをつけたショートヘアの女性が、小さくてカラフルな木製の人形を手で示しながら、向かいに座る白いシャツを着て黒いマスクをつけた短髪でひげを生やした外国人男性と、その横にいるグレーのスーツを着たショートヘアの女性に向かって説明している。

グレーのブラウスを着てライトグレーのマスクをつけたショートヘアの女性: オーナメントとして人気があります。

映像説明: 白い長袖のポロシャツを着て黒いマスクをつけた日本人男性(にほんじんだんせい)が、透明アクリル板を挟んで、白いシャツを着て黒いマスクをつけた短髪でひげを生やした外国人男性と、その横にいるグレーのスーツを着たショートヘアの女性に向かって説明している。机の上には一輪挿し用のさまざまなデザインの陶器が置かれていて、桜の枝(えだ)などが挿してある。トキワサンザシが植えられた小さなお椀型の陶器も置かれている。外国人男性が商品の箱を手に取っている。

白い長袖のポロシャツを着て黒いマスクをつけた日本人男性(にほんじんだんせい): 日本(にほん)の一輪挿しっていう文化があるんですけども…。

映像説明: 白い長袖のポロシャツを着て黒いマスクをつけた日本人男性(にほんじんだんせい)が、白いシャツを着て黒いマスクをつけた短髪でひげを生やした外国人男性に、ノートパソコンで資料を見せながら説明している。モニターには植物を栽培している様子や、陶器の製作工程の画像が映っている。 茶色のチェックのスーツを着て白いマスクと黒縁メガネをかけた白髪混じりの男性が、木製の箱を手にして立ちながら、外国人男性に向かって透明アクリル板越しに説明している。

テロップ: 海外に売り込む商談会

ナレーション: 地元メーカーの製品を海外に売り込む商談会。

映像説明: 白い机の上に商品としてパッケージされた6膳の木製の箸が並べて置かれている。 桜やハスの花、カエデの葉の形など、繊細にかたどられた鉄細工が格子状に仕切られた木箱にそれぞれ収まっている。

テロップ: 職人が手作りした逸品

ナレーション: アピールするのは丹精込めて手作りした逸品。

映像説明: ワイシャツとネクタイの上にライトグレーの作業着を着て白いマスクとメガネをかけた男性が、木製の細かいデザインの小物を手で示しながら、白いシャツを着て黒いマスクをつけた短髪でひげを生やした外国人男性に向かって、透明アクリル板越しに説明している。 ワイシャツとネクタイの上にライトグレーの作業着を着て白いマスクとメガネをかけた男性が、木製のコースターのような商品を持ちながら熱心に説明している。

テロップ: 海外展開に初挑戦

ナレーション: 中には、海外展開に初めて挑戦する伝統工芸の職人も。

映像説明: 白いシャツを着て黒いマスクをつけた短髪でひげを生やした外国人男性が、木のパーツが網目状に組まれたものを手に取って見ている。その横にいるグレーのスーツを着たショートヘアの女性が、外国人男性に通訳している。 机の上に並んでいる木製の素材サンプル。木のパーツがこまやかに組まれて幾何学的な模様をなした板が数種類、同じく幾何学模様を織り成した木製のコースターのようなものが3枚置かれている。

日本人男性(声のみ): 海外の人が使っていただいて、 日本(にほん)というものを知っていただきたい。

映像説明: 商談中に白いシャツを着て黒いマスクをつけた短髪でひげを生やした外国人男性が、机の上にある小さくてカラフルな木製の人形をスマートフォンで撮影している。 別の商談中に、同じ外国人男性が一輪挿しの緑色(みどりいろ)の花瓶を手に取って花瓶の底や中、側面を確認している。

