見本市レポート SIMEM

アルジェリア最大の医療機器見本市

アルジェリア・オラン
2018年4月4日(水曜)~7日(土曜)

見本市会場の外観

アルジェリア最大の医療機器見本市「21st SIMEM - International Exhibition of Hospital Furniture and Medical Equipment」が、2018年4月4日~7日、アルジェリア・オランで開催された。中国や欧州製品の展示が目立つ中、医者等医療ビジネス関係者約7,200人が来場した。

アフリカ最大級の有望市場アルジェリアで積極的な姿勢を見せる外国企業

近年、輸入代替を推進し国内産業振興へと舵を切るアルジェリアだが、依然として輸入財への依存度は高い。特に医療機器部門では、2017年の国内総売上高3億3,000万ユーロのうち90%が輸入財であり、アフリカ大陸第5位の輸入市場規模を誇る。一方で、人口の増加とともに、生活・食習慣の欧米化が進む中、癌や糖尿病、心臓疾患等の成人病患者数は拡大傾向にある。これを受けて、公立病院や民間クリニックの新設が続いており、医療機器市場の拡大を下支えし、高品質の日本製品への需要増も期待されている。
こうしたなか、2018年4月4日から7日まで開催されたアルジェリア最大の医療機器見本市である「21st SIMEM-International Exhibition of Hospital Furniture and Medical Equipment」では、外国企業の出展が目立った。中国(73社)、フランス(30社)、ドイツ(26社)、米国企業(10社)のプレゼンスが高く、各社ともに現地代理店を通じて出展している。これら4ヵ国からの出展ブースは全体の見本市面積の半分以上を占めた。他方で、日本企業は11社が出展しており、ホームメディカルケア(体温計、血圧計等)の他、生体情報モニター、生体計測機器や医療用画像診断システムが会場の入り口付近など目立った場所で数多く展示され、来場者の注目を集めた。

アルジェリア市場を狙うためのB2B、B2G 見本市

輸入規制措置が強化され、規制内容が頻繁に変更された。そのため、外国企業は対応に時間を要す結果となったため、2018年の出展企業数は92社と前年比15%減少した。出展者の60%は輸入業者、或いはその代理店で、医療用画像診断システム、ラボ用機器、歯科用機器が主要な展示品である。一方、メーカー出展は全体の21%を占めており、大半はプラスチック製品やガーゼなど医療用消耗品を製造しているアルジェリア企業であった。
来場者は4日間で述べ7,200人、ほぼ全員がアルジェリア人であった。医師もしくは歯科医が来場者の49%を占めており、医療施設幹部、または医療ビジネス関係者は27%を占めた。更に、政府関係者の他、国内市場の90%を占める公立医療施設の関係者が同見本市に来訪するため、B2Bに加え、B2Gを対象としたPRが可能である。今回はオラン県ムルード・チェリフィ知事が開会式に参加した。過去のSIMEMの開会式には厚生・病院改革相が全20回中、17回出席している。
本見本市への視察または出展を通じ、アルジェリア市場の特性や潜在性を把握し、現地事情に詳しい同国輸入・販売業者の発掘と商談を行うことが、同国医療機器市場参入への有効な手立てとなるだろう。

多くの機器が展示されている見本市の様子

パリ事務所 ピエリック・グルニエ

見本市データ
見本市名 21st SIMEM – International Exhibition of Hospital Furniture and Medical Equipment
開催期間 2018年4月4日(水曜)~7日(土曜)
初回開催年/開催頻度 1998年/年1回
開催場所 オラン・コンベンションセンター(Centre de Conventions、Hotel Meridien内)
出展商品内容 医療機器、病院施設備品全般
出展者数 28カ国から92社
来場者数 約7,200人(うち外国から2%程度)
入場料 無料(ビジネスパーソンのみ)
主催者 Krizalid’Or社、SIMEM実行委員会(支援:アルジェリア厚生・病院改革省)
事務局連絡先 KRIZALID’OR
Tel:+213-4173-9732
Fax:+213-2155-0442
E-mail:salam@simem.info, ittissal@krizalidor.com