若潮酒造株式会社

地元資源活用の商品と海外戦略で、新市場を開拓

鹿児島県志布志市 ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

展開国・地域:
北米、香港、台湾、韓国、フランス
事業内容:
本格焼酎、スピリッツ、リキュールの製造販売

経営戦略室 室長 上村 曜介 氏

焼酎の国内ブームの中、海外市場での新たな可能性を追求

2005 年、国内での焼酎ブームの中、将来の市場縮小を予見し、現社長の夢を叶えるべく本格焼酎の輸出を開始。初めは現地の知人や鹿児島県人会の人脈を活用し、台湾や東南アジアに焦点を当てて出荷を進め、次第に中国や北米へと販路を広げていきました。しかし、現地の文化や習慣に合わせた商品開発の必要性を感じ、2018 年に焼酎をベースとしたジンの開発を開始しました。2020 年には、ジェトロのハンズオン支援や国税庁の補助金を活用し、商品の更なる開発と出荷を進めることに。補助金や専門家のサポートを得て行ったこれらの取り組みを通じて、海外向けの商品を開発できたことに加え、販路の拡大を図ることができました。

開発したジンは、焼酎の伝統的な木樽蒸留器を使用することで、香り高く独特の味わいを持つ

当社は、海外戦略策定の支援を受け、実践的な取り組みを進めています。専門家の駐在経験を活かした情報提供や、具体的な商談アドバイスを受け、特に北米やアジアへの輸出計画を実行しています。海外出張に際しても、専門家から現地動向や一般経済事情等きめ細やかな助言を受け、出張時に役立てることができました。また、ジェトロの「Japan Street」に掲載し、欧州バイヤーとの商談のきっかけを得ました。SNS やオリジナル動画を活用して、当社のストーリーや商品の魅力を伝えることにも成功。新商品「fspirits」は、規格外の地元野菜や果物を活用し、SDGs への貢献も果たしています。

ジェトロ招待バイヤー専用オンラインカタログサイト「Japan Street」にも掲載

伝統技法のジンで海外展開、支援活用が鍵

当社が開発したジンは、焼酎の伝統的な木樽蒸留器を使用することで、香り高く独特の味わいを持つという特徴が評価されています。特に北米での輸出においては、現地のパートナーと共同開発したジンを今年度出荷予定です。近年、輸出の割合が増加し、国内外のコンペティションでの受賞を通じて、ブランドの認知度向上に成功しています。これは国内の売り上げ増加にも寄与しており、社員のモチベーションも向上しています。海外展開を目指す企業には、さまざまな支援や研修、補助金の活用をおすすめします。また、すぐに結果が出るわけではありませんが、商談や出張を通じて得た現地の情報や経験は、長期的な業績向上や業界の発展につながります。

専門家からのポイント

コロナ禍の中、同社は単独で海外視察に行かれましたが、事前に現地動向・経済事情等についてブリーフィングを行いました。開発ストーリーや商品の魅力をいかに相手に伝えるか、ブランディング面も含めて支援しました。国内外のコンペで受賞されたことも認知度を上げる要因になったかと思います。海外視察を躊躇する企業が多い中で果敢に渡航されたチャレンジ精神も成功への鍵だと思います。

ご利用いただいたジェトロのサービス

  • 新輸出大国コンソーシアム
    日本企業の海外展開を支援する全国のあらゆる支援機関が結集し、海外展開にご関心をお持ちの中堅・中小企業の皆様へワンストップの支援サービスを提供します。

若潮酒造株式会社

鹿児島県志布志市
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代表取締役社長:上村 雅彦
設立年:1968年
従業員:35名
事業内容:本格焼酎、スピリッツ、リキュールの製造販売

2023年12月

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