テロップ: 質の高い日本の手作り製品

ナレーション: 実は、コロナをきっかけに、質の高い日本の手作り製品を身近に置きたいと思う人が増えているのだ。

映像説明: 白いシャツを着た短髪でひげを生やした外国人男性が、窓のある白い壁を背にインタビューに答える。

テロップ: バイヤー

白いシャツを着た短髪でひげを生やした外国人男性バイヤー・英語: (日本の)ユニークな製品を探しています。

映像説明: グレーのTシャツを着て黒いマスクをつけた短髪の男性が赤茶色の壁を背にインタビューに答える。

テロップ: バイヤー

グレーのTシャツに黒いマスクをつけた短髪の男性バイヤー: “Japandi(ジャパンディ)”っていうようなブームが起きていて…。

映像説明: 大きな木の板や段ボールが置かれた作業場。ライトグレーの作業着を着てメガネをかけた男性が、大きな作業机に向かっている。細長い木のパーツを細かく組み、たたみ1畳ほどの大きさの平面なうろこ模様が出来ている。 小さな手回しのろくろを使い、手びねりで陶芸をしている手元。 ビニールハウスの中で小さな植物の葉をせんていする、カーキ色(いろ)のフードジャケットを着て白いマスクをつけた男性。周りには同じような形状の小さな植物が並べられている。 機械に取り付けられ高速回転する木製の球体。黒い服を着た人物が絵筆を使って木製の球体に赤い色を入れていく。

テロップ: 伝統工芸品を世界で売る! 山形の職人が英国バイヤーに挑戦

ナレーション: 日本のものづくりが世界に羽ばたくためには、何が必要なのか。そのヒントに迫る。

映像説明: ジェトログローバルアイオープニングタイトル。各国のさまざまな人々の笑顔や、農作物(のうさくぶつ)を収穫している様子、ガントリークレーンが並んでいる港、緑色(みどりいろ)の仏像、小型飛行機や新幹線、バイクなどの乗り物や生き物など、世界中のいろいろな写真が現れて白い画面を埋めていく。連なった写真に重なるように世界地図のCGが浮かび上がり、中央に紺色の文字で「世界は今 JETRO Global Eye(ジェトロ グローバル アイ)」と書かれたタイトルテロップが表示される。

映像説明: 白い壁の2階建ての建物の外観。外壁には伊藤建具製作所(いとうたてぐせいさくしょ)と書かれた看板が掲げられている。

サイドテロップ(画面右上に常時表示): 伝統工芸品・組子の職人が初挑戦 海外展開にかける思い

テロップ: 山形市

テロップ: 伊藤建具製作所

ナレーション: 山形市にある伊藤建具製作所。

映像説明: 組子家具と書かれたのぼりが立てられた玄関前。撮影スタッフが玄関のガラスの引き戸を開ける。

撮影スタッフ: 失礼します。

女性の声: はい、どうぞ。

映像説明: 玄関先でおじぎをしている男性と女性。ライトグレーの作業着を着てマスクをしてメガネをかけた男性と、モノクロの細かいペイズリー柄のブラウスに濃い紫色のノーカラージャケットを着てマスクをつけたショートヘアの女性。

ライトグレーの作業着を着てマスクとメガネをかけた男性: いらっしゃいませ。

撮影スタッフ: すみません。

モノクロの細かいペイズリー柄のブラウスに濃い紫色のノーカラージャケットを着てマスクをつけたショートヘアの女性: よろしくお願いします。

撮影スタッフ: よろしくお願いします。

映像説明: 電動ノコギリを使って木の板を細かく加工していく手元。 大きな板が立てかけられた作業場でライトグレーの作業着を着てメガネをかけた男性が、作業をしている。

テロップ: 伊藤建具製作所 伊藤 曻(いとう のぼる)代表

ナレーション: 代表の伊藤さん。

映像説明: 同じかたちの小さな木片を並べている伊藤代表の手元。木片は5mmほどの薄さで長辺(ちょうへん)が4cmから5cm、短辺(たんぺん)が1cmほどで、長辺(ちょうへん)の部分が何ヵ所か、カタカナのコの字のように小さくくり抜かれて溝が作られている。 伊藤代表がその木片1つ1つを手で組んで、雪の結晶のような模様を完成させる。

伊藤代表: 「パズルみたいだな」って最初皆さんは言いますね。 パズルじゃなくて、1つ1つ、こう、切ってるんだって。

映像説明: ところせましと組子の模型のようなものや椅子が置かれた和室。伊藤代表が椅子に座り、小さな木片を手にしながら話す。

テロップ: 伊藤建具製作所 伊藤 曻(いとう のぼる)代表

伊藤代表: 原木からこう、ひいて、ここまでするわけですけども。

映像説明: 規則的に切り込みが入った手のひらサイズの細長い木片を、十字に組んでいる伊藤代表の手元。 1メートル以上の真っ直ぐな細長い木片を、対(つい)となる部品にはめ込んでいく。木片の溝の部分が1つずつ組み合わされ、正三角形が規則的に連なったうろこ模様が出来ていく。

