春の叙勲 ジェトロ・シカゴ前事務所長が旭日双光章を受章

2023年05月01日

ジェトロのシカゴ前事務所長 ラルフ・インフォルザート氏が、春の叙勲にて旭日双光章を受章しました。

同氏は、1984年にジェトロ・シカゴ事務所に入所し、約40年にわたり、米国(特に中西部)と日本とのビジネス促進において多数の実績を上げてまいりました。2017年8月からは5年間、初の米国人のジェトロ海外事務所長として、シカゴ事務所長を務め、任期中は日本・米国間の経済関係強化および相互理解の促進に大きく貢献しました。

米国人の視点から米国人の共感を呼ぶアプローチで、中西部の米国企業に対して日本とのビジネスを呼びかけた同氏の取り組みは、バイオ、自動車産業分野の日米ビジネス促進において顕著な成果をあげました。また、シカゴ事務所長として、率先して全米ジェトロ事務所の草の根経済交流(グラスルーツ)の取組をリードしてまいりました。
受章は、こうした取り組みが米国(特に中西部)と日本の経済関係の強化および相互理解の促進に大きく寄与したことが評価されたものです。
なお、ジェトロの現地採用職員としましては、2009年「春の叙勲」でマドリード事務所所員が旭日双光章を受章して以来、二人目の受章となります。

日本と米国とのバイオ産業交流の基礎作りに貢献

同氏は、今後のバイオ産業の成長性に着目し、日米バイオ産業での連携の必要性を早い段階から認識し、2004年から2007年にわたり中西部7州において、10回を超えるバイオシンポジウムを開催し、日本のバイオ産業を紹介、日米バイオ関係者間のネットワーク構築を行いました。さらに、2003年から2009年にわたり、500名以上の米国バイオ企業の代表者を日本に送り込み、日本企業とのビジネスマッチング機会を提供しました。こうした活動を通じ、日米バイオ産業分野での交流の基礎を築くことに貢献しました。

日系自動車/部品メーカーの安定的な操業支援および新たな商談機会を創出

同氏は、日系自動車メーカーの米国での安定的なビジネス展開が米国自動車産業の発展と地元経済発展に貢献するとの視点から、2008年から2015年にわたり中西部において、日本のものづくりスピリットを紹介するセミナーを数多く開催し、日系自動車メーカーと米系自動車部品メーカー/地元サプライヤーとのサプライチェーン構築を進めました。また、この活動が地元自動車業界にも評価され、米国自動車部品製造者工業会(OESA)が会員企業限定で開催する在米自動車メーカーとの商談会にジェトロ枠が供与されました。結果、非会員である日系自動車部品メーカーも特別参加が可能となり、米国での自動車分野でのビジネス機会の拡大にも繋がりました。

草の根(グラスルーツ)の取組を通じた日米経済関係促進/相互理解促進

同氏は、人との繋がりが、更なる日米経済関係促進や相互理解に不可欠との観点から、ジェトロ・シカゴ事務所長としての任期中、コロナ禍で難しい期間があったものの、中西部12州の知事、市長、経済開発公社、ビジネスリーダーに対し、個別面談/オンライン会談およびセミナー/ウェビナー開催を通じて積極的にコンタクトを図り、米国における日本からの投資額の大きさとその経済効果を統計を用いて紹介し、深化する日米相互依存関係を訴えました。併せて、地元自治体首長を招いて日系企業を訪問する機会を設定し、当該企業による雇用創出、技術革新等の日本企業による地域経済貢献への理解を促し、地元ビジネス市民である日系企業への引き続いての支援を求めました。

こうした同氏の草の根経済交流の活動は、米国中西部においても広く評価され、2022年8月のジェトロ・シカゴ所長退任後には、ミシガン州政府やインディアナ日米協会などからも相次いで感謝状が授与されました。

略歴:ラルフ・インフォルザート

1984年よりジェトロ・シカゴ事務所に入所。調査業務等を担当した後、1999年以降は、ビジネス開発部長として、米国(特に中西部)と日本間のバイオ産業交流、日系自動車メーカーの米国展開支援、全米ジェトロ事務所の草の根交流(グラスルーツ)活動等に従事。 2017年8月にジェトロ・シカゴ事務所長就任。同事務所所管の米国12州と日本との貿易・投資促進、各州知事、市長、ビジネスリーダー等とのネットワーク構築に取り組む。 2022年8月にジェトロ・シカゴ事務所長を退任。 現在は、同事務所の特別顧問(Special Advisor)。シカゴ日米協会理事なども務める。

ラルフ・インフォルザート

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