見本市レポート MTA VIETNAM 2016

注目が集まるベトナム最大級の総合機械展示会

ジェトロ参加報告

ベトナム・ホーチミン
2016年7月5日(火曜)~8日(金曜)

MTA VIETNAM 2016 会場風景

TPP加盟によりますます注目されるベトナム。同国最大級の機械総合展示会「MTAベトナム」が7月5日~8日にかけて、ホーチミンで開催された。今回で10回目の出展となるジャパン・パビリオンには過去最多の24社が参加し、ベトナム企業との商談は活況を呈した。

外資企業によるベトナム市場開拓の場

今回12回目の開催となったMTAベトナム2016は、外資系企業のベトナム市場開拓の場として活用されている。本展示会の出展者の7割は外資企業、来場者の9割はベトナム企業という特徴をもっており、今回も日本をはじめ、韓国、台湾、シンガポール、タイ、ドイツなど様々な国のパビリオンがひしめき合っていた。主催者によると、前回を大きく上回る24ヵ国から416社(前回は346社)が出展し、来場者も増加した。中でも目立ったのは韓国パビリオンで、国別では最も多い56社が出展し、会期中にはサムスン電子によるセミナーが開催されるなど、ベトナムでの存在感の高まりを示していた。

会場風景

ベトナム人スタッフの活用が成功のコツ

近年増えているベトナム人実習経験者を上手に活用する日系企業のブースから明るい声が聞こえた。日本での実習期間が終了した後にベトナム工場で採用したスタッフが、日本で身につけた技術力や品質に対する高い意識を背景に、ベトナム工場の生産力向上に貢献している。そのため、日本の国内工場に余裕が生まれ、量産品はベトナム工場が対応し、国内工場はハイスペックで超短納期製品などに集中できるようになった。「製品に幅ができただけでなく価格競争力や丁寧なサービスなど他社との差別化が図れた」と評価する声を聞くことができた。 営業面においても、ベトナム人スタッフが展示会のブースで営業することで、現地語で来場者に具体的な説明をすることができ、従来の通訳を介した説明と比較して、ぐっと厚みがでた。また、その都度雇用する通訳ではないため、継続的な商談フォローもでき、来場者からの信頼獲得やスピードアップにもつながる上、日本人スタッフは技術面や日本サイドの業務に専念できるため、商談体制が充実するようだ。

変わりつつあるベトナム企業のニーズ

本展示会出展者から聞くところによると、ベトナム企業の動向に変化がみられたようだ。近年ベトナム大手企業は徐々に資金力や技術力を高めつつあり、最新の先端加工機械を展示すると、ベトナム企業が購入していくことが増えてきていた。加えて、今年は「工作機械メーカーを起業したい」といったベトナム人もみられた。また、日本企業の取扱製品を活用したいという声もあった。長期に亘り経済成長を遂げているベトナムにおいては毎年違った動きが見られ、こうした動向から自社のチャンスを逃さないためにも、継続した出展が重要となる。主催者によると、次回は更なる会場の拡大が予定されており、出展者・来場者ともに拡大が見込まれる。

ものづくり産業課 志田貴紀

見本市データ
見本市名 第14回MTAベトナム2016(MTA VIETNAM2016)
The 14th International Precision Engineering, Machine Tools and Metalworking Exhibition & Conference
開催期間 2016年7月5日(火曜)~8日(金曜)
9時00分~17時00分
初回開催年/開催頻度 2005年/年1回
開催場所 Saigon Exhibition & Convention Center (SECC)
出展商品内容 工作機械、金属加工、精密機械、溶接テクノロジー、測定器他
出展者数 416社(24ヵ国・地域)
来場者数 9,969人
入場料 無料(ビジネスパーソンのみ、WEBより事前入手可)
主催者 Singapore Exhibition Services Pte Ltd
Vietnam Representative Office
Tel:+84-8-3930-7618
E-mail:exhibit@vietallworld.com