テロップ: 組子

ナレーション: 伊藤さんは、障子やふすまなどに用いられる伝統工芸、組子の職人。

映像説明: 作業場。伊藤代表が細長い木片が仮組みされているところに、当て木(あてぎ)を手で滑らせ、その上を金づちでリズミカルにたたきながら組んでいく。 組子で制作された戸。全体では山が遠くに見える美しい海岸風景になって見える。近くで見ると、細かな木片がさまざまな幾何学模様に組み合わさりながら木片のすき間によって風景の濃淡を表現している。

テロップ: 組子 細い木片に溝や穴などを施し 組み合わせて模様を作る伝統の木工技法

ナレーション: 組子とは、木に溝や穴などの加工を施し、組み合わせることで模様を作り出す伝統の木工技法だ。

映像説明: 立てかけられた大小さまざまな細長い板と、壁にかけられたいくつもの電動ノコギリの丸い刃やカンナなどの工具。 太陽の光が入る作業場内、いくつもボタンがついた細長い機械や作業台、木材や工具が雑多に置かれている。

ナレーション: 職人歴、46年。近年は、生活環境の変化による売り上げの落ち込みや、後継者問題に直面していた。

映像説明: ビニールに入った組子のコースターの商品が数種類、テーブルの上に置かれている。それぞれ値札(ねふだ)には「大手門コースター(三つ葉)」や「大手門コースター(小・中)」などと書かれ、価格はそれぞれ1,300円から5,000円程度になっている。

テロップ: 伊藤建具製作所 伊藤 曻(いとう のぼる)代表

伊藤代表: 売り上げをあげること。その売り上げをあげたことによって、 後継者がですね(生まれ)、私の、こう作ったものをですね、引き継げると。

映像説明: 和室で話す伊藤代表。

テロップ: 伊藤建具製作所 伊藤 曻(いとう のぼる)代表

伊藤代表: 誰かにこう、つないでいきたいという気持ちがあります。

映像説明: 作業場で座り込んで黒い木片とナチュラルな木の色の木片を格子状に組み合わせていく伊藤代表。作業台の上にはさまざまな木片や既に組んである小さな組子が無造作に置かれている。

ナレーション: 伊藤さんは、その思いを実現するため、新たな製品を開発した。

映像説明: 組子の敷物の上に、組子のひじ掛け椅子が置かれている。座面と背面はナチュラルな色の木が使われていて、部分的に格子状になっている。ひじ掛けから脚の部分は茶色の木で組まれ、幾何学模様になっている。

テロップ: 組子家具

ナレーション: 丁寧な扱いが必要な組子では作るのが難しいと言われていた、家具だ。

映像説明: 白いパネルで囲まれた4畳ほどの広さの展示ブースの写真。ブース内は暖色のライトに照らされて、数種類の椅子やテーブルの組子家具が飾られている。(写真提供:伊藤建具製作所)

ナレーション: その新製品を、東京ビッグサイトで開催された展示会に出品したところ…。

映像説明: 展示ブースでの商談の様子を撮影した写真。薄オレンジ色(いろ)のシャツに黒いジャケットを着てメガネをかけた白髪の外国人男性が、組子の椅子に座って、テーブルの上の組子の木片やサンプル資料を見ている。横には、水色のポロシャツを着た伊藤代表やスーツ姿にショートカットの女性が2人いる。 黒いシャツに黒いジャケットを着てメガネをかけた外国人男性との商談の様子の写真。

テロップ: 伊藤建具製作所 伊藤 曻(いとう のぼる)代表

伊藤代表: 外国の方(かた)の、あの、バイヤーさんが、もう、驚きをですね、隠さないで、 「これはすばらしい」というような評価はいただいたわけですけども。

映像説明: 展示ブースに飾られている組子家具の写真。テーブルの脚の組子の奥にライトがあり、組子のすき間から温かい光が漏れている。テーブルの上には組子の小さな椅子の置物が3つ置いてある。

テロップ: 海外バイヤーの関心の高さ

ナレーション: 海外バイヤーから寄せられた、手作り製品への高い関心。

映像説明: 白い外壁に、JR山形駅の立体文字がある。 横に長い駅ビルの前の駐車場に、何台もの車が駐車されている。

ナレーション: そうした経験に背中を押され、伊藤さんは、今回の商談会への挑戦を決めた。

映像説明: 黒い壁の前に掲げられた案内用紙。左上に「JETRO(ジェトロ)」のロゴがあり、「デザイン産品・日用品 バイヤー招へい商談会(山形)、会場 やまぎんホール 2階 会議室1・会議室2・会議室3」と書かれた文字の下に右向きの矢印がある。

サイドテロップ(画面右上に常時表示): 3年ぶりの対面商談会 海外バイヤーに響くポイントは?

