株式会社葵製茶

バイヤーのPB商品販売の夢を叶えながら、日本の有機認証取得済み抹茶を英国へ広める!

葵製茶は愛知県西尾市にある100年以上続く抹茶製造会社で、北米を中心に抹茶を輸出している。北米以外の地域での販路拡大にも取り組む中で、ジェトロが招待したバイヤー専用のオンラインカタログJapan Streetを通してイギリスのバイヤーから引き合いを受け、オーガニック認証取得済みの抹茶が成約。バイヤーがデザインしたラベルを付けた抹茶の缶2種類が、バイヤーのPB(プライベートブランド)商品としてECサイトで販売されている。

成約した商品
有機認証取得済みの抹茶
商品概要
日本とEU間の有機同等性を利用した有機認証を取得している、茶道用の石臼挽き抹茶。
バイヤー概要
自社のECサイトを通して、英国でお茶や茶器を販売している。また英国によりお茶の魅力を広げるために、レッスンの開催や啓もう活動を積極的に行っている。

左から:商談を担当した企画営業部 水野 大介 部長、
田中 里奈 氏

抹茶の魅力を少しでも多くの人へ! 様々な認証を取得し、ターゲットのエリアを徐々に広げてきた。

海外輸出を始めた当時は、現地の小売店や小規模なレストランへの商品の販売が主でしたが、2000年頃から本格的な海外輸出の拡大を見据え、有機JAS認証やISO9001/2000認証を取得し、HACCP対応の工場を設立しました。2007年には米国に子会社を設立し、現地の展示会への出展や地道な営業活動を通して北米での販路開拓に力を入れていきました。今でこそ米国ではMATCHAという言葉が普及していますが、当時は緑色の飲み物自体が受け入れらなかったり、MACCHA のような綴りで販売されていたりと認知度を 高めることに苦戦しました。全米で増え続けているヘルシー志向の方々をターゲットに「食物繊維」「ビタミン」などの成分が豊富とプロモーションを徹底したところ、設立から10年ほどで北米での売り上げが非常に好調に。その後、Kosher登録認定やHALAL認証も取得し、現在は北米だけでなくヨーロッパやアジア、中東にも挑戦中です。

米国での販売経験を活かしOEM製造の体制強化! PB商品販売のニーズにとことん応える

感染症拡大を機にオンラインでの活動にも力を入れ始め、その一環でJapan Streetに登録しました。登録から2年たった頃、Japan Streetを通して英国のバイヤーから引き合い連絡があり、ジェトロ職員の方と一緒に弊社にご来訪いただき商談しました。最初はオーガニック認証(JAS)取得済みの抹茶をご希望とのことで商談を進めていたところ、会話の中でバイヤーがPB商品にも関心があることが分かりました。そこで小ロットからのOEM製造にも弊社では対応可能な点、既成の抹茶缶にオリジナルラベルを貼り付けるだけでPB商品が手軽に作れる点をご説明したところ、バイヤーの希望に合致し2種類の抹茶が成約しました。米国ではローカライズしたデザインの商品の売れ行きが良く、その経験を生かして海外では既製品販売ではなく現地企業とのOEM製造に主軸をシフトしてきたからこそ実現できた提案でした。商談から約半年後にPB商品が完成し、ECサイトにて発売を開始。消費者を身近に知るバイヤーによってデザインされたラベルは現地の生活に溶け込みやすく、バイヤーからは既に二回目の発注もいただいており、売れ行きは好調です。

葵製茶は品質の高い抹茶のOEM製造を強みとしている

Japan Streetを活用し、自国にいながらも販路拡大を目指している欧州へ輸出に成功!

バイヤーから「有機抹茶を探している」とジェトロに相談があった際に、ジェトロ名古屋がJapan Streetに掲載中の弊社商品をバイヤーに紹介してくれたことで、今回の商談が実現に繋がりました。弊社は商品情報をJapan Streetに登録しておいただけですが、販路拡大を目指していた欧州へ輸出ができ嬉しいです。 バイヤーも本気で抹茶の調達を進めており、有機食品の輸入のために輸入側で必要な有機認証もすぐに取得いただき、非常にスムーズに納品できました。また、今回の商談はジェトロのサポートもあり、愛知県の中心地から離れている弊社にわざわざ訪問してくださいました。そのため、石臼で抹茶を挽く製造過程を体験してもらったり、実際に畑に行って栽培方法の説明を聞いてもらったりと、茶葉の品質の高さを実際に味わっていただくことができました。オーガニックだと風味が損なわれがちですが、弊社の抹茶は非常に味が美味しかった点も発注の決め手とのことです。今後もJapan Streetを活用した新しい出会いを大切にし、販路拡大に取り組みたいです。

商談に同席したジェトロ職員から見た
成約のポイント!

商談中にバイヤーが見学した茶畑の様子

有機抹茶を販売する企業様は少なくないですが、その中でも自社の強みである「小ロットでのOEMが可能」「認証取得済みの抹茶」という点を強みとして押し出しプレゼンを行ったことで、なぜ同社の抹茶を選ぶべきかがバイヤーに伝わり、成約できたのではないかと考えています。オンラインの商談では実現不可能な「体験」を商談に盛り込んでいたことも印象的でした。実際に石臼で抹茶を挽いたり、茶畑を見学したり、同社の抹茶を五感で体験でき、バイヤー様も心を掴まれていました。

ご利用いただいたジェトロのサービス

株式会社葵製茶

愛知県西尾市
https://www.aoiseicha.co.jp/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
代表取締役:本田 忠照
設立年:1966年
従業員:70名
事業内容:抹茶の製造販売

2024年4月

関連情報

ご相談・お問い合わせ

現地日系企業の皆様

最寄りのジェトロ事務所にご連絡ください。