見本市レポート Origin Africa

東アフリカにおけるアパレル産業の現状を知ることができる見本市

ジェトロ参加報告

エチオピア・アディスアベバ
2015年10月21日(水曜)~23日(金曜)

Origin Africa 2015

東アフリカ諸国で巡回開催されるファッションイベント「Origin Africa」が、2015年10月21日から23日まで、衣料品製造拠点として近年注目を集めるエチオピアで開催された。ジェトロは、日本縫製機械工業会と共に、工業用ミシンメーカー4社の出展を支援した。

アフリカにおけるファッションを理解できる総合イベント

アパレル関連展示会、カンファレンス、ファッションショーを統合したイベント「Origin Africa: Africa Sourcing & Fashion Week 2015」(Origin Africa 2015)が、エチオピアのアディスアベバで開催された。第1回はファッションショーのみであったが、5回目となる今回は、展示会場に工業用ミシンなど生産用機材が数多く並び、カンファレンスでも、技術革新や生産管理システム、欧米企業が求める仕様といったテーマが新たに加わった。
主催者によると、H & MやPVHといった欧米の大手アパレルメーカーによるアフリカ諸国での委託生産の増加を背景に、アパレル産業のアフリカへの視線が「ユニークな文化」から「世界市場に向けた生産拠点」へと変わり、これに合わせるようにイベントも変化しているとのことだ。

会場風景

衣料品の委託生産先として注目を集めるエチオピア

本イベントは、米国国際開発庁(USAID)が支援しており、過去にケニア、モーリシャスなど東アフリカ諸国で巡回開催されているが、エチオピアでの開催は2012年に次いで2回目であった。エチオピアは、ミシンオペレーターの月給が約50ドルと安く、アパレル業界からは、中国、東南アジア、南アジアの先にある生産拠点の「ラストフロンティア」の一つとして認識されている。また、エチオピア政府は中長期的に軽工業を育成していく考えを示しており、イベントの開会式に出席したムラトゥ・テショメ大統領は、「外貨獲得や雇用創出のために(アパレルは)重要な産業であり、政府として国内外企業からの投資が増えるようインフラを整備していく」と挨拶の中で述べた。

会場風景

日本企業の売り先はインドやスリランカ企業

展示会場に設けられたジャパン・パビリオンには、日本縫製機械工業会、工業用ミシンメーカー4社(JUKI、ブラザー工業、ヤマトミシン製造、ペガサスミシン製造)が出展。各社は実演を行いつつ、最新技術、導入実績、品質の高さや耐久性などを紹介し、来場者の注目を集めていた。各社の売り込み先は、エチオピアに投資する外資系企業であり、インドやスリランカ企業が主な顧客となっている。出展者からは、「インドやスリランカ系の委託生産企業による具体的投資動向を知ることができた」、「縫製工場を立ち上げようとする地場企業も多いことが分かった」という声が聞かれた。展示会への来場者数こそ少ないが、具体的な引き合いは多く、エチオピア市場が今後有望な売り先であるという認識が出展者の間で共有された。

会場風景

(ものづくり産業課(機械班) 福山豊和)

見本市データ
見本市名 オリジン・アフリカ 2015
Origin Africa 2015
開催期間 2015年10月21日(水曜)~23日(金曜)
10:00~18:00(最終日は17:00まで)
初回開催年/開催頻度 2010年/年1回
開催場所 Millenium Hall
(エチオピア・アディスアベバ)
出展商品内容 ファッション、アクセサリー、衣料品製造に関する各種機械・機器(工業用ミシン他)
出展者数 187社(27カ国・地域)
来場者数 3,100人
入場料 無料
主催者 African Cotton & Textiles Industries Federation (ACTIF)
Trade and Fairs East Africa Ltd.
事務局連絡先 Trade and Fairs East Africa Ltd.
Tel:+254-711552-432
E-mail:info@tradeandfairs-eastafrica.com