見本市レポート MEDICA2014

世界最大の医療機器見本市

ジェトロ参加報告

ドイツ・デュッセルドルフ
2014年11月12日~15日

会場風景

医療分野における世界最大規模の見本市「MEDICA2014」が、2014年11月12日~15日、ドイツ・デュッセルドルフで開催された。併催された医療機器資材・部品展「COMPAMED2014」とあわせ、世界120カ国・地域から約13万人が来場した。

世界の医療業界の「今」を知る

「MEDICA2014」は、1969年より開催され今回で46回目を迎える。世界で最大の医療機器見本市で、医療関連技術・サービスに係る事業者や病院関係者・医師が一同に会する。出展社数は、5,000社以上に及び、17つのホールは、国際館と製品の分野別に分かれており、バイヤーはターゲットを絞ってブースを訪問することができる。
本見本市は決定権をもつバイヤーが来場者全体の70%と多いため、他の見本市と比べて会期中に商談・成約成立がしやすい。また特定のバイヤーが毎年来場するので、連続して出展することで関係を築き、成果を得やすい見本市でもある。一方、通りがかりのバイヤーと商談するチャンスは少なく、事前にバイヤーにアポイントを取ることが出展成功の秘訣と言える。また、セミナーやカンファレンスが開催される等、商談以外に出展者とバイヤーのコミュニケーションも盛んで、情報収集の場としても活用されている。バイヤーのうち半数以上がドイツ以外の国・地域から来訪しており、世界中の医療関係者が最も重要視している見本市といえる。

存在感を示す日本企業

製品分野別ホールには大手企業が巨大ブースを構え、国際館には神戸市や単独出展をする日本企業が集まり、日本の存在感をアピールした。ジェトロが組織したジャパン・パビリオンは国際館に位置し、アメリカ・カナダ・イスラエルのパビリオンと軒を並べた。今回で6回目となるジャパン・パビリオンは、22社29小間で構成され、会期中は高品質な日本製品を求める多くのバイヤーが訪れた。ジャパン・パビリオンの商談成果は、商談件数1,993件、成約件数(見込含む)196件、成約金額(見込含)は5億円以上となった。ジャパン・パビリオンに3回連続の出展となる、出血を抑え、痛みを感じさせにくい極細注射針を出品した企業は、「製品分野別ホールに出展も検討したが、価格競争では中国・韓国の企業に勝てない。ジャパン・パビリオンに出展することによって、ジャパン・クオリティーを求めているバイヤーに出会い、質の高い商談ができる」とのコメント。
一方、医療機器製造に必要な部材・加工技術を対象とする併催展「COMPAMED2014」には、福島県をはじめとする地方自治体がブースを構えた。年々日本の出展企業数は増加傾向にあり、今年は54社(前年比約50%増)が出展した。前回福島県はMEDICAに出展していたが、今年はCOMPAMEDへ出展し、活発な商談を行っていた。部材や加工技術における日本の高い技術力が、今後注目を浴びそうだ。

トレンドは予防医学分野

先進国を中心に高齢化が進んでおり、2050年には世界人口の5人に1人が60歳以上になると予想され、(※注1)健康的に長生きするためのニーズが高まりつつある。この傾向を受け、ホール4・5の整形外科、物理療法分野では、特にフィットネス・リハビリ関連器具など予防医学関連製品が人気を博した。また、「世界的な富裕層の増加を見込んで、医療分野の技術を応用し、美容分野への商品開発を進めている」という企業もあり、今後美容市場の拡大も予想される。医療関連市場調査という意味でも、本見本市参加の意義は大きい。MEDICA2015は、次回は2015年11月16日~19日の4日間に渡り、開催予定である。

(元海外見本市課 安達由佳)

見本市データ
見本市名 MEDICA2014外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
開催期間 2014年11月12日(水曜)~15日(土曜)
10時30分~18時30分※最終日のみ17時00分まで
初回開催年/開催頻度 1969年/年1回
開催場所 デュッセルドルフ見本市センター(Messe Duesseldorf)
出展商品内容 電子医療装置・機器、実験・研究装置、救助および救急装置、診断機、診断薬、整形外科、病院用備品、IT関連、衣料品、医療家具および装置、サービス、出版
出展者数 5,555社※国・地域数未発表
[内訳]
MEDICA:4,831社(うち日本企業87社)
COMPAMED:724社(うち日本企業53社)
来場者数 約13万人(120ヶ国・地域)
入場料 有料、現地購入価格:50ユーロ/1日、100ユーロ/4日間
日本窓口での事前販売:3,200円/1日
※ビジネス関係者に限る
主催者名 Messe Duesseldorf GmbH
(日本代表部:株式会社メッセ・デュッセルドルフ・ジャパン)
事務局連絡先 株式会社メッセ・デュッセルドルフ・ジャパン
担当:服部
TEL:03-5210-9951
FAX:03-5210-9959
E-mail:mdj@messe-dus.co.jp

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