香港で『日本産米』プロモーションを実施 - 日本産米×日本産食材のコラボメニューを訴求

2022年04月18日

現地飲食店・小売店66店舗とタイアップし、甘さや香りなど日本産米の魅力を発信

日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)は、日本産米の消費拡大を目的とするプロモーションを2021年度に香港で初めて実施しました。

2021年度の香港の外食市場概況

香港では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた2020年の反動により、2021年の飲食店の売上高は対前年40%程度上昇しました。*1しかし、2022年に入り最大の商戦期となる春節の時期において、オミクロン株の感染拡大により飲食店の営業時間や1テーブルあたりの人数が制限されるなどの規制が敷かれたため、特に飲食業界には逆風の中での営業を強いられることとなりました。

*1:香港政府統計處食肆的收入及購貨額 按季統計調查報告 2021 年第4 季および零售業銷貨額 按月統計調查報告 2021 年12 月より

日本産米×日本産食材をキラーアプリケーションとしてプロモーションを実施

日本産米については、香港向けの輸出金額は直近5年間で2倍以上と年々増加しており、その7割以上は業務用の中食と外食で料理(おにぎり、寿司、日本料理等)の材料として消費されています。

また、JFOODOが2020年度に実施した「香港における日本産ホタテ・ブリ・タイの料理に関する調査」において、香港ではホタテ、ブリ(ハマチ)、タイ(以下3魚種)を使った料理のうち、米を使った料理に対する受容性が高いことが分かりました。

こうした中、香港での日本産米のさらなる消費増加を図るため、日本産米と日本産食材を使った飲食店向けおよび家庭向けレシピを開発し、現地の飲食店や小売店を中心にそのレシピを使ったメニューの提供機会を創出するプロモーションを実施しました。

同感染症対策の各種規制が行われる厳しい市場環境ではありましたが、(1)メインビジュアルとレシピ動画の提供、(2)日本産米の美味しさを堪能できるレシピの開発、(3)飲食店・小売店とのタイアッププロモーション、(4)公式SNSとメディアタイアップでの情報発信を実施しました。

66店舗の現地飲食店・小売店にご協力いただいた結果、プロモーションの認知率は45.8%に達しました。また、広告を見た現地消費者のうち、47.2%の方が飲食店で日本産米を喫食し、50.3%が小売店で日本産のコメを購入し、43.0%の方が日本産コメを使った料理を実際に作ったという成果があり、香港での日本産米の消費拡大に貢献しました。

飲食店や家庭で体験できる日本産米の新たな味わい訴求

(1)メインビジュアルとレシピ動画の提供
日本産米の特長を印象づけるデザインとキャッチコピーを開発し、POPなどの販促素材に活用しました。
キャッチコピー「大自然的美味與極致匠心。日本米。軟糯甘香,圓潤亮澤,配搭和食,天作之合。 ※2」では、日本産米の特長である甘さ、香り、和の食材との相性の良さ、それらを下支えする日本の恵まれた自然や日本人の丁寧な仕事を伝えました。
※2日本語訳:自然と匠がつくった、日本だけのおいしさ。日本米。もっちり、ふっくら、つやつや、甘く香る。和の食材とぴったり、天与の相性。
(2)日本産米の美味しさを堪能できるレシピの開発
日本産米ならではの美味しさを味わえるメニューとして、香港で著名な日本料理研究家Kei san(ケイ サン)氏に監修いただき、本格志向のプロ向けと自宅で簡単に作れる家庭向けのレシピを開発しました。日本産3魚種と日本産米を組み合わせた「ホタテのバター醤油ご飯(帆立貝牛油醬油飯)」「ブリの炊き込みご飯(油甘魚炊飯)」「宇和島タイめし(宇和島鯛魚飯)」に加え、日本産の豚肉と日本産米を組み合わせた「豚生姜焼きのライスバーガー(豚肉生薑燒米漢堡)」の4種類のレシピを開発しました。
(3)飲食店・小売店とのタイアッププロモーション
JFOODOが開発した上記(2)のレシピに各店がアレンジを加えた日本産米の新メニューの販売、販売期間にあわせてメインビジュアルを活用したPOPを掲出するなどのタイアッププロモーションを、現地で人気の飲食店・小売店とともに実施しました。
(4)公式SNSとメディアタイアップでの情報発信
公式SNSおよび香港の有力メディアで、JFOODOが開発したレシピやタイアッププロモーションの情報を発信しました。グルメ系メディアのOpenRice、UFOODおよびライフスタイル系メディアのWeekend Weeklyとタイアップし、情報発信しました。

参加事業者から「日本産米商品の売上に繋がった」という声

以下、プロモーション実施店舗からの、本施策についてのご意見を紹介します。

「宇和島タイめしは日本のご当地メニューで、とても美味しいとお客様から好評をいただいた。香港人にとっては受け入れやすい料理だと感じた。(飲食店)」
「今回のタイアッププロモーションの実施によって、お客様に当店の食材(日本産米)へのこだわりを改めて伝えることができ、ブランドイメージの向上に良い影響を与えた。(飲食店チェーン)」
「タイアッププロモーションの実施により、顧客が店頭のPOPやデジタルサイネージに目を奪われて、高品質な日本産米を試してみるようになった。家庭で調理できる4つのレシピを提供したことで、日本産米商品の売上につながった。(大手量販店)」

現地消費者からも「日本産米を使った料理を家で試してみた」という声

日本産米について、プロモーション実施店舗に届いたお客様からの声を紹介します。

「香港では宇和島タイめしを提供している和食店が少ないため、新鮮に感じた。」
「高品質な日本産米と合う日本産食材を使った4種のレシピがあることを知り、日本産米を使った料理に興味がわき、食材を購入して家でレシピを試してみた。」
「ポスターの限定メニュー(宇和島タイめし)がとても美味しそうだったので注文した。」
「期間限定のホタテバター醬油ご飯がとても美味しかった。感染症対策の営業制限がなければもっと食べに行けたのに。」

Kei San(ケイ サン)氏
Kei Sanこと杉內馨氏は、香港在住36年の経験を活かし、流暢な広東語を用いて日本食や日本文化を紹介する料理研究家/食コラムニスト。香港のTV番組(料理、食べ歩き、旅行番組など)への出演や、新聞や雑誌のコラムで人気を集め、「日本料理達人」、「スターシェフ」と呼ばれています。
JFOODOとは
「日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)」は、2017年4月1日付で日本貿易振興機構(ジェトロ)に設置された日本産農林水産物・食品のブランディングのためにオールジャパンでの消費者向けプロモーションを担う組織です。日本の農林水産物・食品の輸出拡大のためには、海外での更なる需要創出が必要です。JFOODOは、海外消費者向けのプロモーション強化を通じて需要を喚起し、日本の農林水産物・輸出拡大に貢献してまいります。
担当部課
JFOODO 海外プロモーション事業課 渡邉、津村、藤原
Tel: 03-3582-8345 E-mail: JFB@jetro.go.jp