見本市レポート GITEX

中東・アフリカ・南アジア地域最大の情報通信技術(ICT)展示会

アラブ首長国連邦・ドバイ
2015年10月18日(日曜)~22日(木曜)

GITEX会場風景

中東・アフリカ・南アジア最大の情報通信技術(ICT)展示会「GITEX」が、2015年10月18~22日、ドバイで開催された。第35回目の今回は、日系企業を含む世界各国から最新技術が集まり、多くの商談が行われた。

144ヵ国から14万6,000人が集まる一大イベント

今回で35回目となる「GITEX」には、世界130ヵ国4,200社(約20ヵ国のナショナルパビリオンを含む)が出展し、銀行・金融や石油・ガス、教育、ヘルスケア、小売業等様々な業種から、144ヵ国14万6,000人が来場した。2日目にはドバイのムハンマド首長も来訪し、展示会を巡覧された。本展示会は、年々出展企業が増加していることにより、2012年からはB to Bの「GITEX」とB to Cの「GITEX Shopper」の2つに分かれ、時期もずらして開催されている。主催者によると、来場者の関心が高かった部門は、IoTテクノロジーやクラウド・コンピューティング、ITセキュリティ、ロボティックス、ドローン等であった。5日間で多くの商談が行われ、売上高は5,000万ディルハム(1,361万ドル)に上ると見込まれている。

会場風景

15社以上の日本企業・日系企業が出展

日本からの出展企業は5社、その他にも中東や欧州にある日系企業の現地法人が10社以上出展した。2008年から出展している住友電気工業株式会社の担当者は、「中東各国のディストリビューターからの問い合わせが多く、光ファイバーケーブル関連製品の需要は依然として高いと感じた」と語った。今年初出展となる日本メーカー、FREETELは、日本品質のスマートフォンを出展し「CTIA(ラスベガスで開催されるモバイル関係の展示会)など他の展示会と比べ来場者数も多く、様々な問い合わせを受けている」と述べた。その他、SHARPは120インチの4K/8Kテレビを目玉として展示。パナソニックは1台約200万円の高級プロジェクター等、未発売の商品を含む映像系の商品に力を入れ、来場者の関心を引いた。

会場風景

拡大するUAEのIT市場

調査会社のビジネス・モニター・インターナショナル社によると、UAEのIT市場は、2014年で172億ディルハム(46億7,390万ドル)であり、その後年平均6.5%の伸びを見せ、2018年には236億ディルハム(64億1,300万ドル)まで拡大すると見込まれている。主な牽引役はクラウド・コンピューティング等の次世代ブロードバンドネットワークの開発である。ドバイの経済開発局が2014年3月に発表したレポートでは、ドバイのIT部門は2014年におよそ50億ディルハム(13億5870万ドル)の投資を受ける見通しだ。特にドバイ・インターネット・シティやシリコン・オアシス等のITを専門としているエリアは、政府のテクノロジーを推進する戦略の支援もあり、更に多くの投資を世界中から集めると見込まれている。
UAE政府は、ソフトウェアやサービス・プロバイダーの需要をもたらすスマート・シティの開発を推奨している。中東、トルコ、アフリカ(META)地域の情報通信技術(ICT)における2015年の支出額は、前年比4.17%増の2,500億ドルに達した。2016年は2,600億ドルと更なる増加が予想されており、今後も同地域での成長が期待される。

会場風景

(ドバイ事務所 山本実帆子)

見本市データ
見本市名 第35回 ガルフ・インフォメーション・テクノロジー・エクシビション(Gulf Information Technology Exhibition)
35th GITEX Technology Week
開催期間 2015年10月18日(日曜)~22日(木曜)
18日(13:00~19:00)、19日~21日(11:00~19:00)、22日(11:00~15:00)
初回開催年/開催頻度 1980年/年1回
開催場所 ドバイ・ワールド・トレード・センター展示会場
出展商品内容 ICT技術関連商品・サービス
(3Dプリンター、ロボット、ドローン、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク・インフラなど)
出展者数 4,200社(世界130ヵ国)
来場者数 14万6,000人(144ヵ国)
入場料 1日券125ディルハム(34ドル)、5日間券250ディルハム(68ドル)
主催者 ドバイ・ワールド・トレード・センター
Dubai World Trade Centre
TEL:+971-4-3086095
FAX:+971-4-3188607
E-mail:gitexsales@dwtc.com