見本市レポート Summer Fancy Food Show 2015

高級食材が揃う米国最大級の国際総合食品見本市

ジェトロ参加報告

米国・ニューヨーク
2015年6月28日(日曜)~30日(火曜)

会場風景

世界の情報発信地ニューヨークで開催される「Summer Fancy Food Show」への出展は世界中への宣伝効果が期待できるため、世界各国・地域から様々な食材が集結する。6月28~30日に開催された本見本市には、50ヵ国から2,600社が出展。その中でジェトロ運営のジャパン・パビリオンには17社・団体が出展し、活発な商談を行った。

米国内パートナーが商談成功の鍵

小売業者の来場が多い本見本市では、出展者がバイヤーに対して米国内のパートナー(ディストリビューター等)を紹介できることが商談成功の鍵となる。ジャパン・パビリオンに出展した16社のうち14社が米国法人、または米国内にパートナーを有しており、ディストリビューター等を紹介できたことが成約につながっていた。商品のラインナップの良さも奏功し、同パビリオンの成約総額は前年比10倍以上に達した。

東西で異なる米国内の日本食品の浸透具合

どら焼きなど、餡を使った和菓子類が米国西海岸側では比較的流通しているのに対し、東海岸側ではまだ受け入れる市場が限定されているなど、同国内での日本食品の浸透・定着具合に東西で差を感じている日本企業は少なくない。ジャパン・パビリオンを訪れる来場者についても、西海岸側の見本市では日系バイヤーが多く、東海岸側では非日系バイヤーが大多数を占めており、東西の浸透具合にも影響を与えていると考えられる。そのような状況下において、本見本市出展は東海岸側市場参入・販路拡大の絶好の機会と捉えられている。

会場風景

現地ニーズへの理解と対応策

米国東海岸側市場へのアプローチの為には、西海岸側以上に現地ニーズに合わせた商品開発や現地消費者向けの「使い方の提案」がより一層重要になる。例えば、大福の餡の替わりにアイスクリームを詰めたデザートは、西海岸側だけでなく東海岸側でも既に人気の商品となっており、日本食レストランのデザートの定番になっている。ジャパン・パビリオンでも、甘味とフレーバーを加えた緑茶の試飲や、飲用酢を使ったカクテル・調味料のレシピ提案など、米国の食生活、味覚にマッチさせた商品の売り込みを行なっている出展者が複数あった。ゴマ、茶、昆布、グルテンフリー調味料、胡麻油など、米国で関心の高い健康関連食品にも多くの引き合いがあった。
また、本見本市は小売業のバイヤーが多く来場する為、パッケージ(サイズ、デザイン等)も商談結果を左右するポイントの一つである。会場内には、ギフト用をはじめとしたパッケージにこだわった商品が数多く展示されていた。

会場風景

あわせて、取得認証のマークをブースに掲示するなど、意識の高い出展者が多かったことも特徴的であった。バイヤーによっては原材料のトレーサビリティや米国内における各種規制への対応を求める場面も見られ、商品の安全性や付加価値が重視されていると思われる。2011年に成立した米国食品安全強化法(FSMA)は、2015~2016年にかけて最終化し、順次適用される予定となっている。今後は、米国で販売される食品の製造企業等に危害の未然予防管理や輸入品には輸入業者のモニタリングが義務付けられることになる見通しである。米国市場への新規参入・販路拡大を目指す企業にとっては十分注意したいポイントだ。

(水産品支援課 宇野文子)

見本市データ
見本市名 Summer Fancy Food Show 2015
開催期間 2015年6月28日(日曜)~30日(火曜)
10:00~17:00(最終日は16:00まで)
初回開催年/開催頻度 1954年/年1回開催
開催場所 ニューヨーク・Jacob Javits Convention Center
出展商品内容 食品、飲料、菓子、果実、調味料、水、健康・自然食品、ギフト用特製品等
出展者数 2,600社・団体(50ヵ国)
来場者数 23,000人
入場料 有料(ビジネスパーソンのみ入場可能)
※事前登録・当日購入いずれの方法でも入手可能。事前登録の時期によって料金が異なる場合がある為、主催者ウェブサイトを確認すること。
主催者 Specialty Food Association
Tel:+1-646-878-0301