山陽精工株式会社

当社のSMT 事業は、長らく日本での「高温観察」の研究開発に注力してきました。しかし、国内の実装市場が飽和の兆しを見せる中、新たな市場として中国・台湾を選びました。特に中国は、電子半導体の巨大集積地としての成長が著しく、政府の強力な支援も受けて、情報通信やEV、医療機器などの主要産業が拡大しています。初めは国内商社を通じた輸出を試みましたが、思うような拡販には至らず、次に広東省の企業と代理店契約を結び販路を広げるも、言葉の壁により顧客ニーズを掴むのが難しいという状況に直面しました。しかし、中国人社員の採用により、現地の声を直接聞くことができ、商談もスムーズに進展するようになりました。

中国進出にあたっては、ジェトロ専門家から中国の自動車産業や半導体関連産業の最新情報をタイムリーに取得しています。またスポット支援面談を通じて、台湾技術者を介した営業アプローチや、中国・台湾の半導体企業の研究開発の実態など、新たな視点や情報を得ることができました。これにより、自社製品の現地販売に対する自信が一層深まりました。専門家からはジェトロの市場調査や企業リストアップ、オンラインブリーフィングなどのサービスを適切なタイミングで紹介いただけたことで、効果的に利用できています。コロナ禍でも、現地の生の情報を得ることで、計画的な展開を進めることができました。

「SMT Scope」は、日本国内での実績やJIS準拠の品質、そして揺らぎのない高精度な映像取得能力により、海外からも高い評価を受け中国、台湾で代理店契約の締結ができました。特に中国では、9 月に初回の出荷を行い、今後さらなる受注を見込んでいます。また台湾では、現地代理店を通じた販売が進行中です。貿易実務や市場調査など、輸出に際しての課題に関しては、ジェトロと共に取り組んでいます。国内市場は限界がありますが、海外市場は無限。これから海外展開を考えるなら、最初の一歩を踏み出す勇気が必要です。ジェトロの支援を積極的に活用することで、スムーズな展開が期待できます。