世界最大規模のバイオ展示会「2023 BIO International Convention」 初設置から20周年のジャパンパビリオン出展企業34社が決定 ―米国・ボストンで日本発のバイオ医薬品関連製品・サービスを紹介―

2023年06月01日

ジェトロは、6月5日から米国・ボストンで開催される世界最大規模のバイオテクノロジー関連展示会「2023 BIO International Convention(以下「BIO2023」)」にジャパンパビリオンを設置し、バイオ医薬品関連の製品、サービスを有するスタートアップ等の海外展開、海外大手製薬企業等との国際協業連携を支援します。今年は、ジェトロが同展示会にジャパンパビリオンを初めて設置してから20周年の節目となり、これまでの支援対象数は約500社(のべ数)に上ります。
国内外において、対面での商談機会が増加するなど、リアルな国際ビジネス活動が本格化する中、BIO2023ジャパンパビリオンについては、昨年度の約2倍の応募があり、選考の結果、34社の出展が決定しました(過去20年で4番目の規模)。その中には、国内アカデミア関連スタートアップが16社含まれるほか、世界で初めてiPS細胞を活用し網膜細胞移植を行った髙橋政代先生が起業した細胞治療のVC Cell Therapy、広島大学の田原栄俊副学長が起業した核酸医薬のPURMX Therapeuticsなど、国内を代表する研究者が創出したスタートアップが多数参加します。
会期最終日には、ボストン有数のアクセラレータであるCambridge Innovation Center(CIC)にて、「Japan Innovation Night」を開催し、経済産業省、バイオインダストリー協会(JBA)などが講演するほか、我が国スタートアップ企業11社が海外企業・投資家向けにピッチを行い、その海外展開、国際協業連携の支援につなげるとともに、日米バイオエコシステム間の連携強化を推進する予定です。
医薬品産業では、研究開発から製品・サービスの提供に到るまで、多額の資金や時間が必要となるなど、事業化の難易度が高いことに加え、世界的に新規医薬品はスタートアップ由来が中心で、大手製薬企業等との協業を通じ、製品化に到るのが通例となっています。
こうした中、世界有数の医薬品産業・アカデミアが集積し、スタートアップ・エコシステムを形成しているボストン地域での本取り組み(BIO2023ジャパンパビリオンおよび「Japan Innovation Night」)は、我が国バイオ医薬品関連企業が海外製薬企業・投資家とコンタクトする絶好の機会であり、本取り組みを契機に、日本からの海外展開、国際協業連携が進むことが期待されます。

2023 BIO International Convention概要

項目 詳細
会期 2023年6月5日(月曜)~6月8日(木曜)
会場 Boston Convention & Exhibition Center(米国・マサチューセッツ州ボストン)
主催 Biotechnology Innovation Organization(米国バイオテクノロジーイノベーション協会)

主催者WEBサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

※前回の開催状況(2022年サンディエゴにて開催)

会期:
2022年6月13日~16日
来場者数:
約14,000名
出展企業数:
約1,900社(うちジャパンパビリオン出展企業は22社)
商談件数:
約44,000件(BIOパートナーリングシステムを通じた商談のみ)

ジャパンパビリオン概要

項目 詳細
会場 Boston Convention & Exhibition Center, Booth 1353
出展企業 34社(うち、国内アカデミア関連スタートアップ16社)
出展内容 バイオ医薬品関連製品・サービス
出店規模 2000平方フィート(約186 ㎡)

※ 出展者詳細(製品・サービス概要等)は別紙 2023 BIO International Conventionジャパンパビリオン出展企業PDFファイル(184KB)をご参照下さい。

