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株式会社森本商会

地元特産のドライフルーツが海外での珍しさと美味で評価され販路の拡大につながっています

農業用資材・機械の取引先農家の方々の力になりたいと、規格外の果物からドライフルーツの加工・販売を開始。柿・いちじくなどの素材の特色を生かした商品は、国内の高級果物店や高級スーパーの人気商品となっています。

島根県浜田市ウェブサイト

展開国・地域：: ・2020年度香港、シンガポール
・2021年度香港、シンガポール、タイ、中国ほか
事業内容：: 農産加工品（ドライフルーツ、若桃グラッセ、干し柿、あんぽ柿、いちじくジャム）、包装資材・機材、農業資材・機材などの卸売など

代表取締役社長森本一正氏

ハワイでの実演販売が、商品力への自信につながる

当社は地元・島根県浜田市特産の柿や梨、県特産品のいちじくやトマトを、一口サイズにカットして乾燥させた無添加のドライフルーツなどを加工販売しています。2016年に、島根県からのお声がけで、しまね食品輸出コンソーシアム主催の「マルカイハワイ島根フェア」にて実演販売をしたところ、ハワイのお客様からご好評いただき、そのことが自信となって本格的に海外での販路開拓に取り組むこととなりました。2017年にしまね食品輸出コンソーシアムに入会し、県内で輸出に取り組む企業とのネットワークを広げると同時に、ジェトロの農林水産・食品部のサービスを活用し、専門家の支援をもとにセミナーや商談会に積極的に参加しながら販路開拓に努めました。また、海外情報調査や現地への渡航などで、事前調査も実施し、2019年度からは新輸出大国コンソーシアムのパートナーによるハンズオン支援を受け始めました。

天日干しの干し柿（西条柿）

言語のハードルも、英文書類の定型化で乗り越える

当社には英語のできる人材がおらず、海外バイヤーとの商談など、自社での販路開拓には限界がありました。異なる商習慣のバイヤーとのやりとりにも苦戦しましたが、パートナーから、必要な英文書類の作成や商談の進め方について助言・サポートをいただき、商談時に必要な提出書類や商品企画書、見積書などの英文書類を定型化しました。その工夫が他地域への横展開にも役立ち、輸出先はハワイ以外にも香港、台湾、シンガポールへと広がっています。現在も、事前調査の結果や、ジェトロ松江、専門家（パートナーやエキスパート）からのアドバイスを参考に、ジェトロ主催の商談会などに積極的に参加し、当社商品への需要が見込めそうな国のバイヤーに自ら商談を申し込むなどして、販路拡大に努めています。お取引先との継続的なやりとりや、商談後の適切なタイミングで商談先にアプローチすることの難しさを痛感していますが、経験豊かなパートナーによる支援を受けられることがとても心強いです。

商談後のコミュニケーションの継続にも尽力

地元の輸出企業の輪を広げ、地域産業の活性化も図る

現地での実演販売や商談会への参加は、顧客ニーズや市場動向を把握でき、商品開発や販路の拡大にも有効です。加えてターゲット層を絞った販路開拓や、少量での対応など、相手のニーズに柔軟に対応することも成約への近道だと思います。海外では干し柿・ドライ柿が珍しいこともあり、島根県産・浜田市産のドライフルーツの味にはお客様から高い評価をいただいています。また、当社商品の輸出が拡大することは、地域産業の活性化や県や市のPRにもつながります。実際に当社から浜田市内の企業にも声をかけ、ジェトロの支援もいただきながら、共に海外輸出に取り組む企業も複数現れており、地元の輸出企業仲間の輪が広がっています。言語面での課題も、地元の高校と連携して英語版ホームページの作成が実現しました。初の海外進出は不安だらけでしたが、今では、ジェトロやパートナーからの支援をいただきながら進めていけば大丈夫だと多くの企業に伝えたいです。

専門家からのポイント

同社は、さらなる輸出が見込まれており、新輸出大国パートナーとしては嬉しい反面、原材料の果物は地元農家に限定して買い入れられており現時点では同時に生産量をも心配する昨今です。同社は海外展開に関わる社内体制や英文PR資料の整備、認証などの取得や商談会への参加を積極的に進められています。それに加えて、「地元におけるリーダーシップ」により、他の企業や行政も巻き込んで、浜田市における輸出の輪が広がってきています。まさに社長の率先垂範のたまものと言えます。

ご利用いただいたジェトロのサービス

新輸出大国コンソーシアム
日本企業の海外展開を支援する全国のあらゆる支援機関が結集し、海外展開にご関心をお持ちの中堅・中小企業の皆様へワンストップの支援サービスを提供します。