見本市レポート INNOPROM 2017

「INNOPROM」は、ロシア中部の工業都市、エカテリンブルク市で開催されるロシア最大級の産業総合博覧会だ。2017年のテーマは「SMART MANUFACTURING」で、機械設備、部品、情報通信技術（ICT）、エネルギー、都市開発等の分野から、世界20カ国・地域、600社以上の出展者が集まった。日本のほかには、韓国、ドイツが本展示会に初めてナショナルパビリオンを設置したほか、インド、イタリアもパビリオンを設けた。（※出所：INNOPROM Press Center）
日本とロシアは、2016年12月に安倍総理とプーチン大統領が合意した「8項目の協力プラン」に基づいて経済協力を加速させている。日本はこの一環として「INNOPROM 2017」でパートナーカントリーを務めた。パートナーカントリーとなった日本は、約4,000平方メートルを超える大型ジャパン・パビリオンの出展、大規模なビジネス・ミッションの派遣、日ロ双方より要人が参加するビジネス・フォーラムの開催などを通じて、ロシアとともに「INNOPROM 2017」を盛り上げた。会期初日にはロシアのプーチン大統領が世耕経済産業大臣らとともにジャパン・パビリオンを巡覧し、出展者からの説明に耳を傾けた。

ジャパン・パビリオン内の出展者の出展目的も様々だ。ロシアですでにビジネスを展開している出展企業からは、「ロシアは人口が多く有望な市場。モスクワ以外の地域でのビジネスにも今後力を入れていきたい」とのコメントがあった。日常に身近なものを展示している企業からは「子供からご年配の方まで幅広い客層に商品を見てもらえたことで、需要拡大に期待できる」との声があった。また、ジャパン・パビリオン出展者のうち半数以上となる89社が中小企業だったが、ロシア市場にこれから挑戦するという中小企業から、「情報収集目的で出展したが、予想以上に多くの引き合いがあった。商談の内容も見積もりの依頼など、ビジネスに直結するものだった」とのコメントがあり、手ごたえを感じることができたようだ。中には、「ロシアに既に進出している日系企業がブースを訪れ、彼らからロシアビジネスについて情報収集できたのも有益だった」との声もあるなど、「INNOPROM」参加のメリットは多岐にわたるようだ。 次回の「INNOPROM」は2018年7月9日～12日にかけて、同じくエカテリンブルク・エキスポにて開催される。