Japan Innovation Night概要

項目 詳細
主催 ジェトロ、CIC(Cambridge Innovation Center)
共催 経済産業省
日時 2023年6月8日(木曜)PM4時00分~PM8時00分
会場 CIC Cambridge 5階(Havana & Venture Cafe)
(One Broadway, Kendall Square, Cambridge, MA 02142, USA)
主な内容(予定)
  • 基調講演
    • 講演1(日本政府による取り組みについて)
      経済産業省
    • 講演2(日本のバイオエコシステムについて)
      一般財団法人バイオインダストリー協会(JBA) 
  • 経団連バイオエコノミー委員会ならびにLINK-Jによる取り組み紹介
  • 日本スタートアップ(11社)によるピッチ
  • 東京都、神戸市、横浜市からのプレゼンテーション
  • 参加者間でのネットワーキング

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2023 BIO International Conventionジャパンパビリオン出展企業一覧

項番  企業名 所在地 製品・サービス
1 Veneno Technologies株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 茨城県 Veneno Suite: イオンチャネル、トランスポーター、GPCR等の膜貫通タンパク質を標的としたジスルフィドリッチペプチド医薬品(DRP)の創製技術
2 ときわバイオ株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 茨城県
  • ステルス型RNAベクター("SRV")
  • SRVを用いた遺伝子治療薬("SRV治療薬")
3 株式会社Epsilon Molecular Engineering外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 埼玉県
  • VHH抗体創製プラットフォーム
  • VHH抗体パイプライン
4 アール・ナノバイオ株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 埼玉県 独自のマイクロアレイ・プラットホーム技術を用いた多項目迅速検査(POCT)システム
5 エムバイオテック株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 東京都 マイコプラズマ感染症診断システム、ワクチンや抗体医薬など新規創薬モダリティなどのコア技術、マイコプラズマ感染症に対するAI診断治療プログラムや情報システム設計や事業開発など、感染症予防未病医療の提案
6 キッズウェル・バイオ株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 東京都
  • 乳歯歯髄幹細胞(SHED)による細胞治療(再生医療)の研究開発
  • バイオシミラー事業
7 ソニア・セラピューティクス株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 東京都 次世代型超音波ガイド下集束超音波(HIFU:high-intensity focused ultrasound)治療装置
8 株式会社ケイファーマ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 東京都 新規ALS治療剤として開発中のRopiniroleの日本国外のライセンス供与とiPS細胞を用いた再生医療
9 株式会社ブレイゾン・セラピューティクス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 東京都 高分子ミセル製剤の実装化によるBBB突破を可能にする薬剤デリバリ―基盤技術をコアとした「プラットフォーム事業」(共同研究)と「創薬事業」(中枢神経系疾患新薬の共同研究開発、ライセンシングアウト)
10 株式会社坪田ラボ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 東京都 近視進行抑制効果のあるバイオレットライト発光眼鏡フレーム(医療機器)他
11 積水化学工業株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 東京都 製品名: Chemically-Defined Scaffold (CDS, 現行仮称)
安全で安定した細胞培養を確立でき自動培養装置にも適応できる機械塗工・常温保管可能な化学合成樹脂基盤の足場材
12 Axcelead Drug Discovery Partners株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 神奈川県 統合型創薬支援ソリューション(ヒット化合物探索・同定サービス、ターゲット同定・検証サービス、リード化合物創製・最適化サービス、IND/NDA申請支援サービス)
13 TMU Science株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 神奈川県 アセロラ由来エクソソーム様細胞外小胞を利用した経口有効性のある新規ドラッグデリバリーシステム
14 ジェイファーマ株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 神奈川県
  • Nanvuranlat (開発コード:JPH203) 切除不能の進行性胆道がん治療薬
  • JPH034(旧開発コード:OKY-034) 多発性硬化症治療薬
15 ジャパンメディカルデバイス株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 神奈川県 心臓シミュレータを活用した新たな医療コンピューターシミュレーションサービス
16 株式会社Jiksak Bioengineerig外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 神奈川県
