見本市レポート MEDICA 2016

世界最大の医療機器見本市

ジェトロ参加報告

ドイツ・デュッセルドルフ
2016年11月14日(月曜)~17日(木曜)

MEDICA 2016 会場風景

医療機器見本市「MEDICA」が2016年11月14~17日、ドイツ・デュッセルドルフで開催された。出展者は約70ヵ国から5,000社余りと過去最多になり、併催された医療機器技術・部品見本市「COMPAMED」と合わせて、世界140ヵ国・地域からバイヤーや医療関係者ら約13万人が来場した。

ジャパン・パビリオンでは世界中のバイヤーと活発な商談が行われた

ジェトロは、国別パビリオンが集まるホールにジャパン・パビリオンを設置した。ジャパン・パビリオンは今回で8回目となり、新規代理店の開拓を狙う中小医療機器メーカーなど24社が出展した。極細の注射針や人工呼吸器、手術支援器具など、安全第一の医療現場で評価される、高品質と使い勝手の良さが売りの製品が並んだ。また、糖尿病など生活習慣病の増加や高齢化によって世界的に介護やリハビリ分野への注目度が高まる中、リハビリ訓練ロボットや介護用マットレス、電動昇降洗面台、ベッド見守りシステムなどの製品にも、多くのバイヤーの関心が集まった。ジャパン・パビリオンにはドイツなど欧州はもとより、世界中のバイヤーが訪れた。今年はロシアやポーランドなどの中・東欧、さらに中国、韓国、シンガポールなどからの来場者が多く、活発に商談が行われた。

会場風景

出展企業の手応えは上々だ。「新製品を扱ってくれそうな代理店候補と接触できた」、「未展開の国・地域への販促ができた」などの声があり、商談の順調さが窺われた。また、2015年の前回出展時に比べ、その場で成約に至るケースも増えた。
出展者の多くは会期中、積極的に会場内の競合他社のブースに足を運んでいた。ある出展社は「日本にいるだけでは見えてこない、世界市場の『常識』に気付くことで、他国製品との差別化や新たな開発のためのヒントが得られる」と意気込んでいた。価格や品質、デザインなどに対する海外目線の市場ニーズを実感する場として、MEDICAは有用だ。

医療機器以外の幅広いヘルスケア製品にも可能性

MEDICAで効率的に商談を行うためには、医療機器に関するEU指令への適合宣言(CEマーキング)が完了していることが重要となる。未完了の場合は、近々その手続きを行う旨を明示しない限り、いくら製品に特徴があっても、バイヤーは関心を示さない。MEDICAに来場する欧州以外の国のバイヤーにとっても、CEマーキングが完了した製品は、自国の登録手続きを進めるに当たっての安心材料になり、販売先の病院に対しても売り込みやすい。
一方、医療・健康関連製品では、医療機器に該当しない製品も多数存在する。海外で医療機器と見なされないものは、販売に先立つ現地規制への対応が不要なので、比較的速やかに流通させることができる。各国のバイヤーが関心を寄せる日本製品は、必ずしも法的に定義される医療機器範囲にとどまらない。医療や介護、スポーツ、美容など、健康の維持・増進に直接的もしくは間接的に役立つ幅広いヘルスケア製品にも海外販路開拓の可能性がある。
海外展開を始めたばかりの企業や、欧州を中心とする新たな代理店網を開拓したい企業にとって、MEDICAは毎年1月末に開催されるドバイの展示会「Arab Health」と並んで、世界中のバイヤーと出会うことのできる優れた見本市だ。次回は2017年11月13~16日、同じくデュッセルドルフで開催する予定だ。

ヘルスケア産業課 シッチ アナスタシア

見本市データ
見本市名 MEDICA / COMPAMED 2016
メディカ / コンパメッド2016
開催期間 2016年11月14日(月曜)~17日(木曜)
10時00分~18時30分
初回開催年/開催頻度 1969年/年1回
開催場所 デュッセルドルフ見本市センター(Messe Duesseldorf)
出展商品内容 電子医療装置・機器、実験・研究装置、救助および救急装置、診断機、診断薬、整形外科、病院用備品、IT関連、衣料品、医療家具および装置、サービス、出版
出展者数 5,000社余り(約70ヵ国)
[日本企業内訳] MEDICA :113社、COMPAMED :59社
来場者数 約13万人(約140ヵ国)
入場料 有料、現地参加価格:60ユーロ/1日 159ユーロ/4日間、オンライン販売価格:20ユーロ/1日、69ユーロ/4日間
※ビジネス関係者に限る
主催者 Messe Duesseldorf GmbH(日本代表部:株式会社メッセ・デュッセルドルフ・ジャパン)
事務局連絡先 株式会社メッセ・デュッセルドルフ・ジャパン
Tel:03-5210-9951
Fax:03-5210-9959
E-mail:mdj@messe-dus.co.jp

担当:服部氏