ナレーション: コロナ禍では、オンラインで行われてきた商談会だが…。

映像説明: 会議室。Tの字に置かれた長机(ながづくえ)を挟んで、黒いシャツに白いマスクをつけた短髪の男性と、紫に黄色(きいろ)の波模様が入ったワンピースの上にクリーム色(いろ)のロングベストを羽織ったロングヘアの女性が名刺交換をしている。 黒いシャツに白いマスクをつけた短髪の男性の横に座る、黒いハイネックの上に黒いジャケットを着て白いマスクと黒縁メガネをかけた白髪混じりの男性が、手ぶりを交えながら話している。

テロップ: 2023年2月27日 デザイン産品・日用品 海外バイヤー招へい商談会 主催:ジェトロ

ナレーション: 今回、3年ぶりに対面での開催となった。応募のあった山形の企業は26社。

映像説明: 長机(ながづくえ)に大きさの異なる鉄やかんや、鉄製の鍋敷き、箸置きなどの小物が並べられている。 長机(ながづくえ)を挟んで茶色のチェック柄のスーツを着て白いマスクと黒縁メガネをかけた白髪混じりの男性が、白いシャツを着て黒いマスクをつけた短髪でひげを生やした外国人男性バイヤーから笑顔で名刺を受け取っている。 長机(ながづくえ)に木製の皿や箸などの商品が並べられ、茶色のチェック柄のスーツを着て白いマスクと黒縁メガネをかけた白髪混じりの男性が商品を手に、外国人男性バイヤーに熱心に説明している。

ナレーション: その中から、バイヤーが商談を希望する企業を絞り込み17社がアピールする機会を得た。

映像説明: 画面が左右に分割され、左には白いシャツを着た短髪でひげを生やした外国人男性の静止画、右にはグレーのTシャツに黒いマスクをつけた短髪の男性の静止画が映っている。

ナレーション: 参加したバイヤーは2人。

映像説明: 左側に映っていた白いシャツを着た短髪でひげを生やした外国人男性バイヤーの画像が、全画面表示になる。

テロップ: Foundland(ファウンドランド) アーサー・ミンガード ディレクター

ナレーション: イギリス人のミンガードさんは、日本の製品を扱うオンラインショップを経営。

映像説明: オンラインショップの画面。さまざまなデザインの箸や箸置き、前掛けエプロンや彫刻刀(ちょうこくとう)、たわしなど、日本の製品が販売されている。

テロップ: Foundlandのオンラインショップ

ナレーション: 産地や生産者のこだわりなど、製品の背景にあるストーリーを重視し、リピーターも多いという。

映像説明: ミンガードディレクターが窓のある白い壁を背にインタビューに答える。

テロップ: Foundland アーサー・ミンガード ディレクター

ミンガードディレクター・英語: 関係を築くためにも生産者と会いたいと思っています。 彼らが何をしているか、そして何を見ているかを知り、 直接やり取りすることは、とても大事だと思っています。

映像説明: グレーのTシャツを着て黒いマスクをつけた短髪の男性バイヤーが赤茶色の壁を背にインタビューに答える。

テロップ: ジャランジャパン 林田 新太郎(はやしだ しんたろう) 代表

ナレーション: 香港にショップを持ち、また、欧米に向けては日本のライフスタイル製品を販売している林田さんは…。

映像説明: ホームページのトップ画面。東京港区のレインボーブリッジの画像が表維持された画面を下にスクロールしていくと、日本語と英語で紹介文などが書かれている。

テロップ: ジャランジャパンのホームページ

ナレーション: 現在、海外で日本製品(にほんせいひん)の注目度が高まっていると話す。

映像説明: 林田代表が赤茶色の壁を背にインタビューに答える。

テロップ: ジャランジャパン 林田 新太郎 代表

林田代表: 欧米に関しては、えー、ここ1~2年(いち、にねん)ぐらい、その、スカンジナビアンとジャパンを掛けた 「Japandi(ジャパンディ)」っていうようなブームが起きていて、 えー、ま、北欧テイストの、その家の空間を作るときに、 日本(にほん)のものを、そこに掛け合わせるみたいなものが、少し(すこし)はやっていると。