  • 三次元細胞組織・培養デバイスのNerve Organoid™の開発・製造・販売
  • ヒト由来細胞(iPS細胞)培養系を利用した創薬研究開発
  • ヒト由来細胞(iPS細胞)を利用した医療機器(軸索集積型人工神経)の開発
17 株式会社リプロセル外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 神奈川県 臨床用途iPS細胞樹立サービス、ヒト組織アッセイ、バイオバンク、ゲノム編集サービス
18 株式会社浜松ファーマリサーチ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 静岡県 非ヒト霊長類(NHP)疾患モデルを用いた医薬品の非臨床薬効薬理試験
19 HiLung株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 京都府
  • 呼吸器疾患を対象とする医薬品候補パイプライン
  • ヒトiPS細胞由来の呼吸器細胞(肺胞・気道)を活用した創薬支援事業(肺毒性評価ならびに呼吸器感染症や肺がん・肺線維症等向けの有効性評価等)
20 iPSアカデミアジャパン株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 京都府 京都大学をはじめとする公的研究機関等(アカデミア)から実施許諾を受けているiPSC関連特許権(出願を含む)の実施権
21 マイキャン・テクノロジーズ株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 京都府 ヒト由来 不死化ミエロイド系細胞 (Mylc細胞)再生医療技術を用いた均質で精度の高い血球細胞で感度・再現性にも優れいることから動物実験の代替法としても使用可能
22 リバーセル株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 京都府 多能性幹細胞から抗原特異的なキラーT細胞を再生し、がんやウイルス感染症など免疫関連疾患に「他家免疫細胞療法」を提供するプラットフォーム技術
23 株式会社aceRNA Technologies外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 京都府 RNAスイッチプラットフォーム:(1)標的細胞における特異的miRNA活性を同定し、(2)特異的miRNAの活性状況を目印としてmRNA医薬の発現を制御する技術
24 株式会社COGNANO外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 京都府 COGNANOが蓄積してきた50万クローン以上からなる抗体データベース解析により、未解決癌(甲状腺未分化癌、脳神経膠芽腫など)に対する標的分子情報を抗体と共に提供
25 株式会社メディラボRFP外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 京都府 ML1707:認知症治療薬
ML1807:神経変性疾患治療薬
26 レグセル株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 大阪府
  • 制御性T細胞(Treg)のリーディングカンパニーとして、Treg誘導薬におけるベストインクラスを狙った薬剤を創出
  • Treg関連のパイプライン開発とプラットフォーム事業を展開
27 株式会社ステムリム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 大阪府 再生誘導医薬・医薬品の導出候補品
28 株式会社マトリクソーム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 大阪府 ラミニンE8断片の高純度精製品であるiMatrix製品(iMatrix製品は細胞培養器材にコーティングもしくは細胞懸濁液に添加する方法で使用する基質)
29 株式会社VC Cell Therapy外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 兵庫県 網膜再生医療に活用するiPS細胞由来の網膜色素上皮細胞と視細胞製品、その他周辺医療技術
30 PuREC 株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 島根県 REC(超高純度間葉系幹細胞):ヒト骨髄液から当社独自の技術で純化された細胞医薬品
低ホスファターゼ症(島根大学)、腰部脊柱管狭窄症(北海道大学)
31 桃太郎源株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 岡山県 がん遺伝子治療製剤であるAd-SGE-REIC
32 株式会社PURMX Therapeutics外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 広島県
  • 様々な核酸について 医薬品候補品を選ぶことのできるスクリーニングプラットフォーム を有する。
  • 天然型 のマイクロRNAを用いた新薬MIRX002は、現在、悪性胸膜中皮腫を対象としてPhase1試験を実施中。
33 オプティアム・バイオテクノロジーズ株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 愛媛県 CAR-T細胞療法の薬効最適化を目的として新規CAR配列作製技術「Eumbody System」を基盤技術とした技術より創出するパイプライン
34 ひむかAMファーマ株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 宮崎県 難治性炎症性腸疾患に対し組織修復をもたらす新薬の開発

  

参考リンク

ジェトロ海外展開支援部 販路開拓課 ヘルスケア産業班(担当:佐藤、宮崎、檜山)
Tel:03-3582-8351
E-MAIL:healthcare@jetro.go.jp