見本市レポート Liberty Fairs Las Vegas

米国西海岸のメンズアパレル見本市

米国・ラスベガス
2019年2月5日(火曜)~7日(木曜)

Liberty Fairs Las Vegas 会場外観

米国西海岸で開催される最も有力なメンズアパレル見本市のひとつ「Liberty Fairs Las Vegas」が、2019年2月5日~7日、米国・ラスベガスで開催された。米国を中心とした世界各国から約3,700人が来場した。

来場者への新たな気付きを提供するメンズアパレル見本市

アパレルのメンズマーケットは年に2回(春夏、秋冬)ずつ、各国のファッションウィークに連動して開催され、NYを皮切りにロンドン、ミラノ、パリと続いていく(2019年秋冬のメンズに限っては、NYはパリの後だった)。ラスベガスのマーケットは、通常それら世界的に主要なファッションウィークが一巡した後、ファッションウィークから切り離された時期に開催される。
米国のマーケットではNYとラスベガスのものがしばしば対比されるが、NYはファッションウィークに参加するような米国アパレル産業界のリーディングブランド、ラスベガスはTimberland、Puma、AG Jeansといった大手の商業的なブランドがより多く出展しているのが現在のトレンドだ。

デモスペースでのトレンド発信

ラスベガスではLiberty Fairs Las Vegasが開催される同じ時期に、MAGIC MENS、WWD MAGIC、SOURCING AT MAGIC、FOOTWEAR SOURCING AT MAGIC、THE TENTS、CHILDREN’S CLUB、AGENDA、CAPSULE WOMEN’S等、多くのアパレル関連見本市が開催される。

その中でも、Liberty Fairs Las Vegasは、商品を見せるという従来のトレードショーの枠を超えて、アパレル産業やファッション文化に対する新たな気付きを提供しているという点でユニークと言える。例えば、今回のLiberty Fairs Las Vegasでは、環境に配慮したデニムづくりを手掛けるJack&Jonesによるワークショップ、ファッションショーで商品が発表された直後に消費者が同商品を購入できるオンラインサービスを提供するModa Operandiによるトークセッションといったトレンドに触れられるイベントに加え、酸素バー、ヘアカット、バスケットボールコートの開放といったアメニティを通じて現代のライフスタイルが提案されていた。 主催者によると、こうしたコンセプトが支持され、初開催の2013年から年々成長しているという。

トークセッション

東西両方からのアプローチによる米国市場開拓

出展していた日本のブランドによると、「来場者の多くは西海岸をベースとした中小規模の小売店。東海岸から西海岸への移動には飛行機で6時間、時差が3時間あるため、東海岸の顧客はほとんど見られず。その逆も然りで、米国全土への販売を目指すのであれば、NYとラスベガスのマーケット両方に出展する必要がある」という。また、出展していた他国ブランドにも「どちらか一つだけ出展するとしたらNYとラスベガスどちらか」と質問したところ、出展者によって回答にバラつきがあったものの、現在は比較的西海岸の方がアパレル業界に活気があるという声が目立った。

商談の様子

主催者からは、「米国でビジネスを拡大するためには、継続的にトレードショーに出展することと、トレードショーの後にバイヤーとのコミュニケーションが取れる人(例えばレップ)を雇うことが必須」とアドバイスがあった。
次回は、NYが2019年7月22日(月曜)~24日(水曜)、ラスベガスが2019年8月12日(月曜)~14日(水曜)にそれぞれ開催予定。東海岸と西海岸の違いを把握し、体制を万全にして米国に挑戦していただきたい。

ニューヨーク事務所 坂戸 俊輔

見本市データ
見本市名 Liberty Fairs Las Vegas
開催期間 2019年2月5日(火曜)~7日(木曜)
10時00分~18時00分(最終日は15時00分まで)
初回開催年/開催頻度 2013年/年2回
開催場所 International Market Centers
出展商品内容 メンズアパレル・靴
出展者数 約300社(米国、カナダ、英国、豪州、日本、中国、韓国、ベトナム等)
来場者数 3,712人(米国、カナダ、日本、メキシコ、プエルトリコ、韓国等)
入場料 無料(ビジネスパーソン限定)
主催者 Liberty Fairs
事務局連絡先 Liberty Fairs
Tel:+1-212-473-4523
E-mail:info@libertyfairs.com