見本市レポート WIN Automation 2015

トルコ製造業に日本製自動化装置を売り込む

トルコ・イスタンブール
2015年3月19日(木曜)~22日(日曜)

WIN Automation 2015

トルコ・イスタンブールでは、「WIN(World of Industry)」の名称で、自動化装置を中心とする「WIN Automation」と、金属加工を中心とする「WIN Metal Working」の2つの機械分野展示会が交互に開催されている。3月に開催された「WIN Automation 2015」は、自動化装置、電子機器、油圧・空圧機器、搬送機械・物流の4つの展示会から構成されており、来場者はすべての展示会場を自由に行き来することができる。そのため、工場のオーナーが自動化に向けた設備投資を検討する際、幅広い製品を一度で見られる展示会として注目を集めている。

ドイツ企業の存在感が大きい

来場者の多くはトルコ人ビジネスマンであり、展示スペースの半分以上はトルコの製造業に売り込みをかけたい外資系メーカーで占められた。海外出展企業はドイツ、米国、中国、韓国、日本など21カ国1,581社(うち日本企業13社)にのぼり、特にドイツ・パビリオンには22社が出展し、会場内でもドイツ企業の存在感が目立った。ドイツ機械工業連盟Ms. Ann-Catrin Rehermann氏は開会式で、「昨年、ドイツからトルコへの機械分野の輸出は、中東諸国やロシアなど周辺国の経済が悪化したことで減少した。だが一方で、油圧・空圧機器の輸出は増加したように、潜在的ニーズの高さは変わらない」と、本展示会への期待を述べた。

会場風景

日本企業の自動化装置、計測機器が関心を集める

今回の展示会で、最も賑わいを見せていたのが、正面入り口近くに設置された自動化装置のエリアであった。大手の日本企業ブースは、産業用ロボットのデモや最新のFA機器を見ようとする来場者で混み合い、活発な商談が行われていた。2015年3月時点で、トルコの経済成長率は低い水準で推移していたものの、多くの企業から「金属加工、木材加工機械メーカーの業績は堅調であり、自動化関連製品の販売は好調」との声が聞かれた。
電子機器の展示は多くなかったものの、日本企業の電子計測器が現地代理店のブースで紹介されていた。ある現地代理店は、「付加価値の高い製品を求めるバイヤーは、特に日本製を好む」と述べた。ジェトロと大阪府が設置したパビリオンには、計測・分析機器メーカー4社が出展し、地震測定装置や、工場内を監視するセーフティレーザスキャナなど、日本国内で豊富な実績を有する「安心・安全」の技術が注目を集めていた。出展企業からは「パビリオンを訪れた来場者には、大学関係者も多かった」との声も聞かれ、工場以外への販路拡大にも期待を寄せていた。

会場風景

周辺国市場への窓口

もう一つの注目分野は搬送機器であり、中でも、日系企業が不在の中、欧米系フォークリフトメーカーが屋内外向けの製品を展示し、熱心な売り込みを行っていた。「WIN Automation 2015」は、イラク、イエメン、チュニジア、ヨルダン、パレスチナなど周辺国・地域からの視察団を積極的に受け入れている。搬送機器メーカーの中には本展示会を中東地域への窓口として位置づけている企業もあり、欧米企業の本展示会を通じての中東へのアプローチに対する熱意が感じられた。

(機械・環境産業企画課 福山豊和)

見本市データ
見本市名 トルコ総合機械見本市 2015
WIN Automation 2015
開催期間 2015年3月19日(木曜)~22日(日曜)
10:00~18:30(最終日は17:30まで)
初回開催年/開催頻度 2001年/年1回
※前身のAESから名称変更後の初回開催年
開催場所 TUYAP Fair Convention and Congress Center
出展商品内容 自動化、油圧・空圧機器、マテリアルハンドリング、電子・電気
出展者数 1,581社(21カ国・地域)、うち日本企業13社
来場者数 77,244人(国・地域数は未発表)(前回)
入場料 無料(会場で入場登録が必要)
主催者 ハノーバーフェアーズ・トルコ/Hannover Fairs Turkey
TEL:+90 212 334 69 00
FAX:+90 212 334 69 34
E-mail:info@hf-turkey.com