ベルギー・フランダース政府貿易投資局(FIT)とジェトロの覚書締結について ー双方のスタートアップ・エコシステムの連携強化で合意ー

2022年12月05日

ジェトロは、ベルギー・フランダース政府貿易投資局(Flanders Investment and Trade、以下「FIT」)と、本日、双方のスタートアップ・エコシステムの連携を強化し、日本およびフランダース地域のスタートアップのビジネス展開を共同で支援するための覚書を締結しました。今般、ベルギーからはコロナ後としては最大級となる600名規模の政府によるビジネス・ミッションが派遣されており、フランダース地域からもスタートアップを含め250名を超える参加者が来日しています。今回の覚書は、このビジネス・ミッションの一環として締結されたものです。

フランダース地域は、ベルギーの北部に位置し、人口およびGDPにおいて、ベルギー全体の6割を占める、経済の中心地です。同地域は、R&D・イノベーションの拠点として世界的な評価を獲得しており、半導体分野におけるimec、ライフサイエンス分野のVIBなど、世界的な研究機関が所在しています。また、産官学の連携を積極的に推進することで、新分野・技術に関する共同研究が進み、大学・研究所からのスピンアウトが多数輩出、そのビジネス展開を研究所・政府が支援することでスケールアップを果たすという好循環が生まれつつあります。

このようなフランダース地域の特性・優位性から派生した強固なエコシステムは、日本のスタートアップが欧州展開を目指す上で魅力的なものであるとともに、国際的なオープンイノベーションを志向する日本企業にとっても、新たなパートナーの発掘が期待されます。

上記のような背景に基づき、ジェトロとFITでは、今回の覚書を通じて、常時の情報交換や双方のエコシステム関係者とのネットワーキングに加え、双方の有望なスタートアップに対するアクセラレーション支援、関連事業の共同実施などに取り組んでいきます。

なお、今回の覚書の締結とタイミングを同じくして、BaaS(Blockchain as a Service)を提供するスタートアップ、SettleMintの日本進出が発表されました。同社は、2016年に設立され、インド、ドバイ、シンガポールに進出、2022年10月には、初回のベンチャーキャピタル投資であるシリーズAラウンドで1,600万EURの調達を達成しました。同社の技術は従来のフィンテック分野に留まらず、ロジスティクス、環境、国民ID制度(日本のマイナンバー制度に類するもの)など幅広い分野での活用が可能で、日本市場に対して大きな期待を寄せています。

SettleMintの日本進出にあたっては、ジェトロおよびFITが支援を提供しており、今後もこうした具体的案件の創出に向けて取り組んでいきます。

ジェトロ・ブリュッセル事務所(担当:安田、山田)
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