見本市レポート 第15回 ガストロ・ビジョン

ホテル、レストラン向け食材、調理什器等見本市

ドイツ・ハンブルグ
2014年3月14日~18日

会場風景

飲食関連のプロが集まるガストロ・ビジョンは、ドイツ・ハンブルクで第15回目を迎えた。今回のテーマは、「企業の長期的成功の要因。その現在と未来」であり、会場ではトレンドとなっているヴィーガン(菜食)料理の現状、すなわち、環境調和型の飲食ビジネスならびに創意工夫に富んだ調理法や盛り付けなどに焦点が当てられた。

日本食品メーカーのスパイス分野への可能性

ガストロ・ビジョンは主催者から招待されたホテル、レストランなどの飲食業界の選りすぐりのプロのみが来場できる見本市である。5日間にわたって開催された見本市のハイライトは、トップシェフ、バーテンダーやパティシエが日替わりでライブパフォーマンスを実施する差し渡し12メートルの特設キッチンを利用した「ステージ・オブ・テイスト」である。今まで味わったことのないテイストのハーブとスパイスのパフォーマンスに来場者の関心が集まった。

例えばベルリーナー・コッホボックスのシェフは「モミの木の葉と樹皮がスープに適していること」、「ドイツ・ハンブルクのエルベ河河口の砂を利用して、パスタに塩と海の風味を与えられること」を観客に示して見せた。日本の食品メーカーにとってはハーブやスパイスの分野で参入できる可能性がありそうだ。日本の食材はまだヨーロッパでは珍しいため、新奇な食材を求める多くの高級レストランを開拓できる可能性がある。現在、出展者の多くはドイツ語圏からであるが、出品されている食材は世界各国から調達されている。その中には日本由来の食材もあり、オーストラリア産和牛、抹茶製品、海苔のふりかけなどがみられた。
出展者に対するジェトロのインタビューでは、抹茶やヨーロッパでまだあまり知られていない柚子、カボスなどの果物などに対して高い関心が示された。特にソース、ドレッシング、高級なトッピングを出品している出展者は、常に新しいフレーバーを求めており、まだヨーロッパでは普及していない隠れた和の食材の情報に対して非常に強い関心を持っている。この見本市はトップレベルのホテル関係者と飲食店が参加していることもあり、出展者は高品質の日本産食品には相応の価格でも十分関心があると述べていた。

日本の焼酎が新たな「食」を創る

特設キッチンでは、ドイツで肥育された和牛種の牛肉や焼酎も紹介された。季節のカクテルやロングドリンクにあう和食の提案が多くなされた。酒類の専門家であるユルゲン・ダイベル氏はオリジナルカクテルを紹介した。その中でも焼酎をベースとしたカクテルに挑戦している。今後、さらに焼酎との関わりを深めて日本の焼酎の蔵元を訪問することも計画している。
特設キッチンのコースメニューの最後は、芸術的なデザートのパティシエのワルター氏と月桂樹を使ったシャーベットやアーティチョークをあしらったアイスクリームという風変わりなデザートを提案した三ツ星パティシエのアンディ・フォルブッシュ氏の競演となった。
「料理・酒・デザートによる組み合わせを提示することによって、創造力が来場者の食ビジネスの更なる収益につながることを示すことができた。」と主催者代表クラウス・クリシェ氏は今年度のガストロビジョンを総括して我々に語った。

環境調和型をアピール

ガストロビジョンの中心的なテーマは、環境調和型の地産地消食品であった。食物は生きており、食材となる生物もその生存が尊重される。これが自然食品エリアの出展者のメッセージであった。このエリアでは農家と生産者が動物愛護のEU基準に適合した飼育、処分の重要性、商品価値をアピールしていた。
ガストロビジョンの創設者で主催者のクリシェ氏は「15回の節目となる見本市の成功は、ガストロビジョンがホテル関係者、飲食業、ケータリング業界にとって重要なイベントとして認知されていたことから証明されている。業界トップ達からの注目とプレミアム感のある会場の雰囲気はこの成功をより一層価値の高いものにしている。近年は、海外でも徐々にガストロビジョンが評価され、来場者に国際的な情報を提供できていることを非常に喜ばしく思っている」と、今見本市に対しての満足を表した。次回のガストロビジョン2015は、今回と変わらずハンブルクのエンパイア・リバーサイドホテルで2015年3月13日から5日間開催される予定。

(ベルリン事務所 バザラ カトリン)

見本市データ
見本市名 Gastro Vision 2014外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
開催期間 2014年3月14日(金曜)~18日(火曜)
14時00分~21時00分
初回開催年/開催頻度 1999年/年1回
(見本市Internorga内で、ホテル経営者のための国際専門見本市、ケータリング見本市、パン製造業/菓子製造業見本市と同時開催)
開催場所 Empire Riverside Hotel
(住所:Bernhara-Nocht-Strasse97, 20359 Hamburg)
出展商品内容 食品、飲料、調理設備、食器類(ホテルならびに飲食店用)
出展者数 120社
来場者数 3000人の招待者
(エキスパートならびに高級志向のホテル、飲食店、ケータリング業者の経営責任者)
入場料 主催者によって招待された者のみ入場可能
主催者名 ガストロ・ビジョン (Gastro Vison GmbH & Co .KG)
事務局連絡先 Gastro Vision GmbH & Co. KG
Sergio Dias
Porgesring 11, 22113 Hamburg
TEL:+49 (0)40 547 50 75 -33
FAX:+49 (0)40 547 50 75 -389
E-mail:info@gastro-vision.com

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