デジタルを活用したジェトロの新たな海外展開支援 ―地域の中小企業が海外市場とダイレクトにつながる 新たなデジタル・プラットフォームを構築―

2020年07月08日

ジェトロは「デジタルを活用したジェトロの新たな海外展開支援」に関して、理事長記者会見を実施しました。要旨は次のとおりです。

デジタルへの切り替えが進む海外ビジネス

  1. 新型コロナウイルスの影響により、「フェーストゥフェース」のビジネスが縮小を余儀なくされている。従来型の海外展示会や商談会、貿易投資相談の提供が難しくなる中、日本企業のビジネス機会の損失を最小限に食い止めるため、ジェトロは既存事業を順次オンラインに切り替えた。
  2. 今後、ジェトロはサービスのデジタル化を抜本的に進めることにより、出張・対面を前提としない、レジリエントな企業支援プラットフォームを構築する。「マッチング」や「情報提供・コンサルティング」など、企業のニーズや取り組み段階に応じて、迅速かつ高付加価値なサービスを提供。場所を問わず海外市場にチャレンジできる環境を整え、より多くの企業が海外ビジネスで成功できるよう支援する。

海外の主要ECサイト、バーチャル展示会等と連携し付加価値の高い商談機会を提供

1.拡大する世界のEC市場

2020年の小売市場はマイナス5.7%成長が予想される中、EC市場は前年比16.5%成長、世界小売市場の約17% (約3.9兆ドル)を占める見込み。全地域でEC市場はプラス成長となり、日本(5.8%)以外の主要国は15~20%成長。

2.Japan Mall事業の成果と拡張(B to C)

食品、化粧品、日用品、生活雑貨等を中心に、海外の主要ECサイトによる日本商品の買い取り販売を支援し、輸出拡大を目指す「Japan Mall 事業(18年度開始)」は、2019年度は16ヵ国24連携先で事業を展開し、延べ822社、3,011商品の輸出に成功(取引継続率は90%以上)。新型コロナ感染拡大後も連携先の全ECサイトが稼働している。2020年度は26ヵ国を対象に提携先も60以上に拡大。中国市場に向けては「中国デスク」を新設し、デジタル技術も積極活用して市場開拓を進める。

3.支援対象をB to Bにも拡大:バーチャル展示会への新規出展を通じて輸出拡大を支援

  1. アリババ・ジャパンとの連携により世界中のバイヤー企業にアクセス

    190カ国以上、1.5億人のバイヤーが登録するバーチャル展示会「Alibaba.com」に初出展。コロナ禍における中堅・中小企業の輸出促進のため、アリババ・ジャパンと連携して400社を支援。データ分析などもフル活用し、参加企業の販売を強力にサポートする。

  2. Alibaba.com以外にも欧米等のサイト運営企業との連携も検討中。バーチャル展示会への参加を通じて、コロナ禍における輸出促進を目指す。

4.常設のECサイトを立ち上げオンラインでマッチングを支援

海外の有力バイヤー・EC事業者と、日本のメーカー・生産者の商品を繋ぐ登録制の常設マッチングサイト「ジェトロ・グローバルECカート(仮称)」を11月に開設予定。

オンライン・コンサルティングで、海外情報の収集や戦略策定を効果的に支援

1.ジェトロは7月から「オンライン貿易投資相談」「オンライン海外ブリーフィング」をスタート。

  1. 貿易投資相談では、従来の電話、ウェブ、メールに加え、オンライン面談での相談も受け付ける。
    オンラインの特性を生かし、必要に応じてアドバイザー、事業担当者、最寄りの拠点担当者などがトータルでサポートする。
  2. 海外ブリーフィングについても、ジェトロ・メンバーズ企業を対象に、これまで日本からの出張者に現地で提供していた現地情勢や市場の最新動向などの解説を、オンラインを通じて日本にいるお客様にも提供する。

2.「デジタルコンシエルジュ」で海外ビジネスをきめ細かにサポート

ユーザー企業が、ジェトロが提携するECサイト等を最大限に活用し、一件でも多くの取引成功につなげるためのサポート体制として、新たに「デジタルコンシエルジュ」を設置する。
デジタルマーケティングやデジタルコンテンツ制作など、デジタルを活用した輸出のノウハウを提供する。情報アーカイブとオンライン面談により、移動制限下でも全国に対して支援が可能となる。

ジェトロ広報課 (担当:山田、吉積)
Tel:03-3582-5561