映像説明: 会議室。白いハイネックにグレーのマスクをつけた30代ぐらいの男性が、透明アクリル板を挟んでミンガードディレクターと商談している。机の上には一輪挿し用のさまざまなデザインの陶器が置かれていて、桜の枝などが挿してある。トキワサンザシが植えられた小さなお椀型の陶器も置かれている。 白いハイネックにグレーのマスクをつけた30代ぐらいの男性のショルダーショット。

テロップ: 石木花(せきぼっか) 後藤 卓也(ごとう たくや) さん

ナレーション: 欧米でのブームによる、日本製品(にほんせいひん)の人気上昇。それを追い風にしようと、今回の商談に望むのが石木花(せきぼっか)の後藤さんだ。

映像説明: 太陽の光が降り注ぐ明るいビニールハウスの中。プランターや鉢、ビニールポットで育てられている小さな植物が並んでいる。

テロップ: 山形県村山市

テロップ: 石木花(せきぼっか)

ナレーション: 石木花(せきぼっか)が取り扱っているのは盆栽。

映像説明: 丸いお椀型の鉢に植えられた小さな盆栽が数個並んでいる。コケから伸びる1本のくねくねした幹の先に松の葉が生えている。 ビニールポットに植えられた小さなみかんの木。オレンジ色(いろ)の小さな果実が実っている。

ナレーション: 現代の住環境に合ったデザインを意識し、月に、およそ2,000点販売するなど、売り上げは好調だ。

映像説明: 緑色(みどりいろ)の小さな陶器の鉢に苗木を差して、丁寧に土(つち)を入れていく手元。 ビニールハウスの中で、オレンジ色(いろ)のナイロンのフードジャケットを着たショートヘアの男性が、鉢に入れた土(つち)を木の棒を使って整えている。

テロップ: 植物検疫

ナレーション: しかし、海外へ展開するためには、植物検疫をクリアしなければならないため、すぐに輸出することができない。

映像説明: 水たまりのような曲線でできた青い陶器のプレートの上に、円柱型の白い陶器の一輪挿しが置かれている。白い一輪挿しは、ふちから緑色(みどりいろ)の塗料が垂れた(たれた)ようなデザインになっていて、赤茶色の肉厚の葉や緑の葉がついた長さの異なる枝が2本挿されている。

テロップ: 陶器の一輪挿し

ナレーション: そこで今回は、自社で作っている陶器の一輪挿しに焦点を絞った。

映像説明: 板張りの壁と大きな窓にブラインドがかかった作業スペース。作業台の上には灰色の粘土で作られた焼き入れ前のお椀型の小さな容器が並べられている。黒いカットソーに茶色のエプロンと白いマスクをつけたボブヘアの女性が、小さな手回しのろくろを使い、手びねりで灰色の粘土で作られたお椀を整えている。 灰色の粘土で作ったお椀型の小さな容器を両手で持ち、底面を親指で押して形を整えたあと、ろくろの上に戻し、ふちを指先でつまみ、回しながら形を整えていく。

テロップ: 手びねり

ナレーション: 手びねりで作られた石木花(せきぼっか)の陶器は、1点1点にぬくもりが感じられる。そして…

映像説明: カーキ色(いろ)のフードジャケットを着た後藤さんが、焼き窯(やきがま)や本焼き前のお椀型の容器が並ぶ棚の前で、インタビューに答える。 白を基調として黒い墨のラインが入ったデザインの陶器のプレートの上に同じ模様の円柱型の一輪挿しが置かれ、桜の枝が挿さっている。

テロップ: 石木花(せきぼっか) 後藤 卓也 さん

後藤さん: 一般的に海外で出回っているフラワーベースっていうのは、大き目のものが多いんですけれども、 私たちは、日本(にほん)の一輪挿しという文化に、あの、着想を得て、 小さめの商品をご提案させていただきました。

映像説明: オフィス。白い長袖シャツにカーキ色(いろ)のダウンベストを着た後藤さんがパソコンに向かって作業をしている。 パソコンモニターには盆栽商品の一覧画像が映っていて、モニターのふちに付箋が4枚貼られている。後藤さんが商品一覧を見ながらメモを取っている。

