見本市レポート 国際コンシューマ・エレクトロニクス展(IFA2014)

家電・民生用電子機器のイノベーションを模索する見本市

ジェトロ参加報告

ドイツ・ベルリン
2014年9月5日~10日

会場風景

International CES(ラスベガス・毎年1月開催)と並ぶ世界最大規模の家電・民生用電子機器見本市であるIFA2014が9月5日~10日、ベルリンの国際見本市会場メッセ・ベルリンにて開催された。6日間で延べ240,000人が来場し、42億ユーロ以上の商談が成立した。

ドイツで最も伝統ある産業見本市

大ドイツ国際放送展 (Internationale Funkausstellung Berlin) と呼ばれた第一回から、90周年を迎えるIFAは、ドイツで最も伝統のある産業見本市の一つであり、1930年にアルバート・アインシュタインがスピーチを行ったことでも知られている。
2014年9月5日から10日までの6日間、メッセ・ベルリンで開催されたIFA2014は、新築された国際会議場「シティー・キューブ・ベルリン」を展示会場として利用した初の見本市となった。シティー・キューブの会議スペースは、二日間にわたり開催された「IFA+サミット」の会場となり、展示スペースは大手韓国メーカーがほぼ独占利用した。

会場面積は14万9500平方メートルと昨年よりも3%増加し、約24万人の来場者が、約1,500もの出展者のブースを訪れ、商談成約は42.5億ユーロに上った。
従来、白物家電とホームエレクトロニクスで会場を分割してきたため、両方のカテゴリーを扱う企業からは改善を求められていたが、今回は白物家電を含めた家庭内のネットワーク化をアピールする展示が可能となり、多くのブースでこれが試みられて好評を博していた。

日本の家電、電子産業も健闘

日本勢では大手家電メーカーが大規模なブースを展開した。ある企業は、最新のハイレゾ・オーディオ、4Kテレビとスマートフォンの新機種との連携、ウェアラブル・デバイスやゲーム機の展示で来場者の関心を集めていた。その他、前回に引き続き、キッチンスタジオを設営してクッキングショーで調理家電をアピールする企業もあり、盛況であった。こうした日本企業のブース展開からは、多くの日本ブランドが勢いを取り戻しつつあることが感じられた。
一方、韓国大手企業が最大の出展規模を誇り、事前に招待した関係者向けに8K有機液晶テレビの試作機の展示を行うなど技術力を誇示していた。
また、スマートフォンの保護シートやケースなどを扱っているような中小の企業も、欧州のみならず、アジアからも積極的に出展しているのが印象的だった。出展した多くの企業が会期中にプレスコンファレンスを開催して新製品の発表を行うため、メディアの注目度も高く、日本からも大手日刊紙、専門メディア、NHKをはじめとするテレビ取材陣がプレコンをカバーすべくベルリン入りした。

市場と技術のトレンドを発信

聴講料が599ユーロ(約8万2,600円)と高額だが、今回初めて企画された「IFA+サミット」は、モビリティ、デザイン、ホーム、ビッグ・データ、エンターテイメント、健康の6分野の動向について産学界の第一人者による専門家向けの講演が行われた。また、新技術を紹介するオープンカンファレンスであるテック・ウォッチの会場では、8日までの4日間にわたり、スタートアップ企業の創業者や工科系の大学、研究機関から新しい技術に関するプレゼンテーションが行われたのに加え、創業支援団体が起業についてのセッションを開催した。メッセ・ベルリン関係者は、技術力でリードする日本からもテック・ウォッチへの参加を期待するとのコメントが寄せられた。
9月5日の開会式では、ブリジット・ツィプリース連邦経済・エネルギー政務次官、ベルリン市のクラウス・ボーベライト市長も出席。ツィプリース次官は、スマートホーム技術による省エネルギーの実現に期待を寄せ、先月閣議決定したばかりの「デジタル・アジェンダ2014-2017」を引用し、「生活面のデジタル化の促進と情報セキュリティー技術の分野で、ドイツ企業にチャンスが到来している」と述べた。
次回のIFAは、2015年9月4日(金曜)~9日(水曜)、同じく6日間の会期で開催される。

写真提供:Messe Berlin

(ベルリン事務所 木本裕司)

見本市データ
見本市名 国際コンシューマ・エレクトロニクス展(IFA)2014外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
(IFA 2014, the global trade show for consumer electronics and home appliances)
開催期間 2014年9月5日(金曜)~10日(水曜)、10時00分~18時00分
初回開催年/開催頻度 1924年/2005年から年1回
開催場所 メッセ・ベルリン
出展商品内容 家電、民生用電子機器
出展者数 1,538社(47カ国・地域)
来場者数 240,000人(速報)
入場料 47ユーロ(一日)、69ユーロ(2日)、599ユーロ(IFAサミット、通し券)
(いずれも会場窓口価格)
主催者名 メッセ・ベルリン(Messe Berlin GmbH)、gfu (Gesellschaft ffs Unterhaltungs- und Kommunikationselektronik, gfu mbH: AV・通信エレクトロニクス団体)
事務局連絡先 メッセ・ベルリン日本代表部
Tel:03-5276-8729
Fax:03-5276-8735
E-mail:info@messe-berlin.jp

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