お知らせ・記者発表
大学生・大学院生とグローバル企業とのオンライン交流会「Career Discovery」初の合同開催
2022年01月04日
2021年11月26日、ジェトロは、日本国内の10大学以上の協力を得て、日本で活躍する外資系企業と日本で学ぶ学生との、初の合同オンライン交流会「Career Discovery」を開催しました。
イベントはzoomを利用して行われ、当日は、参加した28の外資系企業がそれぞれのブレイクアウトルームで20分間×6回の交流セッションを行いました。グローバルなキャリアを考える約600名の日本人学生や留学生が希望する企業を訪問することで、活発な交流が行われました。
ジェトロでは、学生が参加企業との交流を通して、外資系企業に対する理解を深め、キャリアの選択肢を広げるための情報提供を目的として、これまで外資系企業と学生の交流会を東工大、東京大、東北大とそれぞれ単独で開催してきました。今年度は、ジェトロが包括的連携協定を締結したスーパーグローバル大学創生支援選定大学を中心に、地方創生の観点やグローバル人材の多さなどを踏まえ、対象大学を10大学以上に拡充しました。これにより外資系企業のグローバル人材獲得難という課題の低減を目指す意図もあります。
- 後援(順不同)
- 国際教養大学、筑波大学、千葉大学、芝浦工業大学、東京工業大学、関西学院大学、広島大学
- 協力(順不同)
- 北海道大学、東北大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学
株式会社Discoによる「大学の就職・キャリア支援活動に関する調査」(※1)によると、2022 年卒者の求人に関する企業によるオンラインを含めた大学への来訪数について、約6割の大学が前年度比で「減っている」と回答しています(57.1%)。長期化するコロナ禍において、大都市圏を中心に大学への入構制限などもあり、多くの企業が大学との接点のもち方に難しさを感じており、同時に大学のキャリアセンターも学生のキャリア形成の把握と支援に困難を抱えているという実態があります。
他方、DXの推進やビッグデータ解析、AI活用などが多くの企業で喫緊の課題となる中、理系の留学生が日本の人材不足を補完する貴重なリソースとして近年採用が活発化していたなか、出入国在留管理庁によると、留学生の新規入国者が、コロナ禍前の2019年に通年で121,637人であったところ、2020年は通年で49,748人と大幅に減少しており(※2)、人材不足に対する危機感が高まっています。
そのような背景のなか、今回の「Career Discovery」には、アップル(米国)、ボッシュ(ドイツ)、ケンブリッジ・コンサルタンツ(英国)、エリクソン(スウェーデン)、ウォルト(フィンランド)、サティヤムベンチャーエンジニアリングサービス(インド)、スワット・モビリティ(シンガポール)、フーズコール(台湾)など、日本に拠点を持つ外資系企業が参加し、約2時間半にわたって、高い志をもつ全国の大学生・大学院生と熱心に情報・意見交換を行いました。
オンラインでの実施により、学生・外資系企業ともに遠隔地からの参加者が増え、いずれも過去最多となる企業および学生にご参加いただきました。参加した外資系企業からは「興味を持ってくれた学生と出会うことができた」「留学生がとても積極的に話を聞き質問をしていたのが印象的だった」「学部から博士課程にかけて、求めている研究分野に取り組んでいる様々な学生と会えた」「ブランディングのためにも、学生がどんな疑問を持っているのかを知るためにも有益だった」「各セッションがもっと長ければ良かった」などの感想が寄せられました。
また、大学生・大学院生からは「有力なグローバル企業の様々な人たちと交流し、それぞれのビジネスについての洞察を得ることができた」「関心のある分野の最先端の話を聞くことができた」「ほとんど知る機会がなかった外資系企業の担当者から会社紹介を聞けることに加えて、その場で直接質問できて良かった」「各外資系企業がどのような仕事をしているのか理解を深めることができ、自分の関心やスキルと企業のニーズを比較できた」「多種多様な企業から話が聞け、英語ができる人材の希少性について理解でき、英語学習のモチベーションにもつながった」「各参加企業の雰囲気がブレイクアウトルームでの会話で伝わり、どういった企業文化を持っているのかを知れる良い機会となった」などの声がありました。
今後もジェトロでは、各地の大学生・大学院生と外資系企業とをつなげる試みを通して、外資系企業の日本事業拡大支援および高度な専門性を身につけた人材のキャリア形成支援と、多様性の深化による地域のイノベーション創出を進めてまいります。
-
ジェトロ外国企業支援課
Email: jad@jetro.go.jp