ナレーション: さらに、商談の資料に工夫も…。

映像説明: いくつもの猫の小さな置物が整然と並んでいる写真。 焼き窯(やきがま)の中に白や緑のお椀型の陶器が並べられている写真。窯の前に座る白いシャツに黒いエプロンをして髪を1つに束ねた女性が、焼き窯(やきがま)の中に黒い手袋をした手を伸ばしている。 会議室。ミンガードディレクターと後藤さんがノートパソコンで商品一覧などを見ながら商談している。

テロップ: 石木花(せきぼっか) 後藤 卓也 さん

後藤さん: 製品のその、背景にあるストーリーだとか、 ま、実際にモノ作りをしている現場だとかっていうところが、アピールポイントになってくるので、 えー、そういったイメージを見せながら バイヤーさんと商談させていただくというところを工夫させていただきました。

映像説明: 会議室。透明のアクリル板(ばん)越しに、後藤さんがノートパソコンを示しながらミンガードディレクターに説明している。長机(ながづくえ)には桜の枝が挿された一輪挿しの陶器とトキワサンザシが植えられた小さなお椀型の陶器が置かれている。

ナレーション: 商談の手ごたえは…。

映像説明: 後藤さんがパソコン画面や、緑色(みどりいろ)の一輪挿しの陶器を指さしながら説明している。 ミンガードディレクターが緑色(みどりいろ)の一輪挿しの陶器を持って底面を確認しながら話している様子。 焼き窯(やきがま)や本焼き前のお椀型の容器が並ぶ棚の前で、後藤さんがインタビューに答える。

テロップ: 石木花(せきぼっか) 後藤 卓也 さん

後藤さん: 陶器製品に関しても、やっぱり盆栽のような伝統文化が背景になったところから 生まれてくる製品というところで、 その、弊社のストーリーの部分にも共感いただいたなというふうな感触があります。

映像説明: テーブルの上に、円柱型でさまざまな大きさの一輪挿しの陶器が置かれている。緑色(みどりいろ)や紺色、薄ピンク色などがある。中央に置かれた3つの陶器には、それぞれ桜の枝や赤茶色の肉厚の葉がついた枝、緑の葉がついた枝が挿さっている。 ビニールハウスの中で、後藤さんが小さな盆栽を持ちながら話している。

ナレーション: 一輪挿し用の陶器の輸出を実現させると同時に、今年度から栽培地検査を実施。主力の盆栽も準備していくと話す。

映像説明: 会議室。ミンガードディレクターとグレーのブラウスを着てライトグレーのマスクをつけたショートヘアの女性が向かい合って座っている、。 グレーのブラウスを着てライトグレーのマスクをつけたショートヘアの女性が、オレンジ色(いろ)の風呂敷から赤や黄色(きいろ)に塗られた手のひらサイズの丸い木製のおもちゃのようなものを取り出して組み合わせたあと、机の上に並べて見せる。

テロップ: コロン 川勝 節子(かわかつ せつこ) さん

ナレーション: 熱い思いで商談に臨む企業はほかにも。デザイン会社コロンの川勝さんは、伝統的なコマを現代風にアレンジして売り込む。

映像説明: 丸い頭部と同じくらいの大きさの胴体を組み合わせた、小さくカラフルな木製の人形が机の上に並べられている。ミンガードディレクターがその人形をスマートフォンで撮影している。

ミンガードディレクター・日本語: カワイイ。

川勝さん: うふふ。ありがとうございます。

映像説明: 木製の人形の頭部からは細い軸が突き出していて、ひねりコマになっている。ミンガードディレクターと黒いスーツ姿の男性が、軸をひねってコマ人形を回している。 カラフルなコマ人形が並べられた台の横で、川勝さんがインタビューに答える。

テロップ: コロン 川勝 節子 さん

川勝さん: きっと、こういう商品は、あの、世界中、どこの売り場でも 共感を得られるんじゃないかな、という。 大量生産はちょっと難しいんですけれども、長く続けていくために、 あの、販売店さんを増やしていきたいという思いがありました。

映像説明: 茶色い台の上にビビッドな色合いの2頭身(にとうしん)のコマ人形が並べられている。茶色のオカッパ頭に黄色い三角の胴体の女の子や頭は丸く寸胴な青いだるま、柴犬やサルなどの動物をモチーフにしたものもあり、すべて異なる表情が描かれている。

