見本市レポート InnoTrans 2016

InnoTrans初日の9月20日にUNIFE（欧州鉄道産業連盟）が発表した「世界鉄道市場調査（第6版）」によると、世界の鉄道関連市場は、2015年に1,600億ユーロ（18.6兆円、1ユーロ＝116.24円）近くとなった。また、今後も年平均2.6％拡大し、2021年には1,850億ユーロに達する成長マーケットだという。成長する海外市場に向けて展開を試みる日本企業にとって、世界中の鉄道事業者、サプライヤーが来場するInnoTransは貴重な商談の場といえる。
InnoTransには、JORSA(日本鉄道システム輸出組合)がオーガナイズした共同パビリオンに組合企業12社に加え、鉄道総研、東京メトロの計14社が日本から出展した。さらに、日立製作所、川崎重工業、東芝、富士電機、古河電池、日立ニコトランスミッション、JR東日本、総合車両製作所、IHI、日立金属などが個別出展ブースを構えた。
故障や遅延が少ない日本の定時運行を支える、運行管理システムや信号技術などに外国企業からの関心が高まっており、会期中、日本企業の出展ブースは来場者で賑わっていた。特に、IoTを活用したシステムに対して注目が集まり、今後もこのトレンドは続くとみられる。

会期3日目の9月22日にはジェトロの主催による「ポーランドセミナー」が開催された。本セミナーでは、ポーランドから招へいした政府関係者と鉄道分野の専門家が、日本企業を対象に、現地における鉄道更新計画、新規入札情報を含めた鉄道分野の市場情報を紹介した。参加を希望する企業でセミナールームが満席となるなど、成長マーケットとしてのポーランド鉄道市場に対する注目度の高さが伺えた。
鉄道市場の拡大とともに、世界中の鉄道業界関係者が一堂に会するInnoTransの重要性は益々高まりそうだ。
次回のInnoTransは2018年9月18日～21日、同じくメッセ・ベルリンで開催される。