見本市レポート Tecno Fidta

アルゼンチン最大の食品関連技術見本市

アルゼンチン・ブエノスアイレス
2018年9月18日(火曜)~21日(金曜)

Tecno Fidta ポスターと入口の様子 © Messe Frankfurt Argentina

アルゼンチン・ブエノスアイレスで2018年9月18日~21日、食品関連技術見本市「Tecno Fidta」が開催された。14回目を迎えた今年は、12カ国・地域から160社が出展し、約1万300人が来場した。

ラテンアメリカのゲートウェイとしての見本市

アルゼンチンは、世界の主要食糧生産国であり、輸出国でもある。同国で生産された食糧は、五大陸の市場で販売されており、2017年の輸出額は373億2,800万ドルに達した。一方、アルゼンチンの食品産業は、輸入品の食品関連機器や設備に依存しているといえる。2017年の食品関連機器の輸入額は約1億6,400万米ドル※であり、輸出額は約2,200万米ドル※にとどまっている。
Tecno Fidtaの出品者には、食品加工機械や包装機械等を扱う欧米企業が多く見られた。アルゼンチンを拠点に、ウルグアイ、コロンビア、チリ、ブラジル等ともビジネスを進めているという。主催者発表によると、出品者はこのような近隣諸国からの来場者が見込める点を評価し、本見本市をラテンアメリカ市場開拓において重要であると位置づけている。

賑わう会場の様子 © Messe Frankfurt Argentina

※NCMコード:8417.20、8433.60、8434.20、8434.90、8435、8436.29、8437、8438、8479.20の合計

新たな技術や知識の普及、ビジネス創出の場を提供

主催者は、Tecno Fidtaを「食品産業全体、特に中小企業に対してビジネス空間を生み出し、幅広い機会を提供する場」であるとしている。最新製品やサービスの紹介にとどまらず、主催者団体による食品における付加価値、品質、ICTに関するセミナーの開催や、出品者による各社の技術に関するプレゼンテーションの実施など、学術活動を通した新しい知識の生成と普及を促進するための取り組みも行った。
また、新たなビジネスの創出を目的とし、パラグアイ、ウルグアイ、ボリビアからバイヤーを招へいし、中小企業の出品者とのビジネスマッチングも開催された。主催者によると、前回(2016年)比40%増の113件の商談が行われた。

継続出展による顧客との関係構築の場として活用

出品者にヒアリングを行ったところ、多くの企業が継続的に同見本市に出展していることが分かった。主な目的は、既存顧客との関係構築だという。そのほか、潜在顧客の発掘や競合他社の情報収集、新規商品の紹介の場として活用しているとのことだった。 また、見本市が開催された9月は、米国の利上げやトルコ通貨危機などの影響でアルゼンチンの自国通貨が大幅に下落した直後であった。ヒアリングを行ったほとんどの企業が製品を輸入して販売しているために、ペソ下落による影響を大きく受けているとのコメントがあった一方、経済状況に関わらず長年にわたりアルゼンチンでのビジネスの経験がある企業が多く、次回もまた継続して出展したいと意欲を示していた。

次回Tecno Fidtaは、2020年9月15日から18日にCosta Salguero Center にて開催予定だ。

ブエノスアイレス事務所 髙橋 栞里

見本市データ
見本市名 Tecno Fidta
14th International Food Technology, Additives and Ingredients Trade Fair
開催期間 2018年9月18日(火曜)~21日(金曜)
14時00分~20時00分
開催場所 Costa Salguero Center
出展商品内容 食品加工機械、包装機械、食品添加物、原料など
出展者数 160社(12カ国・地域)
来場者数 1万305人
入場料 無料
主催者 Messe Frankfurt Argentina
事務局連絡先 Messe Frankfurt Argentina
Tel:+54-11-4514-1400
E-mail:tecnofidta@argentina.messefrankfurt.com