テロップ: 山形県 天童市

テロップ: コロン

ナレーション: 特徴は、個性的な表情とポップな色合い。

映像説明: 円い木製のおぼんの上で、コマの軸を回す手元。最初は丸い頭頂部を下にして回っているが、上下が逆さまになり頭部が立ち上がると、軸を下にしてそのまま回り続ける。こけしのデザインの頭部であることが分かる。

ナレーション: 伝統的なコマを、クオリティーの高い装飾品としても使えるようデザインし、販売先をセレクトショップなどにも拡大した。

映像説明: 茶色い台の上に置かれた黒い眼帯をつけた黒い胴体のコロンの飾りコマ。

テロップ: コマの小売価格 付加価値をつけ120円→1,700円に

ナレーション: そうすることで、価格を引き上げ、

映像説明: 作業場で迷彩柄のTシャツを着てメガネをかけた白髪の男性が、工具を使って飾りコマの胴体部分を削っている様子の写真。

テロップ: 職人の工賃を適正に

ナレーション: 職人に適正な工賃を渡すことが可能に。

映像説明: 作業場。青いTシャツに青いエプロンをした白髪混じりの男性が白い手袋をつけ、機械を使って作業をしている様子の写真。作業台の上には小さなほうきやスティックのり、金属の部品などが置かれている。

ナレーション: 目指すのは、コマ作りを地域の産業として成長させていくことだ。

映像説明: 会議室。ミンガードディレクターの横に座るグレーのスーツを着たショートヘアの女性が、ミンガードディレクターに通訳している。ミンガードディレクターは聞きながら何度もうなずいている。 コロンの商品が並ぶ棚の横で川勝さんがインタビューに答える。

テロップ: コロン 川勝 節子 さん

川勝さん: (バイヤーが)すごく、うなずいてくれてたりとかもしたので、 関わってる人たちが、みんなハッピーになれるような仕組みの商品だっていうところが、 すごく(バイヤーの心に)響いてくれたのかなと思ってます。

映像説明: 長机(ながづくえ)に組子のコースターや模様が分かるサンプル模型を並べている伊藤代表。

サイドテロップ(画面右上に常時表示): 伝統工芸品を海外に売り込め バイヤーとの商談結果は?

ナレーション: そして、初めての海外バイヤーとの商談を前に、組子職人の伊藤さんは…。

映像説明: ワイシャツとネクタイの上にライトグレーの作業着を着て白いマスクをつけ、メガネをかけた伊藤代表がインタビューに答える。

テロップ: 伊藤建具製作所 伊藤 曻(いとう のぼる)代表

伊藤代表: ま、初めてなんで。えー、ま、一生懸命やるということだけですね。

映像説明: 会議室。名刺交換をする伊藤代表とミンガードディレクター。 グレーのスーツを着たショートヘアの女性がミンガードディレクターに通訳している。

テロップ: Foundland(ファウンドランド) アーサー・ミンガード ディレクター

ナレーション: 商談相手はミンガードさん。売り込みがうまく行けば、大きなチャンスにつながる。

映像説明: 伊藤代表がミンガードディレクターに向かって話す。 ミンガードディレクター軽くうなずきながら話を聞いている。

テロップ: 伊藤建具製作所 伊藤 曻(いとう のぼる)代表

伊藤代表: 当社は創業80年。 そして組子細工にこだわりつつ、今までやってきました。 本当に零細であるし、ま、あの、小さいところだなあと多分思うかもしれないけども、 あの、気持ちはですね、皆さんとね、つながっていきたいというような思いがあったわけですけれども、 せっかくのこの機会なので、ぜひ、あの、(ビジネスを)実現していきたいなと思いますので…。

映像説明: ミンガードディレクターが組子のサンプル模型を手に取って表面と裏面を見比べている。

ナレーション: 伊藤さんは、今回の商談用に、組子の仕組みを説明するための模型を用意。

テロップ: 伊藤建具製作所 伊藤 曻(いとう のぼる)代表

伊藤代表: ねじ組みという技法なんです。

映像説明: グレーのスーツを着たショートヘアの女性が通訳してミンガードディレクターに伝える。うなずきながら組子のサンプル模型を見ているミンガードディレクター。

ナレーション: 複雑な組子の技法にミンガードさんの目は、くぎづけに。

映像説明: 伊藤代表とミンガードさんが長机(ながづくえ)を挟んで立ち、お互いに何度もおじぎをする。

ナレーション: 45分にわたる商談は、無事終了。

映像説明: ミンガードディレクターが立ったまま長机(ながづくえ)の上の組子の資料を手で示しながら話している。

ナレーション: ミンガードさんは、伊藤さんの製品について…。

映像説明: ミンガードディレクターが、窓のある白い壁を背にインタビューに答える。

テロップ: Foundland(ファウンドランド) アーサー・ミンガード ディレクター

ミンガードディレクター・英語: (伊藤さんの)製品は、とてもすばらしく、 脈々と受け継がれたものがあって、伝統的で歴史もあります。 そして取り引きする価値がとてもあると思っています。

