有限会社進藤重晴商店

有限会社 進藤重晴商店は、有機肥料や減農薬で栽培した地元の柑橘類等を使用する柑橘ピール菓子メーカー。従来は農家が費用をかけて処分していた柑橘の皮を引き取り商品化することで、地元経済の活性化にも貢献している。愛媛県の輸出関連事業にも積極的に参加し輸出に取り組んでいたが、商品の定番化やさらなる輸出の拡大を模索し、輸出プロモーター（専門家）の支援を活用した。

既に輸出先のインポーターは決まっていたが、インポーターに任せきりにすることなく、専門家とともに現地の小売店やレストラン等を訪問。甘味の添加を最小限に抑え、日本産柑橘類本来の風味豊かな味を活かした柑橘ピールの良さを直接説明する海外営業に重点を置き、売り先を自ら開拓した。きめ細やかな対応と現地に赴いての販売支援を通じて現地納入先の信頼を獲得し、継続的な取引を着々と築いている。フランスでは有名パティスリーや高級スーパー、米国では日本食スーパーやECサイト、オーストラリアでは現地系高級スーパーでの取扱い開始に成功した。

また、ロサンゼルスの輸入商社を通じ、アメリカン・フットボールチームのホームスタジアムのスィートルームで提供される寿司メニューのデザートに採用された。さらに同スタジアムで開催された米国最大のスポーツイベントである「スーパーボウル2022」の寿司メニューでも採用。セレブ客に好評で、箸休めの位置付けでシェフにも気に入られている。

その他、アルゼンチンの酒造メーカーからジェトロに寄せられた香り付け用の柚子ピールの引き合いに応募（インクワイアリー事業）。お酒の香り付けとして販売するのは初めてであったが、専門家とともに先方と粘り強く交渉し、成約に至った。この同社の柚子ピールを使用したジンは、現地の酒類コンテストで最高賞を受賞した。