見本市レポート Seafood Expo Global 2016

欧州最大の水産専門見本市

ジェトロ参加報告

ベルギー・ブリュッセル
2016年4月26日(火曜)~28日(木曜)

Seafood Expo Global 2016会場風景

欧州最大の水産専門見本市「Seafood Expo Global 2016」が、2016年4月26日~28日、ベルギー・ブリュッセルで開催された。日本企業8社が参加したジャパン・パビリオンでは、板前による寿司のデモンストレーションやマグロの解体ショーを行い、多くの来場者を集めた。

世界中から水産関係者が集結

本見本市は今年で開催24年目を迎え、米国の「Seafood Expo North America」(3月・ボストン)、中国の「China Fisheries & Seafood Expo」(11月・青島)とともに世界三大水産専門見本市に数えられる。2016年3月22日にブリュッセルで起きたテロ事件の影響を受けて、出展を断念したブースも一部見受けられたものの、約3万6,000平方メートルの会場に80カ国から1,664社が参加した。ジェトロがジャパン・パビリオンを設置するのは今年で3度目。8社の日本・日系企業が出展し、世界中から訪れるバイヤーたちと活発な商談を行った。来場者も欧州域内にとどまらず、143カ国から2万2,116人が集結する、まさにグローバルな水産見本市である。

寿司デモで新鮮な日本産食材をアピール

会期中、ジャパン・パビリオンでは在ブリュッセル40年の日本人シェフが、新鮮な日本産食材を使用した寿司を握りバイヤーに提供するデモンストレーションを実施した。各出品者から提供されたホタテ、タイ、ウナギなど、日本産の水産物を実際に味わってもらい、商談促進に繋げようという取り組みだ。中でも、約40キログラムの完全養殖マグロの解体ショーは多くの関心を集め、押し寄せた来場者で黒山の人だかりができるほど。バイヤーたちは作りたての寿司をほおばると、次々に商談の席へ向かった。出展企業からは「自社商品をアピールする絶好の機会」、「市場調査などでは発掘できない新たな顧客を開拓できた」といったコメントが寄せられ、欧州におけるマーケットのニーズを直につかむことに成功したようだ。

会場風景

欧州に広がる日本産水産物

EU市場ではすでにハマチやホタテといった商材のニーズがある程度確立されており、特に日本産の養殖ハマチやホタテは品質を重視するバイヤーから高い評価を受けている。今回はジャパン・パビリオン出展者のうち4社が養殖ハマチ、3社がホタテを扱い、バイヤーのニーズに応えた。
こうした日本産食材に関心を示すのは現地の日本食料理店だけではない。ブリュッセルのミシュラン一つ星の高級フレンチ・レストランが、新メニューの食材として日本産の養殖ハマチを使用している。「(日本産の養殖ハマチは)オーストラリア産などに比べて脂が乗っていて質がいい」と好評だ。また、これまで、EU市場での日本産ホタテのライバルはカナダ産であった。しかし、ホタテを試食したバイヤーからは「日本産のほうがやわらかくて断然おいしい」というコメントもあり、日本産のホタテを求めるバイヤーが増えている。EUにおける日本産水産物の市場はまだまだ広がりそうだ。

会場風景

水産品支援課 飯田覚

見本市データ
見本市名 シーフード・エキスポ・グローバル(SEG)2016
Seafood Expo Global 2016
開催期間 2016年4月26日(火曜)~28日(木曜)
10時00分~18時00分(28日のみ10時00分~16時00分)
初回開催年/開催頻度 1993年/年1回
開催場所 ブリュッセル・エキスポ
出展商品内容 水産関連商品
出展者数 1,664 社(80ヵ国・地域)
来場者数 22,166人(143ヵ国・地域)
入場料 前日までの登録:50ユーロ
会期中の登録:70ユーロ
(ビジネスパーソンのみ入場可能)
事務局連絡先

Diversified Communications
Exhibitor Customer Service

Tel:+1-207-842-550

Fax:+1-207-842-5505

E-mail:customerservice@divcom.com

主催者 米国 ダイバーシファイド・コミュニケーションズ