見本市レポート formnext

国際工具・金型製造加工技術関連見本市

ドイツ・フランクフルト
2015年11月17日(火曜)~20日(金曜)

formnext会場風景

国際工具・金型製造加工技術関連見本市「formnext」が2015年11月17日から20日まで、ドイツのフランクフルトで開催された。

付加製造に対する関心高まる

付加製造技術は近年、高速試作(rapid prototyping)から個別化された少量生産まで、製品開発と生産工程において重要度を増している。ドイツ連邦経済エネルギー省(BMWI)によると、ドイツにおける付加製造関連企業数は現在、1,000社に及ぶ。また、米国のウォーラーズ社の調査によると、付加製造関連製品・サービスの世界市場は2013年の30億7,000万ドルから2020年の210億ドルまで増加する見通しだ。
付加製造関連技術を中心とした国際工具・金型製造加工技術関連見本市「formnext」が2015年11月17日から20日まで、ドイツ・ヘッセン州のフランクフルトにて開催された。初開催となった今回は、ドイツの自動車メーカーのアウディ、レーザー技術大手のトルンプ、付加製造の分野で存在感が強いEOSなど232社が出展し、最新の付加製造関連技術を紹介した。約9,000人が来場し、外国からの来場者は約4割を占めた。
ドイツの付加製造大手のEOSは大きなブースを構えた。同社は歯の治療に使われるクラウンとブリッジを造形するためのサポート構造体や、特に航空分野で必要とされる軽くて耐久性が高い製品を紹介し、注目を集めた。本見本市では、付加製造技術の製品開発及び生産への影響などについて議論する専門会議も実施され、ドイツのアウディやEOS、米国のストラタシスなどの企業から30名を講師として迎え、総勢266名が出席した。

会場風景

日本企業も出展

自社の製品を紹介し、付加製造技術や他社の取り組みに関する最新情報を入手すべく、日本企業も5社が出展した。福井県に本社を置き、工作機械の製造販売をする松浦機械製作所もその1社。ドイツ法人である松浦ヨーロッパの吉垣内司社長は、「『formnext』は付加製造技術に焦点を置いた見本市で、特に積層造形に関する最新技術が展示されている。欧州のみならず世界各国からの来場者が多く、この見本市に期待するところが大きい。金属光造形複合加工機を出展しているのは当社のみだったため、注目を集めた」という。また、大阪市の金属加工会社である浦谷商事の浦谷英樹社長は、「来場客層は金型関係よりも医療、宝飾関係者や最終製品の開発者が多い印象だった。ドイツ市場にも中国製品や東欧からの低価格製品が押し寄せているが、品質と信頼でMade In Japan を提案していきたい」と語った。
次回の「formnext」は、2016年11月15日~11月18日に開催予定。

(デュッセルドルフ事務所 ゼバスティアン・シュミット)

見本市データ
見本市名 国際工具・金型製造加工技術関連見本市「formnext」
開催期間 2015年11月17日(火曜)~20日(金曜)
9:00~18:00(最終日17:00まで)
開催場所 メッセ・フランクフルト
出展商品内容 工具・金型の製造加工技術
出展者数 232社
来場者数 8,982人
入場料 無料(オンラインの事前登録が必要)
事務局連絡先 メサゴ・メッセフランクフルト(株)
【日本窓口】
住所:〒102-0072 東京都千代田区飯田橋1-3-2 曙杉館7F
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E-mail:info@japan.messefrankfurt.com