株式会社テレメディカ

当社は、心音・肺音・腸音など、多彩な聴診音が学べるオンライン聴診教育システム「iPax」や、超低～中音域の聴診音をリアルに再現する聴診専用スピーカ「聴くゾウ」など、医療系学生や医療従事者の臨床知識とスキルの研さんに資する教育システムを提供しています。大学医学教育で実施する聴診・触診などの基本技術の習得は、マネキン型シミュレーターを使って実習室内で行うのが標準でしたが、場所や時間的な制約があり、加えてコロナ禍で対面教育の機会も失われたことから、当社の教育システムを利用する大学が国内で急速に拡大しました。また病棟での実習にも利用され、当社製品を目にした方からの引き合いも増加しました。「日本よりも医師や医学生の数が多い海外でも、当社製品は受け入れられるのではないか」、「医療シミュレーターを利用できない先進国以外の地域でも、当社製品の活用で医療教育レベルの向上に役立つのではないか」と考え、海外展開を決定しました。

小規模企業にとって独力での海外展開はハードルが高く、最初に相談した川崎市海外ビジネス支援センター（KOBS）からジェトロ横浜を紹介され、ハンズオン支援に2020年度に申し込みました。KOBSアドバイザーやジェトロ横浜に常駐しているジェトロの担当コンシェルジュによる丁寧かつ前向きなアドバイスもあり、海外展開に迷いはなかったものの、海外での販路開拓には苦労しました。そのような中で大変心強かったのが、専門家（ハンズオン支援のパートナー）とジェトロの担当コンシェルジュがチームになって1年間無料でサポートするハンズオン支援で、おかげで一つ一つ、ハードルを乗り越えることができました。当初は医療先進国の欧米に照準を当て、欧州企業の集まるMedicalExpoなどのオンライン展示会やジェトロの商談会を積極的に活用しましたが、MedicalExpo出展を機にアジアからの問い合わせも増え、ハンズオン支援のパートナーから紹介されたインドの販売店やKOBSから紹介された中国専門商社と海外販売契約の締結に至りました。