映像説明: 窓のある白い壁を背にミンガードさんが話を続けている様子。

ナレーション: 評価は上々のよう。

映像説明: 白い壁を背に伊藤代表がインタビューに答える。

テロップ: 伊藤建具製作所 伊藤 曻(いとう のぼる)代表

伊藤代表: 初めてっちゅうことで、非常に、こう緊張しましたし、 ま、自分の言いたいこと伝えたいことは伝わったのかなあって思います。うん。

映像説明: 伊藤建具製作所内。廊下から作業用の和室に進むと伊藤代表がいる。テーブルに置いていたタブレットを手に持つ。

ナレーション: 伊藤さんは帰宅してすぐに、ネットの無料翻訳を使ってミンガードさんにメールを送信。

映像説明: 和室。椅子に座っている伊藤代表。作業テーブルの上にメールの返信内容が日本語に翻訳されたものが印字された紙が置かれている。 テーブル周りには組子の部品やモノクロ写真、組子の装飾がついた緑色(みどりいろ)の光のランプなどが雑多に置かれている。

伊藤代表: (メールを)送ったところ、あのー、すぐ、あのー、数秒経たないでね、パパーンと質問来まして。 まずは、とにかく「最新の価格表を送ってください」っていうようなかたちでした。

映像説明: 和室。伊藤代表の隣に黒いジャケットを着て白いマスクをつけたロングヘアの女性が座り、ノートパソコンを開いている。伊藤代表が価格表の資料を指差しながら見せている。 伊藤代表と黒いジャケットを着て白いマスクをつけたロングヘアの女性が打ち合わせをしている様子。

ナレーション: 海外バイヤー向けの価格表を作った経験がなかった伊藤さん。今回の商談を主催したジェトロの担当者に相談することに。

映像説明: 黒いジャケットを着て白いマスクをつけたロングヘアの女性が、資料を指さしながら話をする。

テロップ: ジェトロ山形 秋間 かをる(あきま かおる)

秋間(あきま)(ジェトロ山形): 使うのは。もう、これですよね。円ですよね。

伊藤代表: そうだね。

秋間(あきま): これは(ポンド表示)、なくてもいいかもしれないです、次、送るとき。 もう円で、これだけくださいっていう言い方でいいと思います。

映像説明: 会議室。伊藤代表がミンガードディレクターの話をうなずきながら聞いている。 ミンガードディレクターが組子の模型サンプルを手に取って上下左右から見ている。 伊藤代表が木製のおぼんのようなものを手に取って説明している。

ナレーション: 商談会で大きな手応えを感じた伊藤さん。その先に見据える、目標とは。

映像説明: 伊藤建具製作所の作業用の和室で伊藤代表がインタビューに答える。

テロップ: 伊藤建具製作所 伊藤 曻(いとう のぼる)代表

伊藤代表: 「山形の組子」という名を入れて、 ま、「蔵王の組子」とか、いうような名前を使いながら、で、みんなでやっていけば、 その、町おこしになるということだと思います。 皆さんの力が、そこに結集すれば、あの、山形市だって、山形県だってね、もっとその、アピールがね、できるんじゃないかなあと思ってます。

映像説明: 円い木製のおぼんの上で、コロンのこけしの飾りコマを回す手元。 小さな手回しのろくろを使い、手びねりでお椀型の粘土の形を整えていく石木花(せきぼっか)の職人の手元。 細長い木片を組んでいく伊藤代表の手元。 伊藤建具製作所の作業場。伊藤代表が当て木を手で滑らせ、その上を金づちでたたきながら組子を組んでいく。

ナレーション: 山形の職人が踏み出した1歩。その挑戦は、海外への新たな道を切り開く大きなチカラにつながっていく。

映像説明: 水色のグラデーション背景画。画面の右側で地球の陸地部分だけが点描され、中が空洞になった地球儀のグラフィックイメージが回転している。

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