見本市レポート MTA VIETNAM 2017

ベトナム最大級の総合機械展示会

ジェトロ参加報告

ベトナム・ホーチミン
2017年7月4日(火曜)~7日(金曜)

人で賑わうジャパン・パビリオンの様子

輸出・進出先として益々人気の高まるベトナム。同国最大級の機械総合展示会「MTA VIETNAM 2017」が7月4日~7日にかけてホーチミンで開催された。今回で11回目の出展となるジャパン・パビリオンには過去最多の29社が参加し、ベトナム企業との商談は活況を呈した。

他国も注目―機械総合分野のベトナム市場開拓の場

外資企業との取引、製品・技術を求めてベトナム人が来場する。出展企業の7割が外資企業、来場者の9割はベトナム人。それが本展示会の特徴だ。韓国、台湾、シンガポール、ドイツなどの各国パビリオンを含め、23か国・地域の企業がブースを設けてベトナム市場における販路開拓を目指す。展示会全体の規模は年々拡大しており、今年新設されたホールも含め、出展社は425社(昨年416社)であった。ベトナム企業との商談はもちろん、ベトナムに進出する外資出展企業との商談も見逃せない商機といえる。

ガラス張りが特徴的な展示会場の外観(SECC)

現地販売代理店との協力で、より効果的な出展を

現地に進出する大手日系企業の担当者は、「地場企業と取引をするなら日本製の設備を整えているところが良い。少なくともそういう姿勢を持っているところにお願いしたい。」という。日系企業との取引を希望する地場企業は、「日本品質」を求めているため、日本製の設備・機械を導入する意欲が増しているそうだ。「うちは日本製の設備しか購入しない」とアピールする地場企業も登場するくらいである。このような状況を背景として、日本製品の取り扱いを希望する現地販売代理店は多い。本展示会にも多数来場するため、新規販売代理店の発掘には格好の場といえる。
すでに現地販売代理店を持つ日本企業も増えている。今回、販売代理店との共同出展により出展をさらに効果的にしている企業が多く目立った。ベトナムでは英語が通じないことも多い。販売代理店のベトナム人スタッフとともにブースに立てば、ベトナム語で接客できるだけでなく、ベトナム人スタッフの製品への理解も深まり、現地窓口もその場で紹介できる。一部の企業では、展示会前にあらかじめ現地販売代理店を発掘して、共同出展していた。今後出展を検討している方にはぜひ参考にしてほしい。

ジャパン・ブースの前で行われている商談の様子

先端技術への関心は高いが、実用的な導入には遠いか

主催者は「3Dプリンティング技術」「鍛造技術」「計測技術」の3つに焦点をあてたTech Toursを開催していた。また、「インダストリー4.0」をテーマとしたセミナーが開催され、多くの参加者を集め活況であった。ベトナムでも先端技術への注目は高いといえる。
しかし実際の展示では、日本の展示会で見られるような、「スマートファクトリー」や「IoT」などをテーマに掲げる企業はかなり少数にとどまっていた。出展者によると、「IoTを使ったシステムの話は関心を持って聞いてくれるが、引き合いはほとんどない」とのことであった。現段階においてはIoTなどの積極的な導入には至っていないが、将来的には先端技術を取り入れるところも増えるだろう。

人で賑わうジャパン・パビリオンの様子

ものづくり産業課 清水 沙紀

見本市データ
見本市名 第15回MTAベトナム2017
MTA VIETNAM 2017
開催期間 2017年7月4日(火曜)~7日(金曜)
9時00分~17時00分
初回開催年/開催頻度 2005年/年1回
開催場所 Saigon Exhibition & Convention Center (SECC)
出展商品内容 工作機械、金属加工、精密機械、溶接テクノロジー、測定器他
出展者数 425社・団体(23カ国・地域)
来場者数 1万398人(30カ国・地域)
入場料 無料(ビジネスパーソンのみ、WEBより事前入手可)
主催者 Organizer: UBM
Local Organizer: SES Vietnam Exhibition Services Company Limited
事務局連絡先 株式会社イーエムエス/EMS Inc.(日本代理店)
Tel:+81-(0)3-6751-0090
E-mail:callems@world.odn.ne.jp