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ジェトロ 2025年度 海外進出日系企業実態調査(ロシア編) ―情勢改善の兆し見えず、中国企業の存在感拡大に警戒―
2025年11月25日
本調査について
- ジェトロは2025年9月、ロシアに進出する日系企業(日本側出資比率10%以上の法人。駐在員事務所、連絡事務所、現地で日本人が起業した法人は対象外)78社を対象に、アンケート調査を実施。50社より有効回答を得た(有効回答率64.1%)。
調査項目:
- 営業利益見通し
- 今後の事業展開
- 競争環境の変化
- 経営上の問題点
- 投資環境
- ロシアで事業を展開する上での問題点
- 米国の追加関税措置の影響
調査結果のポイント
- 営業利益見通し
- 在ロシア日系企業の業績について、2025年の営業利益見込みを「赤字」と回答した企業の割合は50.0%(前年比2.5ポイント増)。4年連続で最大の割合を占めた。「事業停止状態となっているため」、「制裁や規制により輸入販売ができないため」といったコメントが多くみられた。
- 「黒字」を見込む企業の割合は24.0%(6.5ポイント減)。2013年の調査開始以降過去最低値となった。(資料P.11)
- 2025年の営業利益見込みの変化については、「横ばい」が54.0%(9.2ポイント増)で最多。「悪化」を見込む企業は36.0%(1.9ポイント減)で、理由としては「現地市場での需要減少」(44.4%)、「原材料・部品調達コストの上昇」(33.3%)などが上位に挙がった(資料P.12~13)。
- 2026年の営業利益見通しは、前年に比べて「悪化」が26.0%(15.4ポイント減)で、2022年以降最低水準となった。一方、「改善」は12.0%にとどまった(資料P.14)。
- 今後の事業展開
- 今後1~2年の事業展開について、「現状維持」と回答した企業は76.0%(前年比17.4ポイント増)。「縮小」と「第三国(地域)へ移転、撤退」と回答した企業の合計は18.0%で、前年の37.9%からほぼ半減した。(資料P.16)。
- 現在の状況を尋ねたところ、51.0%の企業が「すぐに撤退する計画はないが、情勢を様子見している」(9.0ポイント増)と回答。24.5%の企業が「事業継続意欲があり、仮に情勢が悪化しても残留を希望」(前年比9.5ポイント減)と回答した。16.3%の企業が「撤退を検討しているが、現地規制などの制約が大きく残留せざるを得ない状況」(1.7ポイント減)と回答した(資料P.17)。
- 競争環境の変化
- 最大の競争相手を聞いたところ、地場企業(40.8%)、中国企業(38.8%)、日本企業(10.2%)、欧州企業(4.1%)の順に多かった。2019年度調査の同設問では日系企業がトップで34.3%、次に地場企業と欧州系企業(それぞれ23.5%)が挙がった。中国企業は4.9%だった。ロシア市場での中国企業の台頭がうかがえる(資料P.20)。
- 地場企業を最大の競争相手とする主な理由は、「コスト競争力」(45.0%)、「現地・外国政府との規制の差」(40.0%)だった。中国企業については、「コスト競争力」(78.9%)、「意思決定の早さ(顧客対応や現地市場への適合など)」(47.4%)が挙げられた(資料P.21)。
- ロシアにおける事業展開上の課題
- 西側諸国による対ロ制裁およびロシアの対抗措置の影響について、98.0%の企業が「影響あり」と回答。主な影響として、「日本本社におけるロシアビジネスのプライオリティ低下」(63.3%)、「現地市場での売上減少」(53.1%)が挙げられた(資料P.39)。
- ロシアで事業を展開する上での問題点について、対ロ制裁、輸出規制の問題のために、製品の輸入・販売ができないなど、ビジネスへの直接的な影響についてコメントがみられた。同時に、価格だけでなく品質の向上も認められる中国製品のシェア拡大や、並行輸入品や模造品との価格競争などへの懸念の声が聞かれた(資料P.40)。
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ジェトロ調査部欧州課ロシアCIS班(担当:浅元、柴田)
E-mail:ORD-RUS@jetro.go.jp Tel:03-3582-1890




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