見本市レポート METALEX2016

ASEAN地域最大の工作機械見本市

ジェトロ参加報告

タイ・バンコク
2016年11月23日(水曜)~26日(土曜)

METALEX2016 会場風景

ASEAN地域最大の工作機械見本市「METALEX2016」が、2016年11月23日~26日にかけてタイ・バンコクで開催され、4日間で9万516人が来場した。今回で8年連続の出展となるジェトロ・パビリオンには計40社の日本企業が出展し、タイ企業を中心に多くのバイヤーとの商談が行われた。

ASEAN地域最大の工作機械見本市

「METALEX」は毎年11月にタイ・バンコクで開催されるASEAN地域最大の工作機械見本市で、今回で30回目を迎えた。各国の大手企業から、新たにASEAN市場に挑む企業まで、幅広い企業が一堂に会する見本市で、ASEAN地域での事業展開を目指す工作機械関連業界から大きな注目を集めている。今回はプミポン国王崩御を受けた自粛ムードが及ぼす経済活動への影響が懸念されたが、本展示会は展示会場(BITEC)の面積が前回比約1.5倍に拡大、21ヵ国・地域から944社が出展し、世界中から9万516人が来場する大規模な見本市となった。日本・英国・ドイツ・中国・シンガポール・韓国など多くの国がナショナルパビリオンを出展し、各国のバイヤーと出展者の間で活発な商談が行われるなど、展示会場は熱気にあふれていた。

日本製品への高い信頼

今回で8年連続の出展となるジェトロ・パビリオンでは、372平米に計40社が出展した。特に、昨今のタイにおける人件費の高騰を受けて需要が高まっている自動化分野には多くの関心が寄せられ、画像解析技術を用いた部品検査機械などの独自の技術を持つ企業を中心に、多くのバイヤーとの商談が行われていた。「日本製光学マイクロスコープを扱っている会社を探している」、「金属の曲げ加工機械を扱っている会社はないか」といった、日本製品への高い信頼が見て取れるような問い合わせが、数多くジェトロ・パビリオンの受付に寄せられた。出展企業からは、「大企業のように広い分野をカバーすることは難しいが、ニッチなニーズに確実に対応する自社の技術は世界でも戦えることを実感した」とのコメントがあり、これから海外展開をねらう企業にとって、現地ニーズを直接確認する機会となった。

様々な展示方法で注目を集める日本企業

ジェトロ・パビリオンでは従来の1小間9平米のブースに加えて、今回は新たに1小間6平米のブースを設けたことで、タイ市場を目指すより多くの企業の参加が可能となった。1社あたりのブース面積は6平米からと小規模だが、ジェトロ・パビリオン内に出展することによって、「ジャパン」ブランドによる集客効果を得られたという声があった。また、デモ機(送風機)を通路側に向けて配置することで風を感じた来場者の関心を引いたり、専門性の高い機械の能力をわかりやすく実証するために身近な食材を使って実演を行うなど、展示方法に工夫を凝らすことでも注目を集めていた。日本からはジェトロ・パビリオンのほか、日本企業の単独出展も見られた。また、日本の自治体による商談会が併催されるなど、会期中は日本企業と海外バイヤーをつなぐ多くのイベントが行われた。
先述のとおり、人件費の高騰を受けて生産ラインの自動化が進められているタイでは、従来は中国製、台湾製の製品を使用していたメーカーが、より高い精度と生産性を求めて日本製への切り替えを検討する動きがみられている。タイ市場を目指す日本企業は、今後もこうした現地の動向に注目していく必要があるだろう。

企画課 佐藤 大仁

見本市データ
見本市名 METALEX2016
開催期間 2016年11月23日(水曜)~26日(土曜)
10時00分~19時00分
初回開催年/開催頻度 1987年/年1回
開催場所 Bangkok International Trade and Exhibition Center (BITEC)
出展商品内容 工作機械、工具等
出展者数 944社(21カ国・地域)
来場者数 9万516人
入場料 無料(ビジネスパーソンのみ)
主催者 Reed Tradex
事務局連絡先 株式会社アクト・インターナショナル
Tel:03-5770-5581
Fax:03-5770-5583
E-mail:shokotoyomura@actinter.co.jp